第13話:謎の女
「どうやら思いだしたようだな?」
明日香の背後に現れた女性はそう問い掛けた。
明日香は、覚悟を決めて女性を振り返った。振り返った先にいた女性は、やはりあの時会った女性だった。そう、自分が死んだあの時に・・・。
「ええ、思いだしました。死んだはずのあたしが何故過去に戻っているのかも。そして何をするつもりだったのかも。・・・でもいいんですか?あたしのやっている事は起こるはずだった出来事を変えているんでしょ?」
「別にかまわんよ。こちらは、橘 明日香。お主が死ぬということさえ変化しなければいい。それに死の定めに変更はきかぬ。変更がきくのはあくまで、死ぬまでの間の出来事。それも他人に関する出来事の筋書きが変わるだけだ。たいして影響はでない。」
「でも・・・、今回の作品作りに関わる人たちには影響がでるんじゃ・・。」
「まぁ、普通はな。しかし、お主のような人間に関わる者は、いくらか書き直される場合もある。あくまで特例だがな。こちらは、お主との契約がある。その契約を履行する為なら、小さなことには目をつぶつさ。」
女性は、最後はどこかおどけたような口調だった。しかし、その口調のおかげで明日香の中にあるためらいが和らいだのだった。
「そうですか。じゃあ、あたしは自分のやりたい事をやり通します。・・・・そういえばあたしを迎えに来たあの子は知っているんですか?」
「お主と同時に答えにたどり着いた。・・・・もし何かあれば、あやつを呼び出せばよい。ではな。」
そう言葉を残すと女性はその場から消えてしまった。
「あの人も謎な人よね。・・・・よし、頑張るぞ!!」
明日香は、再度自分に気合をいれると部屋から出ていった。 |