挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
Levelmaker ーレベル上げしながら異世界生活ー 作者:Ss侍

十六章 ダンジョン鍛錬

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

481/851

第四百六十話 周回を終えて -2 (翔)

 ……そうだ。

 親父……いや、親父の親しい犯罪心理学研究家さんからだったか、ちらりと聞いたことがある。
 子供がモラルをきちんと持つためには、その成長過程に周囲のコミュニケーションや親からの教え、学校からの教育が必要であり、それらの全てをまともに受けられなかった子供はモラルなど無く育つ可能性が高いのだと。

 もし、それらを全く受けてないにも関わらず、特に特別な処置もなしに生活していける者がいたとすればそれは、元々の頭が良いか、それらに当てはまるような経験をしてないように周囲に見えてるだけかなのだという。

 確かに考えたら。ろくに、何がダメかや何が良いかを誰からも一言も教えてもらわずに育ったらそりゃ、モラルなんて無いわな。

 ああ、考えちまえばリルは…両親がかなりちっちゃい頃に死んじまってるのか。そしてそれからずっとこの世界での学校も行かせてもらえずに…ってか。

 まあ、何も全員が対象の話じゃねーし、聞いただけだから確かであるという確信はもてねーけど。
 でも、俺が予想してるリルの生活環境だったら、まず、こんな良い子は育たなかったんじゃねーかな。

 としたら、考えられるのは3つ。
 1つは、リルの両親が生きてた間にいろんなことを教えてもらっており、すでに人格が形成されていたということ。
 2つ目は、その…誰から虐待されてたかは知らねーけれど、リルはその虐待されてる間にも経験から何かを学んでいたということ。
 3つ目は…リルの頭が良いということ。

 つーか、どれをとって考えてもリルはかなり頭が良いと仮定できるかもしれねー。
 うん、リルは頭が良いんだなー、多分。

 そう考えると、俺の周りには頭のいいやつばっかりだな。
 叶君と桜ちゃんは勿論、ミカも学年で上から数えたほうが早いんだ。
 有夢もなんやかんや言って叶君の兄だからか、授業を聞いてるだけでテストでそれなりの点数は取れちまう。
 そしてリルに……ノルウェーからくる女子か。
 ははは、こりゃ参ったな。


「_________だからね、ショー。その……私、迷惑かけちゃうかもしれないんだ」


 しまった。自論に自惚れててリルの話を聞いてなかった。やばい。
 申し訳ねーけど適当に話を合わせちまおう。


「迷惑かけてても……んだな、リルのこと好きだしよ…俺は別に気にしねーけど」
「わふぅ…。でもそういうわけには行かないさ」


 さっきまでなんつー話をしてたかわからないが、とりあえずまたリルが自分のことを卑下してたのはなんとなくわかる。


「しかし…きっと大丈夫だって信じた方がいいんじゃねーか? ほら、アリムだってうまくいってるだろ? この世界の知識なんてなかったのに、こんな大国の国王から頼られるような存在になっちまってる」


 なんて言って励ましてみる。
 リルはやっぱり俺の腕に……いや、俺の脇腹にこれまた強く抱きつきながら上目遣いを。
 これ、自然にやってるんだよな? じゃなかったらあざとすぎるんだが。
 あとそれと……やっぱり胸がやわ_______。


「わふ、確かに、ショーの言う通りポジティブに居た方が良いかもね。わかった、今はとりあえず心配するよりも楽しみにすることにするよ」
「お、おう! じゃあそろそろ夜も遅くなるし、風呂入って寝るか!」


 そう提案する。
 リルは俺の身体から自分の身体を離し、コクリと頷いた。


「じゃあどっちから入る?」
「一緒がいい」


 ……なぁ?
 い、一緒が良いって…初体験の日以来一回も言ってねーのに。なんで今言い出したんだ。


「い、いや、そうするとその…あれだ、俺がリルをその…襲うというか、なんというか。俺も一端の男だからな。結構キビシー事になると思うぜ」
「わふん。いいよ、そうしてほしい。願ったり叶ったりだよ」


 ニコっと笑いながらリルはそう言った。


「えっ…だけどよ」
「やっぱやめとくよ。わふん………。ショーが私の身体じゃ満足できないだとか…1回限りでもう十分だとかなら私は別に良いんだ。一人ずつ入ろう」


 笑みを絶やさないままリルはそう言ったが、耳はくたりとしぼむ。
 な、なんだよそれぇ…気になるじゃねーか!


「いい…のか? 何か…」
「わふん? さっきも話しただろう?」


 ごめんなさい、聞いてませんでした。


「私の予想だと向こうの世界に行ったら…ヘタしたら数ヶ月は会えないという可能性がある。だから、だから今のうちに心ゆくまでショーに身も心も預けようと思ったんだけど…。わふん、ごめんなさい。ミカちゃんから私がショーのタイプだって聞いて少しつけあがってたよ」


 リルはぺこりと土下座に近い形で頭を下げる。


「でも、でも…あの国にいる時に一回約束してるし…3週間前も、『また今度』って言ってくれたから…えっと…ちょっと期待しちゃってて…」


 そう申し訳なさそうに、それも自己嫌悪しているとありありとわかるような表情を浮かべながらリルは言う。
 ああ、そうだとも。よくよく考えたら俺はリルからの誘いをずっと先延ばしにしまくってた。
 ……………ああああああもうっ!
 ちくしょうめ! どうにでもなりやがれ!


「リルッ風呂入るぞ!」
「わ…わふん…でも…」
「それから…そのあと、1ヶ月前からの約束果たしてやる」
「わ…わわふぅ~っ!」


 ここ手間引き下がったら男じゃないと、そう考えながら、泣いて喜ぶリルとともに俺は風呂場へと___________
 
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ