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女神の箱庭I =カサナルセカイ=  作者: 山吹十波
第4章 森と王都と蟻の騎士団
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帰り道の遭遇【静音×奏】 -04-01-

4章からやっとまともに話が進行す…ると信じたい。

家から徒歩10分程度のところにある何の面白味もない公立高校からの帰宅。大通りに沿ったアスファルトの歩道を歩いている。現在、冬休み中ということで授業はないのだが、一応籍を置いている文芸部の部長から「君が来ないと部員が半分も集まらないので来てほしい」と懇願されたのでしかたなく行って、そして昼前に帰宅している。

ちなみに姉曰く文芸部員の30%は眼鏡部長目当ての女子で30%が私目当ての男子、30%が私目当ての女子、残りが真の文芸部員らしい。そんな馬鹿な。


「奏ー!」


後ろから声がかかった。この声は姉さん…あれ?部活は?


「姉さん、部活はどうしたの?」


「飽きたから抜けてきた」


「そんな堂々と言われても…」


「だって今日から森攻略するし」


「理由になってないと思う」


「杏理も一緒にサボったし」


「え…アンさんってもしかして」


「うん。杏理だけど?気づいてなかった?」


「いや、初対面にしては距離近いなーとは思ってたけど…。あんなキャラだっけ杏理先輩」


「なんか抑えてたらしい。あっちでは私にもよく抱きついてくるし」


「………」


姉・静音は陸上部短距離エース(本人曰く、長距離とかやってる連中の気がしれないとのことで)。杏理先輩は姉の親友で陸上部のどの種目か忘れたけど、まあとりあえず姉さんと張り合えるぐらいに運動神経は良かったはず。学内人気ランキング3位らしい。1位は姉さんで2位は知らない。


「…水系統ばっかりのパーティーで森とか大丈夫なの?」


「氷はそこそこ効くみたいだからたぶん…虫系統ばっかりだから触りたくないんだよなー」


「姉さん姉さん私、火の中級使えるよ?」


「…私たちが苦労したあのゴーレムを二日目にして倒すとかなんなの?」


「いやあれはスキルに助けられただけだから!それにしてもゲーム進行のスピード遅くない?」


「テスターで行けたのはビリードまでだったらしいし、開始と同時にサーバーパンクしたりして3日動かなかったり、ブレービス洞窟のボス戦のゴブリンが無限増殖しかも経験値なしとかあったし、ゴーレム防御無限とか意味不明な設定になってたし…」


「…なんか大変そうだね」


「まあそれにしても2日はない」


「ちなみ私今LV 30になったとこだけど」


「LV 22だけど今」


「第一陣で一番遅いプレイヤーが今LV 15だったはず」


「…気のせいじゃない?」


「第二陣自称最速のナンパ師がLV 12だったはず」


「…気のせいでしょ」


「まあとにかく…」


静音が玄関のかぎを開けながら話す。


「…おなかすいたからお昼にしましょう」


「………」


一先ず、姉と共に昼食の準備をする。音羽は学食で食べて来るそうなので、2人分を用意すればそれで終わり。


「音羽、いつ帰ってくるんだっけ?」


「4時ぐらいじゃない?最近部活サボり倒してたからなかなか帰してくれなそう、って言ってた」


「そういう姉さんはサボって帰ってきた、と」


「ぐ…、そういえばなんかポストに手紙入ってなかったっけ?」


「差出人はだいたいわかるけど…やっぱりお父さんとお母さんだし」


「で、なんて?」


「お父さんは…アマゾン?」


「国じゃないし…」


「ペルーから送ってきてるから川下りでもしてるんじゃ?」


ええー?と顔をしかめる姉。追伸・おいしいワインを見つけたので送ります…未成年なんだけど?


「父さんはもういいや…。母さんは?」


「アラブ?」


「それ以外の情報は?」


「…姉さん、アラビア語読める?」


なぜかアラビア語で書かれた文面を姉に見せながら言う。


「…気にしないでいいか、もう。さて、お昼も食べたことだし、音羽が返ってくるまで軽くゲームしましょうか」


12/18 訂正

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