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 手違いでお騒がせしてしまい、すいませんでした。
頑張って戦闘描写を書きましたが、
自分の力量では焼け石に水かもしれませんので、
過度の期待や要求はしないでもらえるとありがたいです。
第二十三話:運命の終焉
 悪龍ヴリトラ。それは古代インドの聖典であるリグ・ヴェーダに書かれている、
神に対抗するために炎の中から生み出された龍。
全長数百メートルにも及ぶ巨体が空を飛んでいる姿は、見る者に畏怖の念を抱かせるには十分だ。
龍という種族は幻想種の頂点。それ自体が神秘・超越の具現。
圧倒的な身体、魔力、回復力と規格外な存在だ。
そんな伝説の龍が、空の高みから一方的な暴虐を始めんと悪意を地にいる兵たちに向けた。
 口の中に火が灯り、時間と共に禍々しい光を帯びだす。

「まずい!! 急いで退却を……!!」

 俺の言葉が終わらないうちに、ヴリトラの口からレーザーのような光が吐き出された。
 ……一瞬だった。
 吐き出された光は地を吹き飛ばし、その進路上にいた兵士たちを痕跡する残さず消し飛ばした。
残されたのは一直線に深い傷を刻まれた大地のみ。
たった一撃で四桁に及ぶ人間がこの世を去った。

「……くっ!!」

 俺は一人誰もいない方向へ走りだす。
龍を相手にするのはどれだけ人数を整えようと人には無理だ。
まして、普通なら矢すら届かない上空から一方的な攻撃をしてくるのだ。

「俺一人でやるしかない……」

 俺は地面から一本の剣を抜く。
魔剣グラム。
カリバーンの原型たる龍殺しの剣を。
それを弓につがえ……放つ。
十分な魔力と速度を持ったグラムはヴリトラに狙い通りに命中し……弾かれた。

「……やはり効かないか。理不尽にもほどがあるだろ……!!」

 それは悪龍ヴリトラの概念的な守り。
ヴィシュヌ神から勝ち取った“木、石、鉄、乾いた物、湿った物のいずれによっても傷つかない”
という神の規定。
すなわち……固体による攻撃の無効化。
いくら龍殺しの概念を持つ宝具でも、神の加護による概念には通じない。
それはヘラクレスの宝具“十二の試練(ゴッドハンド)”と同じで、条件に当てはまる限り通じない。

「GYAOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!]

 通じない攻撃だったが、予定通りに悪龍ヴリトラの注意を俺に向けることができた。
その隙に皆が兵を撤退させ始めた。
 ヴリトラの口に再び火が溜めこまれる。照準を俺に合わせているのが殺意で分かる。
あのレーザー(仮)を防御するのは不可能と判断し、回避に専念することにした。
ヴリトラはレーザーが放たれる直前に動きを止める。おそらく反動に耐えるためなんだろう。
その動作だけが俺の命綱になる。
 吐き出されるタイミングに合わせて駆ける。
一瞬前にいた場所を光が走った。
 光と地面の衝突によって衝撃波が生じた。
俺は衝撃に体を浮かせながらも、体勢を立て直す。
 それにしても本当にでたらめな威力だ。今のでまた大量の兵が巻き込まれて消し飛んだ。
このまま一方的な攻撃を食らっていては話にならない。それにこれ以上死傷者を出すのは避けたい。
 俺は交わし終えるやいなや、剣を射る。
弾幕の如く剣は飛んでいき、豆鉄砲のように弾かれ続ける。
 ヴリトラは当たり続ける剣が鬱陶しいのか、空を高速で移動しだした。
 速度はおそらく音速。普通なら空を自在にその速度で移動したら当たらないだろう。
しかし、それくらいで避けられるほど、俺の弓は甘くない。
 矢継ぎ早に放たれる剣は狙い通りに命中し続ける。
どう動こうと慣性を完全には殺し切れない以上、機動は限られる。
まして、あれだけの巨体だ。当てることなど造作もない。……当てるだけなら。
 計三十本射たが、三十本弾かれダメージを与えられなかった。
それらは全部龍殺しの宝具なのだから、乾いた笑みの一つも浮かべたくなる。
 だが、煩わしく思ってくれたようで、俺一人に狙いを絞ってくれた。

「……真名解放が使えれば簡単に倒せるのにな」

 かつて悪龍ヴリトラを殺した宝具が存在する。
ヴァジュラ……雷神インドラの使用した宝具。
これによって放たれた雷でヴリトラは倒された。
 しかし、真名解放が使えない限り意味がない。
だから地道に剣を射ながら方策を考えるしかない。
 放たれる光を交わして剣を放つ。
 響く咆哮。再び口に炎が溜めこま……れない!?
口から吐き出される炎は一メートル程度の球状の炎弾。
しかし、問題はそこじゃない……!!

「くっ!!質より量か!!」

 剣の弾幕が余程腹に立ったのか、お返しとばかりに炎弾の弾幕が降り注ぐ。
爆ぜる音が絶え間なく続き、空気は焼け、大地は穴を空けられ、辺りは火の海と化す。
 その惨状の中、俺は走る。止まり、跳び、宝具を投げ、走り、攻撃の機会を得るまで耐え凌ぐ。
右へ飛び着弾を回避、即座に体制を低くとり炎弾をやり過ごす。
そのまま前へ走りながら矢を射た。
 放った剣は四本。
一本目は鼻に命中し弾かれた。
二本目は右目に命中し弾かれた。
三本目は左目に命中し弾かれた。
四本目は口に吸い込まれた。
与えられたダメージは零。口の中に入った矢は着弾する前に吸い込まれるようだ。
 それでヴリトラを倒したインドラは一度ヴリトラに呑み込まれ、
あくびをしたところで逃げ出したという逸話を思い出した。
 ならば……!!
俺はとにかく剣を射る。狙いは……口だ。
とにかく奴の腹に宝具を溜めこむ。その後、“壊れた幻想”で内側から爆発させて倒す。
それしかない。普通に“壊れた幻想”を使用したのでは大したダメージは与えられず、
すぐ龍種の生命力で回復するのが目に見えている。決めるなら一撃で仕留める!!
 俺の思考を余所にヴリトラが手を変えてきた。
周りを囲むように炎弾が降る。
交わす必要のない距離だったが余波が肌を焼き、雪を溶かして発生した水蒸気が視界を閉ざす。
 すると同時に弾幕が止んだ。
それが意味するのは一つだろう。
 水蒸気の霧を急いで脱出しヴリトラを探した。辺りを見回そうとして……そのまま走りだした。
 光の雪で分かり難かったが、巨大な影が差していた。
それが意味するのは……真上!!
 放たれた光が地を穿つ。
 俺は秘薬・破和で強化されていた身体能力を活かして交わすことに成功した。
しかし、吹き飛ばされた地面の破片や剣が襲いかかる!!
 剣は消すだけだから問題なかったけど、地盤はそうはいかなかない。
掴んだ剣で防ぐが、その勢いを抑えきれなかった。
 結果としてかなり吹き飛ばされて雪原を転がる。
追い打ちしてくる炎弾を必死で交わしながら、弓矢を再び手に取った。
 状況は刻一刻と悪化を続ける。
なぜなら無限の剣製の反動がすでに出始めているからだ。
ぎしぎしと動くたびに内部で生じた剣が擦れ異音を発す。
 それも当然。
こんな長時間、しかもこれだけの大人数を取りこむなど無謀と言っていい行為だ。
秘薬・破和のおかげで持っているが、それでも反動は抑えきれない。
体の内側から確実に刃が出てくるのが分かる。
だからと言って、無限の剣製を解くわけにもいかない。
 なぜなら、悪龍ヴリトラのもう一つの守りである
“昼も夜も自分を攻めることができない”という時間規定があるからだ。
現実の時刻は夜。
無限の剣製の空が示すのは黄昏と夜明けだからこそ攻撃できるが、
解除したら数時間は攻撃できなくなる。
さらに、秘薬・破和の効果が切れる時が迫っている。
切れたら、最悪即死。運がよくても戦闘不能になるのは確定だ。
だからこそ、それまでに確実に仕留めなければならない。
 そんな焦りから、射ることを優先した結果、無理な攻めを行い続けた。
全身は軽度の火傷、打撲、切傷、出血多量と満身創痍というべき状態だ。
 それでも酷使を止めない。気付かう余裕など微塵もない。

「!?」

 ヴリトラが火を溜めこむ。問題なのは溜め時間。今までと比べ物にならないほど長い。
回避され続けるなら回避できない攻撃を放つ。
それは定石だ。
 俺は即座に高位宝具を射た。
溜めこまれる炎が大きくなり、吐き出される前に剣がヴリトラに命中する。

「―――壊れた幻(ブロークン・ファンタ)ぐふっ!?」」

 生えてくる剣によって内臓が傷つき、口中に血が溢れた。
……それが爆発のタイミングを僅かに遅らせた。
 次の瞬間に剣は爆発し、ヴリトラの照準がずれた。
ヴリトラから放たれた光は放射線状に範囲内の全てを吹き飛ばす。
大地を揺るがす衝撃に無限の剣製(せかい)が震える。
目と鼻の先を破壊のブレスが吹き荒れ、地面を吹き飛ばしていった。
 俺がぎりぎり範囲から逃れられた……代償は五桁に及ぶ兵だった。
避難していた軍勢の端が消滅したのだ。
 わずかなタイミングのずれがその結果をもたらした。
 慙愧の念を感じつつも俺は剣を射る。
嘆きは全て終わってからしよう。今は……最善を尽くすだけだ。
 再び溜めこまれる炎を見据えながら剣を放つ。

「痛っ!?」

 体から生える剣が右腕の筋を切ったみたいだ。
右手が動かない。これではもう弓は射れない。
だから、俺は積み立てた攻撃の仕上げの言葉を告げた。

「―――壊れた幻想ブロークンファンタズム

 悪龍ヴリトラの中心から光が溢れる。
そして……。

「GYAAAAAAAAAAAAAAAAA!?!?!?!]

 胴体の真ん中の部分で轟音と共に真っ二つになった。
どうやら仕込んだ宝具は足りたらしい。
 ヴリトラは地へと堕ちていき、地響きを立て沈んだ。
 何とか勝てたことを喜んでいる暇は俺にない。……生き残らなければ。
 俺は懐から緩和剤を取りだし飲んで、固有結界を解こうとしたところで呼ぶ声が聞こえた。

「士郎……!!」

 華琳が駆けてくる。その背後に気付かずに。
後は凱我たちの治療に賭けるだけ、そう思っていた俺はそれを見て凍りつく。
 上半身だけの姿にも関わらず、未だ炎を溜めこむヴリトラがそこにいた。
今、華琳を止めても間に合わない。

 考えろ!

(弓は使えない以上、逸らすのは不可能だ)

 考えろ!

(それ以前に、俺には戦う力が残されていない)

 考えろ!

(他の者が戦おうにもヴリトラには直接的な攻撃は通じない。宝具の真名解放ならともかく……!?)

 考えろ!

(普通、真名解放の条件は?)

1、魔力。
2、担い手であること。
 
(この場に宝具の担い手は仮初めではあるが俺だけ……ではない。
彼女が……華琳がいる。
正覇は彼女のためだけの宝具。当然、その担い手も彼女だけだ。
それに正覇はカリバーンを元に生まれた宝具だから、真名解放の効果も光の斬撃になる可能性が高い。
そうなら、ヴリトラの概念防壁に無効化されないはず。
ならば、彼女に真名解放が出来るか?)

 無理だ。魔力を込められない。

(なら、魔力を込めさえすれば?)

 俺は華琳に向かって駆けだす。

「士郎、あなた……!?」
「華琳! 正覇を!!」

 俺は華琳の手の上から正覇に残っていたありったけの魔力を込めた。

「!?」

 遠ざかり始める意識。
体中で筋肉が千切れ、骨が砕けた。
魔術回路が焼き切れた。
剣が凄まじい速度で体から生えるのが分かる。
何より……心が……記憶が砕けていく。
どうやら秘薬・破和の効果が切れたようだ。
 文字通りの死ぬほどの激痛に耐えながら、壊れていく精神を繋ぎとめながら、
それでも伝えるべき言葉を伝える。

「華……琳…!! 正……覇……を…叫びなが…ら龍に振れ……!!」

 そこで俺の意識は途絶えた。
最後に見たのは壊れゆく世界しんしょうふうけいを疾走る一条の光。


――――――――――――――――――――――――――――――――――


 士郎の言葉を聞いて華琳が背後を向くと、そこには上半身だけにも関わらず敵意を向ける龍がいた。
口に溜めこまれた炎が華琳に、そして士郎に吐き出されようとしている。
 華琳は士郎を信じ、突然輝きだした正覇を構えた。
いつも以上に手になじむ己の得物に全てを託す。
正覇を掴む手が熱い。初めから使い方を知っていたかのように、自然と体が、口が動く。
それも当然。正覇は曹孟得のためだけにある武器なのだから。

(やるなら思いっきりやるだけ!)

「“切り拓く覇者の道”!!!」

 叫びながら振り下ろされた金色の大鎌から光が疾走った。
瞬きしていたら見逃すほどの一瞬。それは刹那に消えたが、確かに龍を通り過ぎた。
 しかし、龍は顕在。世界も本来の姿に戻った。
絶望的な状況だが、それでも華琳は目を離さず龍を見る。
 龍は業火を吐きだそうとして……左右にずれた。
胴体から真っ二つになっていた龍は、今度は縦から真っ二つになって地面に落ちて行った。

 華琳は生き残れた事に安堵した。
背後で倒れる音を聞くまでは。

「士郎!?」

 目にした士郎の姿に衝撃を華琳は受けた。
 無茶の結果、かなりの重傷なのは分かっていた……。
それでも戦が終われば何とかなると、そう思っていた。
だが……事態は華琳の想定を遥かに超えていた。
全身火傷……それは当然。
手足の骨が折れたのか不自然な曲がり方をしているのも……納得できないが理解の範疇。
しかし……。

「何よ……それ……」

 全身から生えてくる剣はあまりにも現実から乖離していた。
ぎしぎしと、異音を発しながら一本、また一本と新しく体中から生えてくる。
内側から全身を貫いていく無慈悲な剣。
傷口から血が流れる。

「■り■さま!!」

 士郎が血反吐を吐いた。
内蔵を傷つけたのかもしれない。
 何も出来ない自分に華琳は初めて自らの無力を呪った。

「しっかりしてください華琳さま!!」

 春蘭に揺さぶられて私が周りを見ると、皆が集まっていた。

「……早く……早く……華陀を!!」

 普通の医者に治せるようなものではないのは一目瞭然。
士郎は恐らくこの事態を想定していた。
なら、彼に希望を託すしかない。

「士郎!!」

 華陀が駆けてくる。
星と呂布を連れて。

「華陀!士郎を助けて!!」

華陀も焦った様子で口を開いた。

「分かってる!! 我が金鍼に全ての力、賦して相成るこの一撃!
輝けぇぇっ! 賦相成・五斗米道ファイナル・ゴットヴェイドォォォォォォォォッ!」

 華陀は取りだした金の鍼を振り下ろした。
鍼は見事に士郎に刺さ……らない。
良く見ると、生えてきた剣が邪魔をしている。

「……くそ!五斗米道(ゴットヴェイドォ)の全てを治めているならともかく、
今の俺では鍼が刺せなくては……! いや、諦めてなるものか……!!!
我が金鍼に全ての力、賦して相成るこの一撃!……」

 再び振るわれた金の鍼は今度は士郎に刺さった。
しかし、剣の進行を止められない。

「くっ!?やはり本来刺すべき個所じゃないと効果がない!!」

 華陀は金鍼を何度も振り下ろし、その度に弾かれ、あるいは効果がない。
あきらかに華陀は疲弊していく。
 そんな中、誰も何も出来ずにいる。

「華琳さ……士郎!?」

 蜀や呉の者までいる中で、ただ一人いなかった秋蘭が駆けつけてきた。

「し、士郎はいったい!?」
「秋蘭、今までどこに?」

 その言葉に秋蘭は手にした物を渡してきた。

「これは……太平要術!?」
「はっ! これを放置しておくのは危険ですから」

(これのせいで士郎は……!!)

 華琳は切り捨てようとして……華陀の言葉と太平要術の性質を思い出した。
 華陀はさっき言った。“五斗米道(ゴットヴェイドォ)の全てを治めているならともかく”と。
そして、太平要術は……!

「華陀!これを読みなさい!!」

 華琳は太平要術を華陀に突きだした。

「なにを「いいから!!それに五斗米道(ゴットヴェイドォ)の全てが書かれているかも知れないわ!」
なんだって!?」

 太平要術は読み手に相応しい内容に変わる。
なら、華陀なら……!
 華琳は一縷の希望を運命の書に託した。

「…………そんな」
「書いて……ないの?」

華陀の暗い表情から華琳は希望が潰えたと思った。

「書いて……書いてあるんだ」
「なら……!!」

 華陀は懐から何かを取り出した。
それは黒くて箱状の物だった。

「これは師匠の形見で我慈恵渡休撫ガジェットキューブというんだが、
これの使用が五斗米道(ゴットヴェイドォ)の秘奥を使うのに必須みたいなんだ」
「だったら使えばいいだろ!!」

 春蘭の言葉に華陀は首を振った。

「使用するには……証履の鍵が必要なんだ。そして……俺は持っていないんだ。
彼女が……深言が持っているから」

 その言葉は絶望的だった。
皆が諦めかける中、華陀は再び鍼を振るう。

「諦めるか! 諦めてなるものか! 士郎に言った! 最後まで諦めない不屈の精神を持つと!
彼女に誓った! 師匠の出来るはずだったことを代わりにすると!
ここで諦めたら俺を待ってくれている彼女に会わせる顔がない!!!
我が金し「……あなたに……これを……」……み……こと?」

 そこには静謐な雰囲気の璃夜がいた。
呆けたように華陀は璃夜を見続ける。

「……きっと…もそれを……望んでいると……思うから。
……けど、……必ず…士郎を助けて」

 それだけ言うと璃夜は黙り込んだ。
 璃夜の言葉を聞いて、華陀の顔に様々な感情が過った。
喜・怒・恐・哀・楽・迷・否・肯・惑……そして、最後に決意が残った。

「……分かった。行くぞ!! 我が身、我が鍼と一つなり! 一鍼同体! 全力全快っ!
義の流、儀の務、願い護る具を奉ずる!!!!
はあああああああああああっ!ふんっ!!!!」

 華陀の手に渡った金色の鍵は光だし、黒い箱に鍵穴が出現した。

「これが証履の鍵だ!!!我治恵渡休撫ガジェットキューブ!!!」

 鍵が差し込まれると形を変えていく。

我治恵渡絆真ガジェットハンマー!!!」

 箱は鎚へとその姿を変えた。

「治し恵む音はここに疾駆する!! 煌めけ……!!!
治恵音疾駆・五斗米道ジェネシック・ゴットヴェイドォォォォォォォォォォォォォッ!!!」

 鎚から光が溢れだし、一丈もの巨大な光の鎚となった。

「げ・ん・き・に・なれぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 士郎から生えた刀身に沿えるように触れている金鍼に鎚が触れた瞬間、
澄んだ音が辺りに響いた。
それに応じて鍼は震え、光が士郎の体を駆けていく。
そして……光が辺りを染め上げた。

 華琳が目を開けると、士郎にあれほど生えていた剣が無くなっていた。

「華陀………礼を言「まだだ!」えっ?」

 華陀は険しい顔で言った。

「今のは応急処置でしかない。ひとまず命に危険はなくなったが……これからが本当に大変なんだ。
それに“そのこと”を抜きにしても重傷に変わりはない。
皆! 龍を解体して薬を作る!! 手伝ってくれ!!!」

 こうして決戦は幕を閉じた。
目覚めない正義の味方を一人残して。


 これは運命が正義の味方を残したまま収束した一幕。
後書き
今回で仕込んでいた伏線を回収したので解説を。

伏線1 王允の南蛮への移動

悪龍ヴリトラを手に入れるために行きました。原作の真・恋姫では華陀が薬の材料にするため南蛮まで狩りに行きました。

伏線2 璃夜と凱我の関係。

璃夜の父親についての言及で、大抵の人は予測がついたはず。
おまけに凱我の想い人に関する話で補強。
さらに秘薬・破和はガ○ガ○ガーの【パワー】のパクリですが、
その繋がりまで分かった人は何人くらいですかね。

伏線3 証履の鍵

これはガ○ガ○ガーFINALのゴルディオンハンマー使用時に使う金色の
“勝利の鍵”のパクリです。璃夜の
分かった人は最後の治療に関わるアイテムだと気付いたと思います。

まあ、大した伏線は入れられませんでしたが、ラスボス戦終了+士郎危篤まで書けました。このままエピローグに行けなくもありませんが、もう少し続く予定です。

ちなみに星と呂布の戦いは相打ち寸前の所で凱我が播いていた薬でダブルノックアウトになりました。(結果として決戦から三人が省かれました〉

正覇の真名解放を若干修正。
本当はカッコイイ振り仮名をつけたいけど、中国語が分からないため省きました。
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