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一応、原作をやってない人でもわかるような内容にしますが、わからないところがあったら言ってください。なおします。

八五話 第五の世界











―――狭間・2000年目







 いつもの狭間に、俺達は漂っている。
 まず、魔力回復に数百年。更に吸血鬼用の身体強化による身体の修復で二千年程だった。
 もう、年齢とかはよくわからない。今度から一億ってことにしておこう。
 レンは既にサイズが一キロを超え、龍に戻ったらなんだかよく分からない存在だ。

「ご主人さまー、では今回の世界のおさらいです」

 現在、ハクの授業中。

「まず、一番の目的は水のページ回収。二番目に武器データを世界からの徴収。おまけとしてご主人さまの攻撃手段の増加」

「じゃ、まず一番から順番に説明頼む」

 俺の言葉に、ハクは一度コクリとうなずく。

「はい。まず、この世界には聖杯と言うものがあります。その中に水のページが入り込んでますね。てかぶっちゃけご主人さまはゲームやったことありますか?」

 Fateだよな?

「あるぞ? 確か茶色い髪の女の子が主人公の」

「……」

 黙り込んでしまったハク。
 あれ?

「ご主人さま。何分くらいやりました?」

「20分くらい?」

「じゃぁ違いますよ! それはプロローグだけです! なんで最後までやらないんですか!?」

 いや……、プロローグを見て先は想像するって言う俺の楽しみ方が……。
 俺の予想だと、あの女の子は赤い男と十八禁の関係になったね。

「はぁ……、もういいです。で、聖杯ですけど、七人のサーヴァントって言う、まあ使い魔ですね。闘わせて最後に残ったサーヴァントの主に与えられます。願いが一つ叶うとか。6人のサーヴァントの魂を聖杯の中身にするんですよ。だから、勝ち残らないと現われません」

 ふむ。なら、勝った奴の横からかっさらって……。

「心の声も聞こえますからね? 普通に勝っちゃってくださいよ!? って言っても、サーヴァントとして呼ばれるのは英霊ですからね。神話とか伝承とかに出てくる奴です。実在しようと架空だろうと、知名度が高い英雄が英霊になります。これは、守護者の選任を星の意思にさせたらこうなりました。意思とか創っちゃうあたり面白いですよねー」

 けらけら笑っているが、全然面白くない。
 そんなの奴隷製造星じゃねーか……。

「って事でですね、ご主人さまはサーヴァントになれません! 英雄なんてご主人さまの100万倍くらい格下です。なわけでして、干渉しちゃいましょう。どっかの英雄の代わりにご主人さまを入れちゃうわけです。物語ぶっ壊せってことですね。どうせご主人さまが創った世界ですから壊しても文句言われませんから」

 文句は言わないだろうが、もしゲームをやってる奴が俺のことを見たらぶち殺される。

「ま、どこに入るかはわかりませんが。あ、あと、出来るだけ魔法以外で倒しましょう。時間と空間がある星の為の練習になります。十中八九ご主人さまはすぐ殺されるんで、最初は倍率上げましょう」

 俺の方が100万倍くらい格上なのにすぐ殺されるとは……。

「ご主人さまの本質は世界創造なんですから、身体能力で勝てませんよ。で、二番目ですが、これは世界に入った瞬間世界構造丸ごととってきちゃいます。過去から未来まで全部。私が勝手にやって、ご主人さまの世界にでも形として創造しておきます。魔力と力使っていいですか?」

「ああ、別に好きに使っていいぞ。全部なくなるとかないよな?」

「ええ、名剣から神が使うようなの全部創っても一割程度しか減りませんよ。あとですね、英雄は宝具っての使うらしいんですが、所持者しか真名解放出来ないみたいなんですよね」

「ってことは、俺は使えないってことか」

「いえ、もともとご主人さまの世界ですから、ご主人さまの物でもあります。全部出来ますね。そうじゃなくてですね、結構厄介ですから、武器情報見て嫌だったらご主人さまをルールから外しちゃってください。死んじゃいますから」

 でも、武器自体に力があるなら時間と空間のページでも使えそうだからいいな。前みたいのコリゴリだし。

「で、三つ目ですが、ご主人さまは武器の扱いがダメですからね、色々英雄って言う人たちの戦い方を学んで参考にしましょう。ご主人さまに合った戦い方の英雄とかいるかもしれませんし」

 まあ、学べるなら学びたい。今の俺は魔法に頼らないと糞だし。魔法なしだと、深層世界から物を取りだすくらいしか出来ない。

「最後に、一番大事なんですが、あまりお人よしにならないでください」

 何を言っているんだハクは。俺は独善で、唯我独尊だぞ? 気分でしか人助けなんてしない。

「この世界は歪なんですよ。色々おかしなルールとか付加されてまして、もし全部救うなら世界から魔力全部消し去っちゃってください。一生世界渡れなくなっちゃいますから」

「そんなに酷いのか? 出来るだけ世界には干渉したくないんだが。その世界の生態系とか狂うし」

「ええ、この世界は魔法が廃れて魔術になり下がってしまっているので、それを用いる代償を世界に支払っているんですよ。魂とか精神とか、自分の体とか。魔術の世界では人の価値が薄くなってますね。くれぐれも、魔法を与えないでくださいね? ご主人さまの力はこの世界の『根源の渦』そのものです。と言うか、ご主人さまが根源ですね。多分、ご主人さまの力が広く漏れちゃうと、ホルマリン漬けとかされます。だって、世界だって創造出来ちゃうんですから」

 すごく行きたくなくなってきた……。ホルマリン漬けって……。

「あと、ご主人さまは女難の相が常に出ますから、女性には近づかない方がいいです。この世界だと、強い力を持った子供が欲しくて子供産まされちゃいますよ? ご主人さまの子供なんて、どう転んでも普通の星の最高神越えますし」

 うあー、もう最悪すぎる……。

「ついでに魔法無効ルール付けときましょう。変な術式とかつけられたらたまったものじゃありません。もちろん、召喚の契約は抜いてくださいね?」

 学園都市でのローラの例があるからな……。俺を洗脳するなんて出来るとは思わないが、もしものためだし。

「あ、あと。私から課題出していいですか?」

 いきなりそんな事を言われた。
 コイツがそんな事を言うと、不安だ。

「一つでいいので、ご主人さまの宝具を完成させてください。もちろん、どの宝具よりも強い奴です。もともと、宝具なんておもちゃなんですから、ご主人さまが創るとした、宇宙一つくらい壊せるのがいいですね」

 ふむー……、とりあえず降りて、色々見てからイメージを固めるかな。
 専用武器も必要だと思ってたしな。

「じゃー、降りますよー? がんばって男の召喚主に着きましょう! 多分無理ですけどね!」

 どんな自身だよ!? ランダムだろ!? って言っても、俺も無理だと思う。絶対ややこしいことになりそうだ。


 俺はルールを変更し、地球に転移した。





















――――冬木市




 まず、世界データからの場所の特定で、冬木市と言う場所に降りた。
 最初の地球にはない市名だな。
 時刻は夜。深夜近い。で、現在置は橋の上。

 俺の前には女の子が二人倒れていた……。

「おーい、大丈夫か?」

 とりあえず声をかけてみた。女の子はゆっくりとコチラを向き。

「ま……、まりょく……」

 ふむ。魔力切れで倒れたか。ラインが繋がってるし、たぶん俺を召喚して、魔力を注いだせいでこうなったって感じだな。
 ま、俺にとっての微量でも普通の神にとったらぶっ倒れるくらいだ。
 えーっと、契約は、簡易契約か。これならいっか。すぐ剥がせるし。

『Die Inversion des Vertrages』
    《契約の反転》

 俺と二人の体が薄く光、主従を反転させる。

 俺は腕を噛み切り、二人の口にぼたぼたと血を垂らす。

「ほら飲め。俺の血だから魔力くらいすぐいっぱいになるだろ?」

 二人はゆっくりと、それから激しく飲み下してゆく。

 ガバっと立ち上がる。

「おいしい!! 駄メデューサの数倍おいしいわ!」
「美味ですね。奴隷として召喚した甲斐がありました」

 うん。そのために瀕死になったのかコイツら。

「悪いが、お前らと俺じゃ神格が違いすぎるぞステンノとエウリュアレ」

 二人は眼を見開く。名前がわかったことに驚いているのだろうか? 世界データからパクってきただけだが。

 ゴルゴン三姉妹。

 長女ステンノ。
 優雅な仕草、溢れる気品、思慮深い言動。
 理想の女性と言われる女神。

 彼女に名前を呼ばれただけで、男性はあまりの喜びに我を失い、忠誠を誓うといわれている。

 次女エウリュアレ。
 屈託のない仕草、こぼれるほどの笑顔、無垢な言動。
 理想の少女と言われる女神。

 彼女に名前を呼ばれただけで、名誉に体を震わせ、命を賭した守護を約束するといわれている。

 両方が男性の憧れが具現化した神で不老不死。
 この世でもっとも弱く、闘う力がなく、一人では飢えてしまい、誰かの力を借りなければ生きられない永遠の少女。

 なんだが……、俺にはわかるぞ? 絶対コイツらSだ。俺のこと奴隷召喚とか言ってたし。
 しかも、純白系ゴスロリデュオだ。てか、見た目似すぎ……。ルリリル並に似てるし。

 紫の髪のツイテール、足元まで髪が伸びている。
 瞳は俺と同じで金色、神と最初にわかったのはその為だ。
 服は白いゴスロリ服だ。
 身長だって140ちょいしかないし、胸だってBくらいしかない。

 これが男の理想ならガッカリだ。

 ちなみに、丁寧な喋り方が姉のステンノ。
 子供っぽいのが次女エウリュアレ。

「で、驚いているところ悪いが、契約を反転させてもらった。別に俺が奴隷でもいいが、そしたらお前ら死ぬぞ? それでもいいか?」

 俺は肩をすくめながら聞いてやる。もしこれで、それでいいって言ったら契約をもう一度反転する。ただし、5分ほどでこの二人は死ぬだろう。

「それは嫌ね……」
「なんて酷い神でしょうか」

 ひどいのはお前らだからな?

「てかさ、何で神がサーヴァント召喚してるの? そして、何故お前ら降りてきてんだよ」

 これ人間が召喚するんじゃなかったか……?

「私と私はお世話する人がいなくなったからよ?」
「それよりも、何故貴方のような神が降りてきてるんでしょうか?」

 つまり、お世話されないと死ぬから、誰かお世話する奴を呼ぼうとしたってことか。
 私と私ってのはステンノとエウリュアレのことだよな……、わかりにく!

「よく今まで生きてたな? ちなみに、俺は面白そうなことがありそうだから来た?」

 適当に言ってみた。

「駄メデューサが召喚されちゃったのよ。私と私以外に仕えるなんてホント駄目な妹だわ」
「面白そうな事が起きるなら私もついていきたいですね」

 気分やだな~。てか、守護者は魂を拘束されて、サーヴァントは普通本体じゃなく、分身が行くんだろ? それでも、我慢できないって……。

「てか、お前ら今俺の奴隷状態だぞ? ほら」

 二人に俺の両手を見せてやる。そこには、令呪が刻印されている。サーヴァントを律する為の命令権が三つ刻印されている。って言っても、俺の場合すぐ剥がせるが。

 二人は抱き合い、

「ああ、なんて不幸でしょう。これはメデューサにお仕置きしないといけませんわ」
「ええ、駄メデューサを躾けるしかないわ!」

 全然怖がってなさそうだ。

「やはり私と私は男性の憧れですね。ここで無残に蹂躙されてしまうのでしょう」
「仕方ないわ、こんなに美しいんだもの」

 ……何こいつら? 確かに、女神だけあってキレイだけどさ、普通に子供だぞ?

「うん。お前らみたいなロリには興味もないから今すぐ契約を破棄してやろう。さっさと形なき島に帰れ!」

 俺は上空を指さし、言いきった。

「いえいえ、私と私はもう少し楽しんでから帰ります。せっかく来ましたし」
「駄メデューサを殺すわ、あはは。だって、いつも私を見下してるんだもの」

 それは、お前らが小さすぎて必然的に見下ろしてるんだろ?

「てか、殺すのか?」
「そうよ! それで、帰らせるの。帰ったら躾よ!」

 分身だからな、殺しても世界から消えるだけ。本体は残る。

「ふーん、で。お前ら契約切ってやるけどどうする?」

 俺が言うと、二人はじっとコチラを見つめ、

「そのままでいいわよ。と言うか、私と私なら貴方を従えられないかしら?」

 ふむ、エウリュアレはどんな勘違いをしているんだろうか?

「お前達、俺がどんな神が知ってる?」

 二人は首を傾げる。

「神でしょ? それ以外に興味ないわ」

 姉のステンノが言う。

「うーん、従えられると言うならそれでもいいけど……」

 俺は魔力に形をつけず、軽く放出し、いままで抑えていたものを二人にぶつける。

 って! 10メートル近く吹き飛んだ!?
 かなり力上がってるぞ……。
 二人は息が出来ず瀕死状態だ、すぐに解除して駆け寄る。

「あー、すまんみすった。てかお前ら弱すぎだろ? なんとなくわかると思うけどさ、この星創った神だ。お前らにしたら父親みたいなものだな」

 俺が言ってやると、二人は眼を見開き、すぐにニヤリと笑った。

 いきなり、俺に抱きついて来て、

「パパ~、エウリュアレパパの血が飲みたい~」
「お父様、私もお父様の血が飲みたいです」

 うん。超コワイ。演技うまいし……。しかも、内側でエルが、お父様ってステンノが言ったことに怒ってるし。

「別にいいが、お前ら血呑みすぎると破裂するぞ? 俺の血の魔力純度が濃すぎて力の弱い神や人間が飲んだら死ぬし」

 コレは事実。リルが飲んでも平気なのは、即座に太陰が呪力を奪い取っていたからだ。普通の人間なら一滴ですらキツイ。

「な、なんて生殺しなのかしら!」
「あんなに美味しいのに飲めないなんて酷いですね……」

 ふむ……。でも、さっき俺が魔力ぶつけたせいで結構傷負ってるしな。切り傷が……。

「ちょっと、お前ら傷ついた腕出せ」

 二人は素直に腕を出してくれる。真っ白な肌から、血が出ている。

 俺が軽く舐めてやると、すーっと傷が消えてゆく。

「よし、あまり女の子が傷負うなよ? コレは俺のせいだったが」

 あれ? なんで真っ赤になってるんだ?

『ご主人さま~だからアレほど女の子に近づくなと。ご主人さまの力が上がってるんですよ。見てください。唾液がすぐに体に入り込みましたよね? あんまりやりすぎると、依存度がめきめきと上がってゆきます。呪いに近いんですからね? 神ですらコレですから、人間にあまりキスとかするのはお勧めしません』

 ページは一応揃うまであと一種類。魔力もそうだけど、掌握能力まで上がってるのか……、最近瞳の制御もキツくなってきてるんだよな……、どんどん人間から遠ざかる。

「ああ、触れられるのも許さなかった私の肌が……」
「もうダメですね。これは娶ってもらうしか」

 そんな上目づかいで見るな……、肌舐めたくらいで結婚させられたらたまらない。

「とりあえず、俺がマスターになっても意味ないんだよ。もう一回ルール変えて介入しないと。どうせ、俺もお前らも霊体じゃないから聖杯には……」

 あれ? そう言えば俺霊体じゃないぞ? 聖杯が6つのサーヴァントの魂を生贄に完成するなら、実体の俺は入れないぞ? まぁいっか。死んだらどうせ意味ないし。最悪俺が、無理やり器に力流し込めば完成する。

 そもそも、多分俺は理から外れている。ってことは、マスター8人。サーヴァントなぜか9人。霊体は6人とか言うわけ分からない状態になるぞ……。
 霊体が6人ってのはいいけどマスターは7人がいいよな……、一人無駄だし。

 やっぱ、俺が召喚されないとまずいよな。次の召喚の奴に介入っと。

「で、お前ら俺についてくるの?」

 二人に聞いてみる。

「そうね、メデューサが戻るまではいるわ」
「私も面白そうだからついて行きます」

 じゃ、二人を俺として認識させるかな。これで、三人が一気に召喚される。サーヴァントとして召喚されるのは俺だけど。ちなみに二人は、俺と簡易契約ってことになっている。すぐにでも解除可能だから渡るときは解除。

「てかさ、俺をどうやって召喚した?」

 魔方陣なんてどこにもない。それで俺を召喚出来るとか、まじ俺しょぼくね?

「コレね」

 エウリュアレが取りだしたのは白いパンツだった……。

「あとコレ」

 ステンノが取りだしたのはブラジャー……。
 確か、召喚って呼びだす者のゆかりの品が必要とか……。

 下着、双子っぽい見た目、神、幼女、ツインテール。
 俺にゆかり……。
 なんか一気にちっぽけに思えてきた。

 俺が地面に膝をついていると、地面に赤い魔方陣が浮かび上がった。

「あ、二人ともちょっとこっちこい」

 俺は近寄ってきた二人を抱きしめた。下手したら違う場所に飛ばされるからな。二人が赤くなってたが知らない。

 俺達はその場から消え去った。




















―――工房?



 俺達が召喚されたのは、石で出来た工房みたいなところだった。
 気味の悪い彫像や、本が積まれている。足元には、赤い六芒星の周りに円、その中に文字が描かれている魔方陣。

 そして、目の前には黒髪の倒れた少女……。

 またかよ。

 俺はため息を溢した。
 
Fate編突入。

予定は20話。


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