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第一部 激動の時代と大正生れの歌3

 大正生れ



 1.大正生れの俺たちは 明治の親父に育てられ

   忠義愛国そのままに お国の為に働いて

   みんなの為に死んでゆきや 日本男児の本懐と

   覚悟を決めてきた なあお前


 2.大正生れの青春は 全ていくさの只中で

   戦いごとの尖兵せんぺいは みな大正の俺たちだ

   終戦迎えたその時は 西に東に駆け回り

   苦しかったぞ なあお前


 3.大正生れの俺たちにゃ 再建日本の大仕事

   政治 経済 教育と ただがむしゃらに幾十年

   泣きも笑いも出尽くして やっと振り向きゃ乱れ足

   まだまだやらなきゃ なあお前


 4.大正生れの俺たちは 幾つになってもよい男

   子供も今ではパパになり 可愛い孫も育ってる

   それでもまだまだ若造だ やらねばならぬことがある

   休んじゃならぬぞ なあお前

   しっかりやろうぜ なあお前




 鎮 魂 譜



 大正生れの俺たちの

 別れし友の魂魄たましい

 空ならば なお 天翔り

 海ならば なお 水づき揺れ

 大地つちならば なお 草むさん

 いでや 我が友 この胸に

 しかと 眠れや なあお前



 この歌はいつの間にか、じわじわと大正生れの人々の間に広まっていき、各地の戦友会や大正会の会合で歌われるようになっていった。

 そしてこの歌は専ら男の事を歌ったものであった事から、同じ大正生れの女の歌が無いのは片手落ちであるとの声が何処からともなく起こり、大正生れの歌の女性篇が出来た。

 次に、佐々木律子氏補作の歌を書き足す。




 大正生れ(女性篇)



 補作 佐々木律子・玉城百合子


 1.大正生れの私達 明治の母に育てられ

   勤労奉仕は当たり前 国防婦人のたすきがけ

   みんなのためにと頑張った

   これぞ大和撫子と 覚悟を決めていた

   ねえ あなた


 2.大正生れの私達 すべて戦争いくさのただ中で

   銃後の守りはまかされた みな大正の私達

   終戦迎えたその時は たのみの伴侶は皆軍神

   寂しかったね ねえ あなた


 3.大正生れの私達 再建日本の女房役

   姑につかえ子育てと ただがむしゃらに三十年

   泣きも笑いも我慢して やっと振り向きゃ白い髪

   それでもやらなきゃ ねえ あなた


 4.大正生れの私達 今では五十六十と

   子供もよいパパママとなり 可愛い孫のお守役

   今では嫁も強くなり それでも引かれぬこともある

   休んじゃおれない ねえ あなた

   しっかりやりましょ ねえ あなた



 以上が「大正生まれ」の作詞者小林朗氏の文と歌詞、女性篇作者の佐々木律子氏と、玉城百合子氏の歌詞である。

 尚、私の手許に有する楽譜はニ短調四拍子の曲で、作曲は「大野正雄」氏。編曲は「大前成之」氏となっていることを付記する。

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