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注*蓮華(以下略
七五話 式神卸し




―――放送室





 ここの設備はすごいと思う。
 周りが見えないくらいにカメラが設置されている。
 その映像を3Dにしてホログラムとして流しているらしい。
 
 いま俺は、生徒会の放送とか言うのに強制出演させられるため、ここにきている。
 メンバーはルリ、リル、蓮華、俺だ。

 生徒会は生徒の代表とか言うが。
 全員私服だ。

 ルール無視しまくりの代表だった。

「んじゃ、始めるわよ?」

 リルの声で我に帰る。

 あー、緊張する。



















――――1-C教室 Side春木






『あーあー、只今マイクの~、マイクないけど』

 リル様の声が聞こえてきたーー!!
 
「静かに!!! 双子姫様の演説がはじまるぞ!!」

 週に一度の演説、オレはこの為に生きているのかもしれない。

『『『てーらはー☆』』』

 
「「「「「てーーーらはーーー☆」」」」」


 毎回思うが、この素晴らしい挨拶は誰が考えたんだろう?

 ってか、トキりんと蓮華ちゃんもいるし!?
 そう言えば生徒会に入ったんだっけ。

 うらやましい。

『まず、生徒会の新メンバーを紹介するわ!』

 そこで、リル様は一歩後ろに下がり、トキりんと蓮華ちゃんが出てきた。
 蓮華ちゃんの和服姿はすばらしいな。

『ではまず、私から行きますね? 如月蓮華と申します。よろしく、ね?』

 蓮華ちゃんが首をかしげた。

「「「「「うぉぉおおおおおおおお!! 蓮華様かわええええええ!!」」」」」

 はっ!?
 思わず俺も叫んでしまった。
 トキりんのようにクールにならないとハーレムが作れない。
 
 最近全然クールじゃないが。

 そして入れ替わりにトキりん。

『蓮華の兄の如月刻だ。よろしく』

 いつもどおり適当だなー。

「「「「「如月死ねーーーーーーー!!!」」」」」

「「「「「如月君かっこいいいいいいいいい!!!!」」」」」

 男どもは憎悪を、女子は黄色い歓声を。

 ここまで別れる人間も珍しいよな。

『はーい、では今日の一言。どうぞルリちゃん!』
『賞味期限 過ぎた卵も 食べられる おいしいけれど サルモネラ菌』

 ルリ様の和歌にトキりんがなんかゲンナリしてるな……。

 でも和歌は素晴らしい!

「急いで賞味期限が過ぎた卵を注文しろ」

「「「「「オスッ!!」」」」」

 全員が携帯を取り出して注文し始めた。

 俺もしなくては!

『次は質問コーナーよ! 冬に存在しない人間はなーんだ? ハイ! 蓮華ちゃん!』

 毎回素晴らしい問題すぎて俺には分からないんだよな……。

「誰かわかる奴はいないか!?」

 俺は叫ぶ。

「ダメだ! 今回のは難しすぎる!!」
「ヤバイ!! 早くしないと蓮華様の答えに合わせられない!!」

『わかりました、ね?』

 わかっちゃったらしい、俺の人生は終わった。

『答えは、TUBEです、ね? 夏の広瀬香美も存在しません、ね?』

 くあっ!!
 なんて頭がいいんだ蓮華ちゃん!!

 惚れ直すぜ!!
 
 今度トキりんに結婚確定のお付き合いしていいか聞いとこう。

 てか、トキりんが後ろでうなだれてる?

『次は蓮華ちゃんの今日の雑学よ! どうぞ』

『タンスの上等にたまる埃のほとんどは人間の皮膚です、ね?』

 蓮華ちゃんが可愛く首をかしげた。

「全員この世界からタンスを消滅させろ!!」

「「「「「ラジャーーーー!!」」」」」

 俺も帰ったら燃やさないと。

『では、今日の歌は「さっちゃんの歌」です』
『なんて選曲するんだお前ら……』

 トキりんが初めて喋った!

「「「「「黙れトキ死ねーーー!!」」」」」

 すごい嫌われてるな、トキりん。

『『『さっちゃんがね おべべをおいてった ほんとだよ  だけどちっちゃいから きっと貰いにこないだろ 悲しいな さっちゃん

 サッちゃんはね 線路で足を なくしたよ だから お前の 足を もらいに行くんだよ 今夜だよ サッちゃん

 さっちゃんはね、恨んでいるんだホントはね だって押されたからみんなとさよなら、悔しいね あいつらだ さっちゃん』』』

『ストップ! ストップ!! なんてお前ら四番から息が合ったように歌いはじめんだよ!?』

 せっかくの美声がトキりんのせいで……。

 全員が人形にトキりんの名前書き出してるぞ?

 って、あれ?
 俺の手元にもなぜか人形が!?

『アンタいいところで止めないでよね? せっかくのってきたんだから!』
『この曲で乗れるお前らがわからない!』

『でわー、ときは無視して、スポンサーからの宣伝をしますメモしなさいよ?』

 おっしゃー、買い占めてやる。

『売店からパンの宣伝ね。食パンにヨウ素液をぶっかけましょう! デンプン反応! 今日一日青紫DAYです! コレで売り切れ間違いなしよ! 早く売店にいきなさい! ちゃんと聞き終わってからね?』

 あぶねぇ、あやうく走りだすところだった。

『では、今日のラッキーアイテムよ。まずはアタシからは『尿道パスタ』つぎはルリちゃん』

『アタシは『乳を揉みたい』で、次蓮華ちゃん』

『私は、『前歯についた羽虫』です、ね? 主様』

『はぁ……『食塩無添加下着』』


 三人のをメモしなくては。
 女子はトキりんのをメモしてるっぽいな。

『それではまた今度! では、いつものお別れの挨拶よ?』

 一拍置き、

『みらすーふ♪』
『ぴちぴちぴっうー☆』
『胸毛の谷間、ね?』
『半熟ピクミン』

『じゃーねー、チャオ☆』

 そこでホログラムは消えた。

 とりあえず……。

「「「「「ああああああああああああああああああああああああ!!! また外れた!!!」」」」」

 クラス全員が叫んだ。

 今まで的中率0パーセントらしい。


 てか、毎回思うけど。

 ルリリル様、特にリル様は絶対トキりんのこと好きだよな……。


















――――鬼神御ろしの儀式






 俺達は式神を使役するための儀式として、体育館に来ていた。
 中が真っ白な体育館だった。

 普通はステージがある場所に、大きな神台がある。
 マジでかい。
 高さ30メートル、横50メートルくらいだろうか?

 神台の前で祈祷すればいいだけらしい。

 別に神楽みたいな祈祷祈念するわけではなく、祈るだけだ。

 蓮華と俺はやらないつもりだ。

 と、言うか。
 蓮華の場合、俺が最高神だからこれ以上の加護は受けられない。
 俺にはルーがいる。

 今のところ順番にやっているみたいだが。
 妖怪ばっかりで神など出ない。

 一応、妖怪、荒神、神霊、超人的存在(?)みたいなのが使役出来るらしいが。
 ちっこい妖怪ばっかりだ。

 それより、

「お前ら何でまたいんだよ……」

 俺はため息をつきながら声を発する。

「生徒会は一心同体よ」
「ときさんに対するいじめがみたくて♪」

 一心同体ってか、一卵性なのはお前らだけだ。
 いじめられるのはお前達のせいだ。

「てか、儀式まで此処でやるのかよ」

 自由な学校だな……。

「ええ、実際滞在時間はC組の方が長いわ」
「A組の男子がときさん殺すって言ってました」

 確かにずっといる。
 殺すって言ってるのは都市中が言ってるからもういい。

 今日の生徒会放送もそうだけど、なんでコイツら人気あるんだよ?
 顔に騙されすぎてる。

「主様思ったのですが、よっちゃんイカを箱で買うと40袋+あたりだけ付いた袋が分けられて入ってますよね? そして、当たりをコンビニに持っていけばかなりお得ですよ、ね?」

 何をいきなり言ってるんだこいつは?
 今儀式やってる奴がイカみたいなの卸したからなのか?

「てかさ、お前らわざとやってるんだと思うけどさ? 寄りそうな」

 俺が座ってる左右に双子。
 背後から前に腕をまわしてる蓮華。

 そして、超痛い視線。

「気持ちよくない?」

 そんな首かしげられても知らん。

「お前らの行動と発言は脊髄反射すぎる。前頭葉切除してもきっと変わらん」

 いきなりな行動と狂った発言ばっかりだ。

「ときさんいりますか?」
「いらん。誰が前頭葉もらって喜ぶんだよ……」
「昔ロボトミー手術で前頭葉を切除するのが主流でしたが、前頭葉を切除すると人格が破壊されてしまいます、ね?」

 確かに知識はすごいが、無駄すぎる情報だ。

「ほら、行って来いルリ。お前の番だぞ?」

 ルリが俺の横から、とことこと前に走って行く。

「どんなの卸すかな」
「ルリちゃんなら十二天将くらい卸すわよきっと」

 確か伝説になってるとか。
 実際は安部清明が使役するはずなんだよな。
 生まれなかったけど。

 どうなるかな。
 
 どっちかと言うと、俺はリルの方が気になる。
 リルの身体能力と呪力はありえないからな。

 絶対使役に問題があるだろう。












 どうもルリが卸すのに成功したらしい。
 
 大きな白い犬。と言うか戌。

 毛は白く、赤いラインが入っている。
 周囲に青白い炎が浮かび、顔がルリの体くらいある。
 
 周囲が驚愕に目を見開いているが、

「さすがルリちゃんね……、大きな犬、てか狼?」

 リルが身を乗りだして驚いている。

 あれは戌だ。

 戌神、天空。
 立派な十二天将だ。

 例え小さな犬だったとしても、動物が卸されるはずはないのだ。

「見てみてー、大きなワンコ」

 そう言って、ルリが撫でている。

「リル行って来い。次はお前だ」
「わかったわ、かわいいの卸すわ!」

 リルは駆けて行った。

 俺は戌をじっと見つめる。

 戌は驚愕に目を見開く。

 俺のことは知っているようだな。

 まぁ、ルリを守ってくれるならそれでいいけどな。

 

 関係ないけど、春木は10センチくらいのスライムみたいな妖怪だった。




 


 少しすると、リルが使役に成功したようだ。

 両手で小鳥を抱き上げて、くるくる回って喜んでいる。

 あれか。
 リルの異常の原因。

 酉神、太陰。
 てか……、太陰の野郎アホか?
 なんで鶏じゃなくて小鳥なんだよ……。

 まぁ、鶏よりは見た目的にもいいか。

「ルリちゃん! とき! 見てみて! 可愛い小鳥!」

 そう言って、笑顔で掌の上に乗せた小鳥を突き出す。

「ああ、よかったな可愛い“酉”で」

 俺は小鳥にニヤリと笑ってやる。
 ビクっと小鳥がなる。

「よかったな太陰」

 俺は近寄り、鳥にだけ呟く。

 鳥が逃げ出そうとするので、リルの手の上から掴んでやる。

「リル~、絶対離すなよ? コイツ逃げようとしてるぞ?」
「え? アタシじゃ嫌だった?」

 不安そうに聞くリルに、小鳥はブンブンと首を振る。

 リルは顔を輝かせる。


 今夜にでも部屋に呼ぶか。
 太陰をな。

 さーて、理由によってはぶち殺すぞ太陰。


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