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Levelmaker ーレベル上げしながら異世界生活ー 作者:Ss侍

十五章 帰還

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第四百二十二話 連絡 (翔)

「どうしたの?」


 机の上の書類に目を取られてる俺に、母さんがそう声をかけてきた。


「いや…これなんだ?」


 俺はその紙を手に取り、ちらりと読んでみる。
 『海外孤児日本滞在のためのホームステイについて』と書かれている。


「ああ…それね、父さんと相談してたのよ」
「はぁ? んなもの、初めてみたぞ。少なくとも、美花の葬式に行くまでにこんなもんなかっただろ」


 もう、この書類の名前からして、誰かかれかを引き取ろうと考えてることはわかるんだが…どうしてそうしたいんだ? それも、わざわざ海外から。


「それは有夢君が亡くなっちゃったことで、それどころじゃなくなったから、翔には話さなかったけど…。実は前々からお父さんとは相談してたのよ。なんでも_______」


 どうやらこ書類の内容によると、海外の孤児の中で成績が優秀な子のうち、日本に留学・永住したいと考えている子を引き取って住居などを提供するという、どっかの機関が出したものなんだと(その上、日本の学校に留学するのではなく転校してくるため、付き合いは数年間に及ぶのだとか)。
 お金とかは、その子の居た孤児院があった国が出してくれる…らしい。
 はー、俺、こんなの知らなかったぞ。


「で、なんでこれを?」
「いやね。アンタらが言ってる高校に受かった子が居るらしくて…。うちは部屋も一つ余ってるし、いいかなーって。だいたい、これを受けてる子の大半は日本語も喋れるみたいだしね」


 母さんは俺から紙を取り上げ、自分で眺め始める。


「……でも、この頃ゴタゴタが続いて…。これはやめようかって話になってたんだけど。どうやら時間が戻ってるみたいだし、余裕があれば、また、考えてもいいかなと」
「んー、まあ…俺は別に反対しねーけど……」


 ただ女子ならまずいな。
 女子なら、リルほど仲良くはしないようにしよう。
 うん、俺にはちゃんとした可愛い彼女が居るんだから。


「まあ、そんなこと今はどうでもいい。今は、今はただ、戻ってきてくれてよかった! …あなた、どれだけ心配かけたかわかってる?」
「ああ。その、本当にごめんなさい」
「…うん、まあ、翔が悪いわけじゃないみたいだから、良いんだけどね」


 母さんは真面目な顔をしてからはにかんだ。

 ガチャリ________と。
 受話器を置く音が、リビングに響いた。
 どうやら親父が両家に連絡をし終わったみてーだな。


「母さん。翔の話は本当だった。成上さんのところには、叶君も、有夢君が居るらしい。曲木さんのところには、美花ちゃん、それに妹の桜ちゃんまで帰ってきている」
「はあ…こんな事って…」


 まあ、普通だったらありえねーよなー。
 行方不明で、生きてるっつー可能性が高かった俺と叶君と桜ちゃんならまだしも、有夢と美花は本来なら死んじまってるんだから。
 父さんは俺の方に手を置く。
 …なんだ?


「それで、お前達に今日、その世界のこととやらを話してもらおうと思ってな」
「えっ?」


 き…今日だと?


「仕事は…? ほぼ毎日出勤してたろ?」
「それは問題ない。本来ならば____月_____日という日は、ちょっと色々あってな、午後からの出勤だったんだ」


 そういやそうだった…ような気がする。


「なら、俺が父さんに説明すればいいだけだろ?」
「…いや、成上さんも曲木さんも、ご両親が詳しく話を聞きたいのだと。仕事はそれぞれ、休むなり遅らせるなりするのだそうだ」
「そ…それって大丈夫なのかよ?」


 そう言うと、親父は『何を言ってるんだ』と言いたげな表情を浮かべ、言葉を返してきた。


「お前ならわかると思うが、親は仕事より子供の方が大切だという人間が大半だ。その子供達が、他の世界とやらに行っていた間のことを知りたいのは当たり前のことだろう?」
「そりゃあな、そうかもしれねーけど」


 なんか聞いてて恥ずかしくなるな。
 いやー、もう、『お母さんお父さん大好き』なんて言う歳なんかじゃねーのに、な。
 思わず頬をかく俺を見てから、親父は話を続けた。


「それと、今日は学校を休ませるぞ。行ってる場合じゃないだろう。有夢君や美花ちゃん達もそうするそうだ」
「あ、ああ」


 それは俺から言おうと思ってたから、助かる。
 今日、外に出るとか、有夢にとっては自殺行為そのものだろう。
 頭に花瓶が降ってくるかもしれないんだから。


「それと…俺達11人で話をする場所だが…成上さん家でするぞ。まあ、今日、有夢君を外に出すというのは自殺行為に等しいからな」


 おっと、親父め。俺と同じこと考えてたか。 
 しかし…有夢の家で大人6対俺達5人で話し合いか。
 なんかすごい絵面だな。
 いや、確かにそれほどのことなんだがな。


「では、あと1時間半程経ったら成上家に行こう。母さん、翔、準備しておけ」

 
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