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chapter1 「はじめに」
 初めましての方はどうもこんにちは。そうでない方は、いつもご贔屓(ひいき)にしていただき、まことにありがとうございます。独行道(どっこうどう)アマチュア戯作者(げさくしゃ)(要はアマチュアのモノカキ)の谷津矢車です。初めましての方はこれをご縁にしていただけるとこれ幸いです。
 初めましての方もそうでない方も、谷津矢車のテクストである「歴史・時代小説家になろう!」に興味を持っていただきまして、まことにありがとうございます。
 ときに。私事で恐縮なんですが、実は筆者、こうやってエッセイを書くのは生まれて初めてです。なんで、がっちがちに緊張しきっております。なんで、その緊張を解くリハビリの意味もありまして、ちょっと軟着陸したいと思います。具体的には、このエッセイの趣旨やら方向性やらをこの第一回で明らかにしてゆきたいと思います。

 まず、このエッセイ、誰向けに発信されているものか。
 「歴史・時代小説家になろう!」なんていう大上段(だいじょうだん)に構えたタイトルのせいで、もしかしてプロの歴史・時代小説家を目指されている方もここを覗いているかもしれません。そんな方はあまりいらっしゃらないとは思うんですけど、一応釘を刺しておきます。
 そういった方にとって、このテクストはなんの面白みもありませんし、何の発見もありません。
 きっと、プロの歴史・時代小説家を目指されている方というと、既に歴史・時代小説をいくつも書かれていて、自分なりの“歴史・時代小説作法”を身につけられている方なのではないかと思います。さらには自分で史料を発掘したり聞き取り調査を行なったりという“スキル”をお持ちの方も多かろうと思います。
 そんな玄人(くろうと)様にとって、筆者がこれから書いてゆくテクストにはなんの面白みもありません。玄人様からすれば、「何、当り前のことを言ってんねん」の連続になると思います。それにそもそも、筆者はただのアマチュア、しかも吹けば飛ぶような枯れ草素人です。素人の意見をいくら聞いたところで、プロになるのは難しいかと思います。反面教師になさる分には結構ですけど……。
 「歴史・時代小説家になろう!」の“歴史・時代小説家”、この言葉の意味を誤解なさらないようにしてくださいませ。
 そもそも、“小説家”とはどういう意味合いの言葉でしょうか。このテクストを読まれている方の中には、こうお答えくださる方もいらっしゃるかもしれません。「お金をもらって小説を書いている人」と。
 けれど、よくよく考えてみましょう。“小説家”という言葉の前に、“プロ”とか“アマチュア”とかつけたりしませんか? もし“小説家”という言葉に「お金をもらっていること」という意味が内包されているならば、“プロ小説家”という言い回しは重複表現になってしまいます(プロ=お金をもらうこと、だと定義すれば)。つまり何が言いたいのかというと、「小説家」という言葉には「プロ」なんていう概念は含まれていないんです。おそらく、「小説家」という言葉の意味するところは、“小説を書いている人”、それ程度のものです。そして筆者は、その程度の意味で「小説家」という言葉を用いています。
 つまり、「歴史・時代小説家になろう!」というタイトル、意訳すれば「歴史・時代小説を書く人になろう!」とでもなります。
 さて、ここらへんでようやく筆者の意図が見えてきたんではないでしょうか。
 つまり、このエッセイは、「小説は書いていたけれど、歴史・時代小説をこれまで書いてこなかった人/敬遠していた人」向けに発信されているものなのです!
 いや、結構いると思うんです。「歴史小説を書きたいんだけど、小難しい感じがして手が出ない」とか、「チャンバラモノを書きたいんだけど、当時の生活について調べ方が分からない」とか。で、結局そのアイデアを腐らせてしまっている、なんて方が。
 確かに、歴史小説を書くのは普通の小説と比べて難しい面があります。時代小説を書くには下調べという面倒な作業があったりします。けれど、声を大にして言えます。歴史小説、あるいは時代小説を書くのは面白い! 本来は現代の小説ばっかり書いてた筆者が、気づけば書いている小説の半分は歴史物あるいは時代物になっているんだから間違いない!
 (まあいやらしいことを言えば、作者・読者ともに裾野が狭い【ジャンル:歴史】が少しでも活性化できればなあ、という意味もあったりします。活性化すればジャンルにおける読者様も増えて、筆者のテクストへの来訪者が増えるという次第で……。おっとっと、衣の下から鎧が見えますね)
 あと、(“来訪者”という言葉で思い出しましたけど)もうひとつだけ言っておきます。
 筆者は歴史・時代小説の書き方を(ある程度なら)お教えすることは出来ますが、「人気の出る」歴史・時代小説の書き方は全く知りません。自慢じゃないですが、筆者の書く歴史物は殆ど人気がありません。っていうか、人気の出る歴史小説の書き方なんてあるんだったら、むしろ筆者の方が教えていただきたいくらいです。
 というわけで、「自分の書いている歴史物のアクセス数をアップさせるためにこのエッセイを読もうかな」とお考えのあなた、即バックなさった方が有限の時間を有効活用できると思います。CO2と時間の無駄は削減しておくのが現代人のモアベターな選択というものです。

 さてさて、筆者およびこのエッセイのスタンスを表明出来たところで、具体的にどういう風に書いていこうか説明いたします。

 基本的には出来るだけ客観的なハウツーものにしていこうと思っています。
 こういう風にした方が書きやすいですよー、とか、こういう書き方もありますよー、とか。あるいは、こういう書き方はしない方がベターですよー、みたいに。基本的には、筆者が歴史小説・時代小説に寄せる心持みたいなものは極力排除していこうと思っています。そんなもの押し売られたところで読者様からすればメーワク千万でしょうし。
 けれど、筆者も人間なので、時折歴史小説や時代小説における私見を述べるときがあります。そのときには、サブタイトルの頭に【私見】というタグをくっつけておきます。そうすれば、「お前の意見なんか興味ねえんだよ」というお方でも安心してご覧いただけると思いますので。

 最後に更新頻度についてですが、基本的には一週間に一度ペースで更新していきたいと思っております。とは言いましても、筆者の諸般の都合によって断りなく変更する場合もありますのでご了承ください。

 と、いうわけで、「歴史・時代小説家になろう!」スタートです。


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