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誤字修正…ハンネ打ちにくいよ!!
六話 寝すぎた…
「ん…」

 どうやら、俺は寝ていたようだ。
 
「……ここ…は?」

 現状確認。

 ベッドに寝ていた。
 よくわからないけど、マンションの一室?
 どこの?
 あれ?
 たしか俺は昨日…、魔導具召喚で…。

シャラン

 なにやら音がしたほうを見てみると、右手にしっかりと魔導具が握られていた。
 
 銀色の懐中時計。

 銀ではないかもしれない。
 銀のようであって白く輝いている。白銀の懐中時計…、か。
 先ほどの音は、懐中時計につけられた鎖がずれた音のようだ。

「にしても…、懐中時計…ねぇ。これ魔導具になるのか…? 時計代わりにしかならないような…」

 そんな事を思っていると、

「ん…ぁふ…」

 隣で何か小動物のような声がきこえた。

「…ふぇ?」

 ハンネだ。
 つまりこの部屋はハンネの家だろうか?

「おはよう」

 とりあえず、挨拶は重要だ。

「…ほはぉ」

 挨拶しているようだ…。

「あああっ! え、ええええとコレは違うんですよっ!? 襲ってませんよ? 抱き枕になんてしてませんっ!!」

 どうやら抱き枕にされていたようだ。

「…まあ、それはいいや」

 ふと、俺は気づいた。
 俺はまだ学校はないが、ハンネは先生ではないか?

「学校はいいのか? たしかエラに明日は学校とか言ってたけど」

 そう言いながら、時間確認のために懐中時計を開いてみる。
 
 うん。
 売ったら結構高く売れそうな作りだ。
 時間は、十時だった。
 さすがに異世界だからって、10時で学校始まってないなんてことはないだろう…。

「えーと、今日は休みですよ?」



 意味がわからなかった。

 自分が休みたいからこんな嘘を?
 そもそも、俺は昨日聞いたぞ。
 明日学校だって。

「よくわからないみたいな顔してますが、魔導具召喚をした日が光の日の朝だったんですよ」

 ふむ…、確かに前日は休日っぽかったな。
 エラも遠出で温泉に行ってたみたいだし。

「この世界は一週間が空 光 火 水 風 土 闇 の七日になります。ちなみに空が休みです。それで今日は空の日です。つまりですね…」





    「トキくんは六日間寝ていたのですよー」

 そういってケラケラ笑うハンネ。

「・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「ハアアアアアアアァァァァァァァァァァァ!!!!!?」

 うるさい。
 みたいな感じで耳を押さえるハンネ。

「驚いているようですが、珍しい事じゃないんですよー」

 そんな事をのたまった。
 聞いてないぞ俺は?

「深層世界に触れるってことはですね。複写でも精神に結構影響するんですよ。短くて一日。多くて一か月くらいは眠り続けますね」
「……」

 無言でじと目になる俺。
 なんで言わなかったんだ? と。

「あっ、でも一週間で、転校手続きとか住居とか全部決まりましたよ!!? ホラ、よかったねー…」

 焦りながら言うハンネ。
 ま、入学するって云ったのは俺だしな。
 しかも面倒ごと全部やってくれたのはうれしい。

「はあ、まぁいいや。めんどうごと押しつけちゃったみたいだし。ありがと。」

 ハンネが『はぁ…完璧に敬語なくなっちゃったよ』とか呟いていたが気にしない。

「ぁ、忘れてました。はいこれ」

 とカードを渡された。

 テレホンカードくらいだろうか?
 ずいぶん小さいな。

「何これ?」
「学園都市の生徒証明書ですよ。これで依頼を受けたり。単位をもらったり、お買いものしたり出来るんですよ。身分証明書だと思ってください」

 俺はそれを改めて見てみる。

「トキ=キサラギ……クラスF……名 未設定……
 属性………火 水 風 土 熱 氷 雷 金 光 闇 時間 空間 創造 幻想……。と言うかこれ属性が思いっきり下の欄まで突入してるし…」

 もう下の賞罰のところまで侵入している。
 もし賞罰受けても読めないだろう…。

「しっ、仕方ないじゃないですか! そんな属性多い人いないんですから!」

 そんなこと言いながら焦っている。

 ぉ? でもそれってつまり俺最強ってことか?

「あ、でも魔法は使えませんよ」

 幻想が一瞬にして破壊された。

「ってそれ、属性あっても意味ないじゃん!」

 なんか一瞬にして落ちこぼれになった。

「んー、と言うかおかしいんですよね? 魔力自体は誰よりも膨大なはずなんですよ。召喚の時もあれでしたし…。もちろん魔法がつかえない5割の人にも、魔力が高い人はいるんです。居ますけど…、そう言う人とは壁が違うんですよ」
「壁? 壁ってセキュリティーってやつの?」
「そうです。上位の魔法使いなら他人の壁の状態って言うのがわかるんです。見てみたんですが…、普通の使えない人って言うのは黒い感じなんです。何も通さないような黒。魔法を使える人は壁の薄い部分に穴をあけて魔法を使うんですよ」

 ふむ…、わかるようなわからないような…。

「でも、トキくんの場合は白いんです。それもすごく薄い。向こうが見えるくらいに。ただ薄いのに硬いんです。黒い壁とは比較にならないほどに。たぶん膨大な魔力をとどめるために壁が硬くなったんだと思います。そして多くの属性をとどめるために白くなった。一番内包出来る白。何も書かれていない白紙。それゆえに染まりやすい」

 一瞬頭の中に“白い本”が浮かんだ。
 この世界に誘ったあの本はまだ俺の中にあるのだろうか…。

「ま、考えても仕方ありませんね。何かのきっかけで使えるようになるかもしれませんよ?」
「だな…、魔法が使えないのは残念だが頑張ってみる」

 魔法学園に魔法が使えない生徒が……。

「では。説明しますね? カードを見てください。クラスってありますよね?」

 とりあえず魔法のことは置いておいてカードを見る。

「クラスっていうのは授業を受けるクラスのことです。一つのクラスに40人程度で全部でA~Zまであります」

 ん? 40でA~Zの24クラス…、って。

「一学年千人ちかくっ!?」

 日本の高校の全人数より多いんじゃないだろうか…。

「ですです。だから学年ごとに校舎があります。その中でAが特待生B・Cが準特待生です。このクラスは成績に応じて入れ替わるので、トキくんがそこに上がっていってくれたらうれしいですねー♪」

 魔法使えないから無理なんじゃ…。

「あと名ってところがありますよね。それは個人の詠唱のことです。魔法全般は“呼びかけ”+“形づくり”+“名”をつなげて魔法を使うので…。まぁ、魔法が使えるようになったら決めましょう」
「……ハイ」
「あと属性名とかは隠したほうがいいかもです。たぶん喧嘩売られたりします。属性が多いって言うのは、それだけで嫉妬の対象です。多くて魔法が使えないなんてばれたら餌食ですからねー」

 なんとも軽く言う…、とりあえず隠そう。

「食事は、寮と学食は無料ですので。もちろんもっとおいしいレストランで食べたい。とかだったらお金がかかりますけど」

 贅沢は敵です! それにお金ないし。
 これ以上ハンネに迷惑かけたらマジで永久就職(結婚)するしかなくなる。

「寮は二人部屋です。もう一人は既にもう入寮してるので、仲良くしてくださいね? ついでに学校は寮の裏なのですぐです」

 友達関係も心配されてしまった…。
 まぁ、地球では友達なんて一人も…、一人知人がいたか。

「ちなみに寮の番号はカードに書いてあります。カードキーにもなりますので、それがカギです」
「そういえば寮ってどこにあるんだ?」
「ここですよ? ここも寮の一室なので。管理人室ってやつです。先生が一人一つ管理してるので。最初は私もついていくので。行きましょうか?」

 そんなことを言いながら、とことこ玄関に走っていくハンネ。
 その後ろに俺もついていく。








「そういえば、魔導具ってこれだけど。何に使うんだ? 時間調べるくらいしか出来なくないか?」

 ハンネに歩きながら聞いてみた。

「そうですね…、私も初めて見るものなのでわかりませんが…。普通は剣とか杖とかなんですよねー」

 つまりゴミってことじゃないか?
 俺の深層世界! どこまでしょぼいんだ!
 そう思った瞬間懐中時計が少し震えたような気がした…。
 
 む…?
 
 見つめてみるが何も起こらない…、気のせいか…。

 そう言えば……、あの時の“少女”は誰だったんだ?

「まぁ、何かに使えるかもしれないので、持っておけばいいと思いますよ?」

 まぁ捨てるつもりもないけどな。
 ……最悪売り払えばいいし。

「ぁ、ここの部屋です」
「普通の…、マンションだな」

 レンガを組み合わせたような壁、高そうな木の扉。
 カードキー挿入口まで木だ。
 これは機械では無理だろう…、魔法かな。

「では、また明日ですー八時に職員室にきてくださいねー待ってますからー♪ あ、あと教科書とか洋服とかは部屋に運んであるので、でわでわ~♪」

 かなり迷惑かけたっぽいな…、なにからなにまで…。

「おいっ!」

 去っていくハンネに声をかけた。

「え?」
「スーツ似合わないぞ? 休日くらい私服きたらどうだ?」

 ニヤリとひにくな笑みを浮かべてみる。

 次第に真っ赤になっていくハンネ。

「うー…、よけないなお世話ですっ!」

 とてとてと言う言葉が似合う走りで走り去ってゆく

「フッ」

 気付かせてあげたぜ。

 とりあえず入るか…。
 カードを取り出してロックを解除する。

ピー 

カシャン

 ロックを解除した。

「さて…、どうなることやら…」

 俺は一人溜息をこぼした。



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