挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
Levelmaker ーレベル上げしながら異世界生活ー 作者:Ss侍

十三章 ラグナロク

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

390/856

第三百七十四話 ラグナロク

 スルトルかラグナロクと叫んだ瞬間、凄まじい熱気と共にパキリと音が虚空に響く。
 あれだ、きっとサマイエイルのハルマゲドンと同じようなものなのかもしれない。
 やっぱりさっさと封印しとけばよかったね。
 しっぱい、しっぱい。


「叶、ミカと桜ちゃんの手を握って、いつでもどこかに逃げれるような準備をしといて」


 叶は戸惑う。
 頭はいい癖に戸惑う時は年相応に戸惑っちゃう可愛い弟である叶。今はちゃんと動いて欲しい。


「ミカと桜ちゃんって……あ、有夢はどうするのよ!」
「俺は_____」

   
 ミカは俺にそう叫んだ。
 それに答えるべく、俺も声を張り上げ用としたが、スルトルの行なっている奇行に目がいってしまった。

 スルトルに憑依された翔の手から、身体に刻まれていたマグマが見える亀裂のような模様が蠢き、動き出て、空中に広がってっている。

 …あれがラグナロクだろうか。

 そう考えてる間にも、素早くその亀裂は広がって行き空中にびっしりと、まるで今からでも割れてしまうんじゃないかと思うくらい大きな亀裂群となり、基盤のない空に展開されてゆく。

 おおよそ直径5mくらいの亀裂が展開されたころ、スルトルは空に当てていた手を放し、その手で拳を作ると、亀裂に叩きつけた。



 ______バリン



 と、そう、空を切っただけでは絶対にならないような音が鳴り響く。
 ひび割れた虚空は崩れ始め、その先から赤い何かが見え始めた。
 わからない、それは何かが俺にはサッパリ。
 桜ちゃんの手をつなごうとしていた叶、その手を取ろうとしていた桜ちゃん、さっきまで俺に呼びかけていたミカですらそちらに目を奪われる。


「………使いたくなかッた。でも、仕方ネェヨナァ? 魔神…そう、仮にも神の常識の範疇を超えて強くなッちまうんだもの。神であるオレ様達はそれを止めたくなッちまう」


 スルトルは触らないはずの空間を確かに掴み、赤い穴と亀裂を自分が入りやすいように、2~3回パキリと折ると、その中に進んで行った。
 と、ゆうことはあれはまた、別の空間なのかもしれない。
 スルトルはラグナロクとかいう奥義で空間を呼び出したのか。


「これが、黒魔神の切り札……ラグナロク…だ」


 ニタリ、と、スルトルは笑うその瞬間。
 世界が回転する。

 回転が終わったかと感じたら、地面が熱くなった。
 それも、炎属性耐性が何重にもかかってる俺らでなければ、足元から燃え溶けてしまうであろうという火力。

 下を見た。
 先ほどまで島だったはずなのに、溶岩が吹き出してきそうな橙が見える、赤茶色の地面がある。

 上を見た。
 空が赤い。夕焼けのようなんてロマンチックなものじゃなく、不吉に赤い。溶岩と血が混じり合い、互いに殺し合っているような色。

 周囲を見た。
 足元の地面のようなものが地平線までつづき、それ以外にはところどころから吹き出ているマグマと火炎、時々真っ赤な山。
 まるで滅亡した後の世界を見ているようで気味が悪い。
 いつの日かテレビで見た、金星に似ている、いや、そのままだと見てもいいレベルだ。

 これがラグナロクの中身だとして、外は……ああ、スルトルが立っている。その場所の後ろにさっきと同じような亀裂。あれの外が、今度は普通に海になっていた。
 つまり、いつの間にか反転させられたんだ。
 俺以外の皆も移動させられてしまったみたいで、飛行機や地面に刺してストックしていたグングニルなんかは溶け始めていた。


「ここから…何キロメートルかは、このラグナロク終焉の世界と入れ替わッている」


 訊いてもいないのに、スルトルがそう説明し出したから聞いてあげる。……なるほど、ここはスルトルが有利になる世界とかなんかだよね、単純に考えて。


「言ッとくが、この世界にイネェ人間にメッセージは使えネェ。ましてやこの世界から外の世界に向かって何かを作用させることも不可能だ」


 淡々と説明をしてくれる中、外の世界へと続く亀裂は無くなっていることに気づく。どうしよ、出れなくなッた。
 つまり叶でテレポートするのは無理だと。
 ……正直、俺以外は巻き込みたくない。


「スルトル、俺が相手をするから、他のみんなは出してくれないか?」


 スルトルは、正直言えば今まであった話せる敵の中では一番、喋れる性格だと考えている俺は、そう、スルトルに言ってみたが、やつは首を横に振った。


「残念だが…。出してやりたくない。テメェはツェェんだから、女共のお守りをしながら闘うことだッてできんだろ? ああ、お前も女だッたか、一応は」


 うるさい、うるさい!
 俺は女の子としてアイドル活動やってるんだから、一応はいらないぞ! れっきとした女……ううん、男です。それであってます。だけど_____


「じゃあ、この世界からどうやって出れる?」
「簡単な話だ、オレ様を倒_____」


 喋っていた、そんな時に瞬間的に、翔の体に一文字が走る。無論、俺が斬ったからなんだけどね。
 
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ