透視能力の果て
少女は机の上に並べられた3枚のカードを見つめていた。向かい側に座る白衣を着た女性は期待に満ちた目で少女の反応をうかがっている。
やがて、ゆっくりと少女が真ん中のカードに手を伸ばし表に返した。そのカードには丸が書かれていた。
「また、当たりね。これで10連続よ」
白衣の女性は感嘆の声を上げる。それに対して少女はさも当たり前という風だ。
「本当に透視能力なんて物がある何て信じられないわ」
「私も最初は驚きました。最近はもう慣れてきましたけど」
「しかもまだ能力は成長し続けてるんでしょう?確かその時はひどい頭痛がするんだっけ?」
「はい。最初はただ体調が悪いだけなのかと思ったんですけど、何回か繰り返し起こるうちに頭痛があった後には透視能力が強くなってるのが分かったんです」
「痛みがあるってことはあんまり良さそうな感じじゃないわよね。何か対策を打たないと……」
「すいません。迷惑を掛けてしまって……」
「いいわよ。私も貴重な体験をさせてらってるし」
そう言って白衣の女性は笑った。それにつられるように少女も笑みをこぼした。
その後、検査を終えた少女は帰路についていた。
検査の結果は前回と変わることもなく異常なしであった。相変わらず頭痛が起こる原因は分からないままだ。
彼女はこれから自分がどうなっていくのかを考え、ため息を吐いた。
その時、突然彼女は後頭部を殴られた様な衝撃を感じ取った。いつもよりひどい頭痛にたまらず地面に膝をつき頭を押さえる。近くを歩いている人々が心配そうな視線を送っていた。
しばらくし、少女の頭痛は収まった。周りの人々が安否を気遣う声に自分が生きていることを実感する。
その声に答える為彼女は体を起こし目を開く。そして、愕然とした。
目の前には広がった景色には誰も存在せず、何もない白い空間であった。
彼女の目には全てが透明に見えてしまうのだ。
それは透視能力の成れの果てであった。
まずは読んでいただきありがとうございました。
「超能力が発現するにも関わらず程よい力の強さで止まるのはおかしいではないか?」という考えから思いついた話です。
超能力があってもいいことばかりなわけじゃないでしょうしね。
それにしてもタイトルを付けるのは苦手です。今回もあまりしっくりこない感じです。
もしよろしかったら他の作品も読んでみて下さい。