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二六話 学園への帰還

























「ん……あ?…」

 ……手 あるし

 あーレン……レン!?

バッ

 座ったままあたりをきょろきょろ見渡して見る、

 あぁ……レン

 ……夢じゃなかった

 レンは横で寝ていた。

「レン……帰ろうか?」

 泣きはらした顔のレンの頬を撫でてやる。

 レンは人間の姿になっていた。

 幻惑は回収できたんだなぁ。


「ふぇ……ぁ…」

 ゆっくりと金色に輝く瞳をひらく。


 レンの瞳からどんどん涙が溢れてくる。

 そして、逃げようと走りだす。

ガシッ

 その手を俺は掴む。

 もう離さないように。

「おにいちゃん…ひぐ……はなして。えっぐ…消すから。…わたし消すから。ごめんなさい」


 

 







ぎゅっ


「ダメだよ? レン。 離さない。 一緒に帰るんだから。 怒ってないから。 レンが帰ってきてくたらから」

 あぁ…レンが腕の中でぼろぼろ涙を流してる。

 本当に帰ってきたんだな……。

 
「おにいぢゃーーん!! ごめ゛んなざぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛い゛!!」

「うん……ゆるすよ。 レン」

サラッ


 ひびさだなーレンのさらさらな髪

 帰ったら久々にブラッシングしてあげよう……


「ハク。そう言えば俺どれくらいここにいたんだ?」

「ん~一ヶ月くらいじゃないでしょうか?」

「あーそんなにか…全然少しじゃないじゃん。」

 うん。俺は少しって一時間くらいかと思ってたよ?

「ご主人さまや私、レンちゃんにとって一年だろうと十年だろうとほんのちょっとですよ」

 まぁ。それもそうだな。

「無限に続く生の中のほんのちょっとでしかありませんから」

 そうだな…。

「レンはずっとそばに居てくれたのか?」

「だって……おにーちゃん、すっごい痛がって叫び続けてたから…心配で…それから消えようかなって……」

 まったく、なんでそんな消える消えるって…ん?

「ハク? まて!? 俺はなんで痛くて叫び続けてたんだ?」

 あれ? 一か月寝て再構築してたんじゃないのか?

「ご主人さまは多分数百回くらい起きては気を失う。を繰り返してましたねー再構築の激痛で」

「再構築ってパァァァァァって感じでもどるんじゃないのか?」

「はぁ……ご主人さま~何を夢物語みたいなことを言っているんですか? 断線された筋肉の線維や血管、骨、神経などが血を流しながらミミズのようにのたうちまわって徐々に生えてくるような感じですね。線維が一本一本意思を持ったかのように踊ってました。たぶんあれを撮った映像があったらほんどの人が嘔吐しますねー。死体のほうがまだましですよー? すっごいグロテスクです。 痛みは神経なども再生されるのでそのときですねー」

 あ、まって想像しちゃう。
 そんな気持ち悪いもん見たくない。

「スマン。ハク。お前がいつも自分は死んでもまた戻れるとか軽く言ってたから楽なのかと」

 まじ、ごめん。

「いえ、ご主人さまだけですよ? だって私は純粋に魔力で出来てますから。ご主人さまは肉体も持っているじゃないですか?」

 絶対謝らないぞ!!!

「まぁいいです。抱きしめてください」

 そう言って、抱きついてくる。
 右側にレン、左側にハク。

 これが両手に花ってことか?

「?」

「わたしだってずっと心配してたんですよ? てか死んだと思ってましたよ。 レンちゃんが時間とめなかったら死んでましたね」

「てかそれだと俺もレンの時間に入りこんじゃうんじゃないのか?」

 だって、ラインつながってるし。

「あーあれはですね。ご主人さまが攻撃だと認識しなければ大丈夫なんですよ。だから寝込みにならレンちゃんでもご主人さま殺せます」

「むぅーハクちゃんレン、おにーちゃんにそんなことしないよ?」

「たとえですよ。ちなみに寝込み襲ってもご主人さまは起きますよ? 前に裸にしようとしたら起きましたから」

 おい、そんなことされた記憶ないぞ?

「まぁ…よくないけどいいや。レンも帰って来たし。で、レンは戻ったのか?」

「そうですねー。年齢は変わらないので人の姿はかわりません。ただ再構成されちゃったんで、龍になった姿と幻惑の魔法が追加されちゃいましたね。 本当はページが入りこんじゃうと魔力が足りないのでページが代用し、抜かれちゃうと死んじゃうんですが。レンちゃんはもともと魔力が無尽蔵なので追加されただけなんですよ」

 ならあのでっかいのなのかー…、
 普通に主人より強いぞ?

「血の契約のラインとページと完全に同化してなかったのであの姿でも意識が残ってたんですね。神に意識をのっとられても意識があるってすごいことですよ?」

 まぁレンだしなー…納得できるわ。

「まっくらいところにいいたの。そしたらおにーちゃんの声が聞こえたの。ずっと走ってたけど全然声においつけなくて…でも急にぱああああああって明るくなって起きたらお兄ちゃん血だらけだった。レンがやっちゃんだなって……」


 あぁ、俺の声はちゃんとレンに届いていたんだな…。






















「あらためておかえり。レン」

「ただいま。おにーちゃん」

 レンは満面の笑みで言ってくれた。





「じゃーとりあえず報酬でもふんだくってくるか?」

「ご主人さまはハンネちゃんのこと言えませんね。金の亡者です」

「いやいや。もらえるものはもらっておくよ。まぁでも渡るときには置いてっちゃうけどな。それにもうすぐだし」

 あぁ、俺はもうすぐこの世界を去ろう。

「ですね。この世界にはもうページはありませんので。お好きな時に旅立ちましょう」

「じゃーいくぞー。この床一面血が乾いた在り様を見ればどれだけ激しかったかわかるだろ。上乗せしてもらおう」

「実際はほとんど再構築した時に、ご主人さまから出たものなんですがね。あ、そだご主人さまに渡すものがあったんです」

「ん? なんかくれのか? 復活祝い?」

「はいコレです。 一応乾かないように布にくるんでレンちゃんに時間を止めてもらってます」

 そういって布を手渡してきた。重いしデカイなんかの武器か?

 とりあえず俺は布を広げてみた。


「おい。お前はなにを考えて俺にこれを渡したんだ?」

「いえ、記念になるかなーっと。それ持ってればもう無理しないでしょう?」

 袋の中からは生々しい俺の腕と両足が転がり出てきた。時間止めてたらしくまだ血が渇いていない。

「はい消去」

 パチン

「あーーーーーーー!!? なにするんですか!? それだけで普通の魔法使い何億人分の魔力の塊だと思ってるんですか!!!? ご主人さまの体は生きる魔力塊なんですからね!? すっごい高く売れましたよそれ?」

「アホかっ!!? お前誰が好き好んで自分の切断された体持って喜ぶんだ!!? アホだとは思ってたがここまでかっ!!? もうッホントアホの子!!!」

 そういって俺はしくしくと泣きうなだれていた。


「とりあえずここのままもどるぞー! レンもな」

「うん♪ いくよ。おにーちゃん♪」

 元気になったようだな。
 やっぱ攻撃させちゃったのはまずったよなー。

「の、前にっと、『Anorganische Kontrolle』《無機制御》」

 俺は、幻惑で無機物の岩を制御し、崩壊させた。

『ゴガガララララッ』

「よし、準備完了っと」

「ご主人さま…戦闘が激しかったように見せかけるために壁をくずすなんて」

 だからいいじゃねーか。
 これだけでふんだくれるんだから



 そして、俺は王室へと空間を繋いだ。







































「よっ! 王様倒してきたぞ?」

 その場には王様と来客中の爺(前とは違う)と兵隊がいた。

「そ、そちは生きていたのか…よく一か月も……」

 いきなり現れた三人に全員驚いている。

 にしてもひどいな。
 死んだと思ってるとは。

「だから生きてたからここにいるんだろ? ぴんぴんしてるじゃん? ただ一か月もずっと激しい戦いしてたから死にそうに疲れてる。だから金上乗せしろ。てか現場みればどれだけ大変かわかるからな。兵士つれてきてくれ。龍の洞窟内の居場所知ってるやつな。いた場所に直接つなげるから」

「わ、わかった。すぐに準備しよう」

 そう言って、兵士につれてくるように指示をとばしている。

「小僧! いまはワシが謁見中じゃぞ? あとから来て何を言っているのじゃ!!」

 またこの手のやつかー。ホントこうゆーやつ嫌い。



 パチンッ

 その場から爺は消え去った。




「こ、殺したのか? そちは」

 王が慌てて訪ねてくるが。

「いや。丁重に王都の出口まで移動しておいた」

「ふ、ふむ」

 んー、にしても幻惑の使い方知ったから早く帰って試したいなー。



『ドタドタドバタッドタ』

 そのとき、30名くらいの兵士が部屋になだれ込んできた。

「龍の場所を確認した30名をつれてまいりましたっ!!」

「ふむ。ご苦労」




「じゃ、つなげるわー『Raumverbindung』《空間接続》」

 いきなり現れた空間の切れ目に、驚きの声が上がる。

「じゃ、入ってみてくれ」

「あ、あぁ」


 そう言って、兵士30人と王 俺とレンとハクが中に入る。




























「こ、これは……!!?」

 そこには地面一面に血が乾き。
 壁にも血がとびちっており。
 大岩がごろごろと崩れ。
 壁が崩壊している洞窟の最奥の姿があった。


「わかるか? この壮絶さが。それだけ強かったんだ」

 まぁ実際は魔法も何も使ってないけどな。
 偽造のため以外。
 血なんて全部俺のだし!!



「バウムガルド王!! たしかにここは龍がいた場所であります!!」

 そう言って、兵士は敬礼した。

「ふむ…そうか…たしかにいないようだ……では、二億上乗せでいいじゃろうか?」

「5憶だ。魔法もほとんど通らなかったからな。こんな危険な任務だしかたない。」

「いや……でもそれは」


『Anorganische Kontrolle』
   《無機制御》



『ガゴッゴゴッ』

 俺は幻惑の魔法で周りが見えないほどに、岩を空中に浮遊させた。

「あーなんか俺つかれてコントロールみすりそうだなぁ……」

 なんて、のたまってみた。

「わ、わかった!! 15憶セラ支払おう。そ、それでどうだ!?」

「ありがとー、王サマ。」

 ニコリと笑った。

 ハクとレン以外は、まるで悪魔のような笑顔だとおもった。




































「ふんふ~ん♪」

 今現在、俺は鼻歌を歌っている。

「ご主人さまご機嫌ですね~」

「そりゃそうだ。やっぱ金はあるだけいい。まぁどうせゴミになるけどな」

「ですねーお金は大事ですからねー」

「明日からは毎日最高級の食事にでもするかー。ハクもレンも最後くらいはいいものいっぱいたべようぜー。ついでに店がつぶれるくらいに頼んで収納しておこう。金は腐るほどあるしなー。使わないともったいない」

「そうですねー」
『は~い♪』

 ちなみに今は50メートルくらいになったレンの上に乗り、空を飛んでいた。
 別に空間をつなげることも出来たが龍の上に乗るっていう好奇心に勝てなかったのでだ。

「にしてもすごいなー、それに喋れるようになってるし。」

「ですねー。でもいいんじゃないですか? 普段は小さいですし。味方だったら頼もしいですし。敵対したら死にますが」

 うん。あれは死ぬ。
 攻撃が通っても死ぬな。
 絶対傷つかないもんこの鱗。

「すごい鱗だよなこれ。宝石みたいだぞなんか? 光輝いてるし」

 俺は、座っている鱗をかるく叩きながら言った。

「そうですねー、この鱗も一枚売れば数億くらいになりますよ? 世界に存在しない物質ですし。 まぁ、とろうと思っても龍自身が自分で抜かないと抜き取れませんがね」

『おに~ちゃん鱗いる? 抜こうか?』

 話を聞いていたレンがそんな事を言ってくる。

「いやいや、こんなキレイな鱗とったらダメだぞレン。もったいない」

『すぐはえてくるんだけどなー』

 ダメだ。一部でも抜けたら見栄えが悪くなるからな。うん
 人間に戻った時に円形脱毛症にでもなったら困るし。

『おにーちゃん。みえてきたよー』


「OK『werden Sie nicht wahr』《視認は叶わぬ》『Sache nichts er, der blockierte』《阻むもの無かれ》」

 幻惑で不可視状態にし、学園の上空の結界を幻惑+空間で無効化する。

「じゃ、レンそのまま突っ込んで空いてる場所にでも降りてくれ」

「は~い」









 結局レンが下りられる広さの場所がなかったので、森の中に着地し、空間をつなげた。






















「トキにゃ~~~~ん!!! おかえりやーーこれでやっと仕事がへるんねんなー」

 会議室に入ると、いきなりアルが抱きついてきて、感動で涙を流している。
 仕事が減ることで感動していた。

「あ、レンちゃんおかえり~」

 ハンネがレンに離しかけた。

「ただいまーハンネちゃーん」

 レンも嬉しそうだ。
 まるで子供同士だが。

「それでトキく~んどうでしたー? 一か月もいませんでしたが」

「んーそうだなー。ハッキリ言うと“漆黒の死神”の時よりきつかった。相手が時間と空間と幻惑の属性の“黒い龍”でさ。結構やばかったな。レンはそいつにつかまってたから俺がいったんだ」

 レンのことは絶対に言えないな。

「最強生物ですねー…よく無事にかえってきてくれましねー。幻惑なんて持ってる龍もいるんですねー」

 実際一度死んだようなもんだ。

「って言っても、闇と同じで俺の幻惑の力拾ってただけだった。取り戻したぞ。『Sache nichts er, der blockierte』《無機制御》こんなふうに」

 バラバラだった紙がキレイに積み上げられてゆき。
 ほこりやゴミがゴミ箱に移動する。
 机やいす。本などもキレイに並べられてゆく。


 アルとハンネは驚き眼を丸くしていた。

「すごいですねーー!! 幻惑ってお掃除の魔法だったんですねー便利です!!」

 実際は意思を与える魔法なんだがな。
 俺が指定しない限り絶対遵守の力だが。
 人とかも操れちゃうからホント性質が悪い魔法だ。

「まぁそんなようなもんだ。ところで、他のやつらは?」

 俺は周りを見回してみるが、二人しかいない。

「別の任務いってますよー? 明日にはみんな帰ってきますね」

「そっか。あ、そだった。ちょっとメイド数人呼んでくれないか?」

「いいですよー?」





 そう言って、ハンネはメイドを5人ほどつれてきた。

「お、アンネ。ひさびさだなー」

「はいお久しぶりですトキ様、それでわたしたちに何かご用でしょうか?」

 うん。小首をかしげるしぐさがかわいいな。

「これ生徒会の金庫にでもいれておいてくれ」






ドザッ

ジャラ


 そう言って、俺は空間から金貨がいっぱいつまった大きな木の箱をとりだした。

「こ、これはどうしたんですか? トキ様」

 めちゃくちゃ驚いている。

「今回の任務の報酬10億セラ+ボーナス5憶セラで金貨1万5000枚だ」

 ちなみに、金貨一枚10万セラだ。

「大好きですっ!! 結婚してください!!」

 ハンネが飛びついてきた。

「トキくんと結婚すれば一生安泰です」

「ハンネ…おまえどんだけ打算的なんだよ…」

「失礼ですね? 私男を見る眼だけはあるんです」

 おまえが見てるのは金だけだろ!?

「ハンネさーん、ご主人さまを狙うとライバルがめちゃくちゃ多いですよ? レンちゃんも最近立候補してますし」

 と、ハク。
 ってかいつの間にレンが!?
 
 レンは俺の腕にだきついてハンネを睨んでいる。
 あぁ、こいつは俺を狙ってきた奴を片っぱしから消してゆきそうだ。

「お取り込み中のところ失礼します。では、たしかに金庫にいれておきますね。だいたいこれで生徒会資金は30憶程度になりました。」

 と、言ってメイドさんたちは重そうに木箱を持って行った。

「いつのまにそんなたまったんだ? 生徒会が出来てまだ半年くらいだろ? なんで全員が一生遊んで暮らせそうな金額になってんだ」

 おかしいだろ?

「そうですねー6人がフルで個別にSランク以上こなしてますからねー。一回で数千万~1憶くらい稼いでますし。休みなんて一回もとってないんじゃないですか? 各国の高ランクの任務ねこそぎ私たちが処理してますからね。噂が噂を呼んでどんどん任務も増えてますし。今回トキくんがEXランクなんてクリアしちゃいましたからさらに増えるでしょうね」

 さも嬉しそうに言いきった。

「お前、俺達を殺す気か? これ以上増えたらお前にも仕事まわすから」

 うん、絶対回す。

「いやですよーー!! 私じゃ死んじゃいますよ!!! 私これでも魔力結構ひくいんですからね!!? トキくんになら指一本でポイされちゃいます!」

「はいはい、だったら断ってきてねー。知名度なんていらん。」

「知名度は大事なんですけどねー」

「闘技大会の倍率下がるぞ?」

 ピクッっとハンネの耳が動く。

「任務断ってきますねー」

「はいはい。いってらっしゃい」






バタン

 ハンネは部屋を出て行った。















パタン

「そうでした」

ハンネが戻ってきた。





















































「明日高等院に生徒会全員で行くことになってますからね?」


パタン


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