第5話:へタレだって戦るときゃ戦る
「へっへっへ、命が欲しけりゃ金目のもん全部を置いてきな。」
――いきなり現れた盗賊さん達三人は、僕達に金を請求してきました。
「・・・。」
――突然な事に僕は言葉が出ません。
「ウィルス師匠・・・。」
――リーネさんが、ポン、と僕の肩に手を乗せました。言いたい事は分かってます、リーネさんも戦ってくれるんですよね?
「頑張ってね♪」
――僕が馬鹿でした・・・。
*
風が吹いた。木々たちがざわめく。
―戦いが始まる。
「ふっ!あんた達みたいな薄汚い盗賊には、制裁をくれてやるわ!かかって来なさい!」
ビシィッ!と、盗賊たち三人を指差すリーネ。説得しようとしていたウィルスは心の中で、頭を抱えた。
――あああああああ!何てこと言ってくれてるんですかリーネさん!
案の定、盗賊たちは怒り狂っている。
「んだと、この女あっ?!」
「お望み通り、ブッ殺してやんよぉ!!」
「ナメんじゃねーぞゴラァ!!」
三人とも武器を取り出して、今にも襲いかかって来そうだ。
「ふふん、ザコが。
さあ、ウィルス師匠!チャッチャと殺っちゃって下さい!」
調子のいいリーネに半ばヤケクソ気味になったウィルスは、剣を構えた。
――ああ、何でこうなるんでしょう・・・。でも、今からでも遅くないかもしれない。
そう、思ったウィルスは盗賊たちに説得を試みる。
「あ、あのー」
『あァ?!』
「―何でもないです・・・。」
盗賊三人に睨み返されて、ウィルスは何も言えなくなった。俯いて、剣を見つめる。
――腹を括ろう・・・。
ヒュン、と剣を横に振ってみる。動きは自然だ。だが、誰もが黙って見とれてしまうような不思議な動きだった。ウィルスは、顔を上げた。一瞬だけウィルスの瞳の色が変わったが、誰も気づかなかった。
「戦りましょうか。」
笑顔で言うウィルスに、殺気だった盗賊たちが襲いかかった。
「ふうっ」
一呼吸し、真っ先に来た盗賊の一人の横腹を斬る。
血が飛び散った。
「ぎゃあっ!」
腹を斬られた盗賊は、ウィルスの斜め後ろに転がった。
「―! 野郎ッ!」
仲間がやられたのを見て、二人目の盗賊が襲いかかって来る。三人目は、仲間がやられたショックにまだ立ち直っていない。
「―遅いです。」
一瞬で、二人目の盗賊との間合いを詰めると、ウィルスは蹴りを鳩尾に放った。
「ぐほっ!」
二人目の盗賊は、木の幹に当たって動かなくなった。
「ひ、ひぃっ」
三人目はウィルスに恐れをなして、逃げ出した。
勝負はあっという間についた。 |