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ある朝目覚めると女になってゐた。

作者: まつまえ

ふむ。

私は21才の冴えない男である。妻も子なく最近は焦りを禁じえず暮らしている

名は千秋(センシュウ)と言ふ。

姓は草木である。


ある朝、私が目覚めると私は、体に強烈な違和感を覚えた。

原因をサグルべく、身体中をまさぐること30秒。

そしてのちの1分ほど


私は気絶してゐた。


それは驚くべき事だろう。なぜならば私の珍宝が姿をどろんと隠してしまってゐたからだからだから。


代わりにといふのか。変わりにといふのか。粗末なふた房ばかりの乳が胸板に付着してゐた。

「ほう。これは妙なものである。」私はおもはずそう漏らす

しかしさわり心地はいい心地であるから私はしばらくそれを手のヒラでころがしてゐた。




しばらくそうしてゐるうちにどれほど経つただろうか。

「私はどうやら女子の体に成り代わってしもうた様だ。」さらに言えば齢は私より遥かに小さい。小さい少女である。16くらいであろうか。

なにはともあれ兎にも角にもキンキュウ事態であるからして、本日の職務は休む他ないだろう。

私の勤め先であるA社に電報を一つ入れる必要がありそうだ。


「スマートホンはどこにあったか」

便利なもので、私が学生の時分では【がらぱごす※ 】であったものが、今では手のヒラサイズである

これはよくいう、コングラであるな。リンゴ社コングラである


私は其れを巧みに操作し上司に回線を繋いだ



Prrr…


かちゃ。


『もしもし、草木くんであるか。おれのすまほに電報とはメズラしい事だ。』

「ええ、それなのですが、、、」

『むむむ、貴女はどなたで?草木くんに妻でもおったのか』


たゐへんだ。どうしたものか


「それなのですが鈴木さん。私なのです。私が草木なのです。妻など娶ったことなどありません。」

『なにを不明瞭なことを。誰にしても、先ずは草木を会社へと引っ張りだして来てくれたまへよ。』

「はあ…左様でございますか。承知いたしました。それでは。」

プツリ。と回線が切れる音が鳴り、上司との通信が遮断された。




どうしたものか。まるで信じた様子では無かったのだ。わるい輩だとは思っていたが、部下の心まで信じぬとは。

ええい。ならば勤務地へと足を向けてヤロウ。



いきおいを付けて玄関口を開けた際に隙間に足をハサンでとても辛い思いをしたのは、忘れることにしよう。



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