第一話 猫の不法侵入
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「――…よしっ!こんなもんか!」
私は部屋中に広がっていたダンボールを畳み、台所の隅に置いて、部屋を見渡した。
今日の朝に引越して来て、荷物がかなり積まれてた部屋。
今ではかなりすっきりしている。…と思う。
やっぱアパートとなると部屋は小さいね!
まあ、こんくらいが一人暮らしに調度良いっつーか。
「うん!山積みだった荷物や散らかった部屋が綺麗になってるとすっきりするわね!」
私は腰のベルトに掛けていた時計(犬のキーホルダーの腹が時計になってる)を見た。
「あー…もうこんな時間…。もう夜明けだし…。」
どんだけ片付けてたんだ…(汗)
えーっと……片付けは、荷物の運び込みとかが終わって、電話に出て………。
……………昼食食べてすぐに始めたんだっけ?
…で、昼食食べ終えたのが……2時半位だったっけ?
……うん、2時過ぎに食べたんだもん。
…私食べるの遅いし、そん位に食べ終えてもおかしくない。
…………で、今はー、…午前4時26分。
…………………あ、今27分になった。
「……そろそろ4時半じゃーん…。もう寝よっと…。」
私は欠伸を一つ漏らし、顔を洗い、歯を磨き、パジャマに着替えて、布団を敷いて寝転がる。
……………うん、明日ベッド見に行こう。
ベッドで寝た方が落ち着く…。
そう思い、寝返りうち、天井を見上げる状態になった。
………。
って、
「ぬわあぁっ!!!!!???」がばっ
な、何っ!!?
ちょ、何っ!!?
今、え、ちょっ!!??
私が叫び、布団から起き上がった理由。
それは……
「て、天井に何か居た………っ!!」
部屋が暗いからよく見えないケド、なんか黒い物体が天井に……!
「ちょ、で、電気っ!!!」
私は急いで布団から出る。
そして部屋の電気を点けてもう一度天井を見る。
「……………。」
『に、にゃー』
「ああ!なーんだ、ねこさんかー。もう脅かせないでよねえ…」
って、
「いやいやいやいやっ!!!!!おっかしいだろっ!!!??何で天井に猫っ!?つか猫にしちゃデカイって!!絶対猫じゃないって!」
反応するか分からないケド、なんとなく天井に張り付いてるものに対してツッコんだ。
『いいえ、これでも猫なんです。』
つか反応しちゃったよっ!
「猫が喋るわけないでしょっ!」
『僕は別なんです。』
「別な猫なんてあるかいっ!」
『あります。』
冷静に『あります』とか言われるとなあ…。
『…僕が猫だと言う証拠に、ほら。』
と、自分の頭と腰下を指差す。
そこには、
『尻尾と耳です。』
「……そ、そーですね…。」
確かに、ソイツの頭でぴこぴこ動いている双つのソレは猫耳であり、ソイツの尻の少し上でゆらゆらと揺れている長いのは猫の尻尾。
マジで猫なんだな…。
「えーっと……取り敢えず、降りて来てくんない?それ、まるでホラー…。」
『……。』
天井に張り付いていた猫だと言い張るソイツは一つ溜息を零し、トンっと静かに天井から降りた。
本当に静かに、物音なんて殆ど聞こえなさそうなくらいに。
それでようやくソイツの顔を初めて見た。
ソイツの顔を見て私は驚いた。
「…………お、おんな…の子…?」
『そうですが?』
こ、声とか一人称とか、なんか男の子っぽいかな、とか思ってたんだケド…違ったみたいだな…。
「あ、はあ……。って、なーんでアンタみたいな子供が『猫です。子供じゃありません。』………。」
その背丈に顔を見て、アンタを子供と言わずしてなんて呼ぶんだよ。
だからと言って猫だなんて呼べるような姿でもないし…。
……いや、人間とも呼べないんだケド。
「えーっと…、なんでアンタ、私の家の天井に居るんだよ?」
『おじゃましてました。』
おじゃましてました、じゃなくて。
『貴女、名前は?』
「はあ?普通、名前聞く時は自分から名乗らない?」
『僕、主様も居ないんで名前無いんです。』
何、その微妙な設定。
「あっそ。…私は苅澤水夜。」
『なら、カルサワミヨ、僕を此処に置いて頂けまs…
「ふざけるな。」
『なっ!?』
私は言葉を遮り、即答した。
そして私はその無礼な猫の首根っこを掴み、玄関の外に
『うわあっ!!』
放り投げた。
「では、さようなら。」
私はどこか黒い笑顔で、その猫に手を振った。
『な、人間の癖にっ!!』
「うるせ、家探してんなら人ん家に居ないで、不動産屋行け。」ばたんっ!
私は勢い良く扉を閉め、鍵をちゃっかり閉めてドアガードを立てた。
そして部屋に行き、窓の鍵を閉め、カーテンも閉める。
部屋の電気を消し、布団に潜った。
もう、マジふざけんな。
疲れた!何で引越し早々疲れなきゃならないんだ!
………………うん、もう寝よう。
どうせあの子供はもうやっては来ない。
うん。
そう自分に良い聞かせ、眠る。
でも、その考えはかなり甘かった…。
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