第3話:こないだの敵は今日も敵
――このままでは本当に死んでしまう・・・!
ナイフが投げられる前、瞬間的に命の危険を感じるウィルス。いくつかは避けられるかもしれないが、避けられないものは致命的な場所にあたりそうだ。
――・・・仕方ありませんね。
瞳を閉じ、決意を固めるウィルス。
――これだけは使いたくなかったんですけど・・・。
ウィルスの魔力が急速に上がっていく――、
そして――
――そうも言ってられなそうですから。
瞳を開けた。
ビュウゥゥゥゥゥゥ・・・!
「っ?!」
強烈な突風がリーネを襲う。
「(なによ、コレ・・・っ?!)」
慌てて顔を覆うリーネ。
やがて風はおさまり直後に―、
ドスン 「いたっ」
落下音と呻き声が聞こえた。
「・・・? 穴に落ちた・・・?」
呆然と呟くリーネ。
――リーネの視線の先にはウィルスの落ちた穴の付近に転がっている無数のナイフがあった。
*
「じゃ、ほんとーに『バトルマスター』なのね?」
「は、はい」
なんとか、無事に生還したウィルスはリーネの問いにぎこちなく答えた。
「こんな、貧弱そうなのがねぇ・・・。」
(でも、さっきのは・・・。)
ジロッ、とウィルスを見るリーネ。
――ひ、貧弱・・・。
軽くショックを受けるウィルス。
「ぼ、僕ってそんなに貧弱に見えます・・・?」
恐る、恐る聞くウィルス。もちろん答えは決まって一つ。
「うん。」
深くうなずくリーネ。
深くうなだれるウィルス。
「まあ、まあ。(見た目と違って)一応、レベルは高いんでしょ?」
と、軽く励ますリーネ。ちなみにリーネのレベルは60かそこらの中々、高レベルのファイターである。
「ええ、一応レベルは100以上です。」
なんでもないかのようにさらり、と言うウィルス。
「へぇ・・・、って100以上っ?!『バトルマスター』ってどれくらいでなれるの?!」
驚愕しながらウィルスに聞くリーネ。そんなリーネに驚きながらウィルスは、
「えーと、そこそこレベルが高くて、魔法とか武術ができる人なら・・・。」
「えぇぇぇっ!?魔法っ?!無理!できない!」
「え、魔力無いんですか?」
意外そうに言うウィルスにリーネは「悪いか!」と言った。
「だ、大丈夫ですよ、リーネさん!魔法が使えるようになるアイテムとかありますから!」
ふたたび命の危険を感じたウィルスがそう言うと、途端にピタッ、とリーネが動きを止める。
「どこに・・・?」
「え? と、隣の大陸に・・・。」
――行くんですか・・・?
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