観光終了
次のスポットに行く途中の木陰
皆はレジャーシートの上でレナと魅音が作った五重箱を食べていた。
「まだまだあるからたくさん食べてね。」
「こっちには婆っちゃの特製おはぎもあるよ。」
「いただきですわ、圭一さん。」
「あっ!!こら沙都子、それは俺が狙ってたやつだぞ。」
「をーっほっほっほ、そんなのとったもの勝ちですわ。」
「み~、圭一と沙都子の戦いがまた始まったのです。」
梨花が苦笑いしながらその光景を見ていた。
呆れながら勇人は梨花に聞いた。
「またって・・・おんなじことあったのかよ。」
「み~、圭一の雛見沢案内の時にあったのです。」
「あぅあぅ、あの時はハンバーグの取り合いだったのです。」
ちなみに、今は大根の煮物だ。
昨日からつけていたのだろう、中まで味が入っている。
ふと、魅音が羽入の言葉の矛盾に気がついた。
「あれ、羽入ちゃんって圭ちゃんの案内の時にいなかったような。」
「あぅ!!そ・・・それは・・・り・・梨花に聞いたのです。」
「なーんだそうだったのだ。」
「・・・・・めっちゃ慌ててるぞ、羽入。」
勇人はあやしいと思いつつ、箸を動かしていた。
「こうなったら・・・くらえ沙都子。」
圭一がかぼちゃに箸を突き刺し、すかさず沙都子の口の中に突っ込んだ。
その瞬間、沙都子の顔が青ざめていった。
「いやああああああ!!口の中にかぼちゃがーーーーーー!!」
「だはははは、これで俺のもの・・・・てあれ、大根はどこにいった?。」
圭一が目を戻した時には、もう大根の煮物の姿は消えていた。
「お前ら無意識に食いすぎて食い終わってるのに気付いてねーのかよ。」
「なにーーーー!!まだ味わって食べてないのにーーーー!!」
圭一が本気で落ち込んだ。
背景が沙都子の顔並みに青くなっていた。
すると、梨花が圭一に気付かれないように勇人に話しかけた。
「勇人、さすがに少し罪悪感を感じるのです。」
「こうしなきゃ、これは食えんぞ。」
そう言って、隠してあった大根の煮物を見せた。
実は大根の煮物は勇人が別の皿に避難させておいたのだ。
「圭一と沙都子にばれないうちに食べときな。」
勇人は圭一と沙都子以外に大根の煮物を配った。
「勇ちゃんはちゃんと皆のこと考えてるんだねー。おじさん感心しちゃうな。」
「やっぱり勇人君はやさしいんだよ。」
二人のほめ言葉に、勇人は顔を赤くしながら、ぶっきらぼうに答えた。
「お・・俺だってこれが食いたかったんだよ。そのついでだ。」
「み~、勇人の顔が赤いのです。」
「あぅあぅ、勇人、素直になった方が楽なのですよ。」
「うるせーー。」
こうして楽しい昼食は終わり、皆は次のスポットへ向かった。
スポット到着
到着したのはいいが、勇人は少し疑っていた。
「なあ魅音、ここが本当に観光スポットか・・・」
「そうだよ。」
「うそだろ!!。ただのゴミの山じゃねーか。」
そう、次のスポットはダム建設のゴミ捨て場だった。
「はぅ~、ゴミの山じゃないよ。宝の山だよ~。」
「宝って・・・ほんとレナには普通が通用しないな。」
勇人はレナのことが大体わかっていたのでこれ以上は追及しなかった。
「さて、次の入部試験はこれだ!!!」
魅音が出したのは水鉄砲だった。
一つ一つ皆に配り、説明をした。
「今回こそ全員参加だよ。ルールは簡単。このゴミ捨て場でバトルロワイヤル。水はいま入っているのだけ。一回でも撃たれたらアウト。」
「よーし、今度こそ先輩ぶりを見せてやる。」
「そう言って、しょっぱなからやられるなよ。」
「それじゃ、各自散らばって。私が5分後に打ち上げ花火をあげたら開始だよ。」
そして皆はゴミの山へ向かった。
契view
俺はあんまり奥へは行かず、あえて近くで待機してる。
水鉄砲を調べたところ、大体15発ぐらいしか撃てないだろう。
「それにしても、結構広いんだな。」
ゴミ捨て場なだけあって土地は広大のようだ。
すると少し奥で花火が上がった。
「さーて、やってやりますかね。」
俺は周りを見渡した。いまんところ誰もいな・・・・いや、一人おる。
「さっそく俺狙いか。」
まだ誰かはわからないが誰かに狙われている。俺は精神をとぎすました。
「・・・・・・・・」
カタ・・・
「そこか!!」
約左斜め前の山から音が聞こえた。俺はそこめがけて水を放った。
バシャッ
「みーー!!」
顔面に直撃した梨花の姿が見えた。
殺気が無くなったみたいだし、どうやら梨花が俺を狙っていたようだ。
「甘かったな。」
「み~、悔しいのです。」
「堂々としすぎ・・・・!!」
突然、別の殺気を感じた。
すぐさまその方向を見ると、沙都子がこちらに狙いを定めていた。
「もらいましたわ。」
しまった、梨花はおとりで本当は沙都子か。
「うわっと。」
間一髪、かわすことができた。しかし、身を投げ出した避け方で体勢が崩れた。
「やっべ・・・」
すぐそこには沙都子が狙っていた。
「これでおわりですわ。」
年下だからって完全に油断していた。
くっ、どうすれば・・・あっそうだ。
「おい沙都子。今日圭一に口の中に入れられたものはなーんだ。」
「それは・・・・!!っいやああああああ。」
「もらい。」
バシャッ
「きゃっ。」
ふー、沙都子がかぼちゃ嫌いのこと知ってよかったな。
「ずるいですわ勇人さん。」
「戦場にずるいなんてないんだよ。」
「くらえなのです。」
「なっ!!」
さらに羽入が山の上から狙ってきた。
三重構造だったのか。
距離は5メートル。
この距離と俺の反応速度なら、まだ避けれる。
「あぅ!?」
「なに!!」
羽入が足を滑らせて、ゴミの山を転がり落ちた。
しかもその先には、釘やガラスの破片など鋭いものが散らばっていた。
やばい、あんなところに落ちたら重傷だ。
「あぅーーーーーー。」
「羽入!!」
「羽入さん!!」
梨花と沙都子が心配そうに叫んでいる横を俺は走った。
しかし、こんな足場の悪いところではろくに本気で走れない。
「くっそーーー。」
このままでは間に合わず、羽入が大怪我してしまう。
ここは・・・・
「とどけーーーー。」
なりふり構わず、俺はダイブした。
ザクッ
レナview
「今の声は羽入ちゃんかな、かな。」
私は羽入ちゃんの叫び声がしたので心配で声がしたほうに向かっていた。
すると・・
「レナ!!」
圭一君と合流した。
どうやら私と一緒で羽入ちゃんの叫び声が心配できたみたい。
「おいレナ、今の羽入の声は何なんだ?。」
「わからない、とにかく行ってみよう。」
私は宝の山を一つ、二つ乗り越えやっと梨花ちゃんや沙都子ちゃんがいるところについた。
しかし、そこには誰かが血を出していた。
私はとても嫌な予感がしてあわてた。
「どうしたの!?いったい何があったの?。」
そこには、勇人君が血を出していた。
お腹に大量の切り傷があった。
「おい勇人、大丈夫か!?。」
「いっつっつ、俺より羽入はどうなんだ。」
「大丈夫なのです。羽入は気絶してるだけなのです。」
近くには羽入ちゃんが眠っていた。
「どうしたの一体!?。」
遅れて魅ちゃんがやってきた。
「これは・・・一体何があったの。」
「実は羽入が足を滑らせて転がっているのを勇人が助けたのです。でも、勇人が飛び込んで助けたのでお腹がガラスなどで切れてしまったのです。」
「そんな・・・とりあえず、部活は中止。早く二人を診療所へ送ろう。」
魅ぃちゃんは部活中断を余儀なくされた。
仕方ないよね、こんな状態だもん。
すると、勇人君が申し訳なさそうに呟いた。
「わりー、楽しい観光を台無しにしてしまって。」
「何おっしゃているのですか、勇人さん。今はそれどころじゃありませんでしてよ。」
「勇人、ほら肩貸してやる。」
圭一君が勇人君を立たせた。
「わ・・・私は羽入ちゃんを。」
私はあわてて羽入ちゃんをおぶった。
ここからだと、診療所までは自転車なら10分ぐらいだけど歩いて行くと30分はかかる。
「どうしよう、診療所まで結構かかるよ。」
「それでも、行くしかねーだろ。」
圭一君がそういうと皆は進みだした。
すると目の前から車がやってきた。
それは私たちがよく知っている人物だった。
「おんや~、皆さんお揃いで。」
『大石さん』
「一体どうしたのですか、そんなに慌てちゃって?。」
「大石さん、お願い。勇ちゃんと羽入ちゃんを診療所につれてって。」
「勇ちゃん?・・・」
大石さんは勇人君が誰なのか知らないけど、状況を把握してくれた。
「とりあえず、車に乗せてください。」
私たちは車に勇人君と羽入ちゃんを乗せた。
「後は私に任せて皆さんは帰ってください。」
そういうと大石さんは車を発進させた。
私たちはただ、その後をじっと見つめていた。
すると、圭一君が動き出した。
「仲間をほっとくわけねーだろ。行くぞ皆。」
圭一君は自転車に乗り、大石さんの後を追った。
私たちはその後ろを着いて行った。
契view
「あの~、お名前は何と言いますか?。」
俺はレナたちの知り合いの車に乗せられて、とりあえず名前を聞いてみた。
「大石蔵人と申します。あなたは契勇人さんですね。」
「えっ・・どうして俺の名を?。」
「赤坂さんを倒したそうですね。」
「あ・・赤坂さんの知り合いですか。」
「んふふふ~、知り合いというか職仲間と言いますか。」
「へ~、同じ職業ですか・・・うっ。」
やっべ、出血多量でめまいが襲って来やがった。
「大丈・・・すか・・契・・・」
大石さんの声がろくに聞こえねえ。
もうだめだ・・・限界・・・・
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