挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
unconventional【スキル・メイク・オンライン】 作者:紺藤シグル
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

4/113

4話 ゴブリン

 大通りを町の外に向かって歩き出す。
 目的はただ一つ、戦うこと。
 もともとそのためにこのゲームを始めたのだから当然だ。

 大通りを歩き続けると、見上げるほどの門と、城壁が目に入る。
 しかし門はある程度開いているようなので、そのまま町の外へと進んで行く。
 外はチュートリアルのような草原が広がっていた。

 (チュートリアルなんだから1番最初に戦闘する舞台にするのは当然か……)

 流石に考えてあるなと感心しながら敵を探していると、何人かは(すで)に角の生えたウサギやオレンジと白の縦縞模様(たてじまもよう)のシマウマと戦っていた。

 (やってる、やってる。こんなに早いとなると、ベータテスターか?)

 戦闘している姿を観察しながら、零は他の人の邪魔をするのは不味いと考え、そのまま草原の奥に見えた森林へと歩いて行くのだった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 森林の中に入ると、日差しが木に邪魔されて薄暗くなる。
 影が増え、虫の鳴き声が絶え間なく聞こえてきた。

 (さあ、何が出てくる?)

 ロングソードを構えて、いつ敵が来ても良いように五感を研ぎ澄ませる。
 木の枝を切り落としながら進んで行くと、右斜め前方から気配を感じた。
 近くまで行き、木に背中を預けて少し顔を出す。

 するとそこには、1メートルほどの身長に片手には棍棒を持った、緑色の肌を持つ生物、ゴブリンがいた。

 (3体か……)

 3体のゴブリンは何かを話し合っているようで、甲高い声でギャアギャアと騒いでいる。

 (奇襲を仕掛けるか)

 相手が気づいていない状況で、例え自身が負けるほどに敵が強くても、今はデスペナルティーも無いに等しい状態。

 (行かない手は無いな)

 持っているロングソードの柄に力を込めて走り出す。
 顔がこちらに向いていた1体のゴブリンが、零に気づいて叫びだした。
 それによって2体のゴブリンがこちらを勢いよく振り向く。
 透かさず2体の目線の高さに構えたロングソードを、スキルを使うことなく薙ぎ払った。

 初期装備の切れ味のためか、頭を真っ二つにすることはできなかったが、目つぶしをすることには成功する。
 2体は片手で両目を抑えながら、当てずっぽうに棍棒を振るった。

 しかしすでにバックステップで後ろに下がっていた零には届かない。
 零はロングソードを槍のように突き刺し、一番手前に居たゴブリンの心臓を貫く。
 すぐさま引き抜くと、それにつられるように引き抜かれたゴブリンはうつ()せに地面へと倒れた。

 それと同時に目潰しされていないゴブリンが突っ込んでくる。
 振り上げた棍棒を横にずれて躱し、今度はスラッシュを使ってゴブリンの目を水平に斬る。
 カウンターで入ったため、剣が脳まで()り込みゴブリンは絶命した。
 最後の1体にもスラッシュで後ろから後頭部を狙う。
 2回ほどスラッシュで斬ると、(ようやく)く絶命した。

 ゴブリンの死体を見ながら考察する。

 (スラッシュはあくまで剣で水平に斬る技術であって、攻撃力が上がるわけでは無さそうだ。カウンターで敵に攻撃を与えると、相手の勢いと合わさって威力が上がるのは現実と同じか)

 緑色の血を流すゴブリンを見て眉を寄せる。

 (それにしてもリアルだ……。トラウマになる奴も絶対いるだろ)

 不快な気分になりながらも考察を続ける。

 (敵を倒しても何も手に入らないところを見ると、自分で剥ぎ取る感じか。チュートリアルにも戦闘の下に剥ぎ取りがあったな)

 やろうかと思ったが、いくら念じてもチュートリアルが再び出ることはなかった。

 (チュートリアルが出ないのは町の外だからなのか、それとも最初の一度きりで俺が他をやらなかったのが原因か?どちらにしてもゴブリンの装備なんて作りたくないから良いか)

 結局剥ぎ取らないことにして、そのまま他の敵を探しに歩き出すのだった。







+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ