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第7話



俺が死んでからかなりの時間が経過した。


死んだ本人がこう言うと変だというのは分かっているがこういう言い方になっているのにはわけがある。


生きていたのだから名乗り出ればいいということになるのだが、飛行船から落とされてから俺はかなり長い間意識を失っていたようで俺が気づいたときにはすべてが終わっていた。


それでも俺としてはどうにかしたかったのだが、どうやっても俺が死んだことは……いや、俺がこの世にいたと証明することができなくなった。


俺のことを嫌うどころか存在すらも消したかったようで、俺の存在を証明するのは外の世界にはなくなってしまった。


そうここは同じ世界でありながら違う場所、流星街なのだから。


ここに捨てられたものはすべて表の世界にはなかったことにされる。


最初俺は死んだことにだけされているのかと思ったら、流星街に入って生きていたものは表に知らされてその存在を抹消されるそうだ。


それを聞かされたとき原作の内容を思い出した。


国際人民データ機構のデータベースで幻影旅団のメンバーのデータがまったく出てこなかったのを思い出した。


だがそれでも俺のデータが抹消されたのはおかしなことだ。


幻影旅団は全員が赤子のころに捨てられたとか流星街で生まれたのなら分かるが、俺は少なくともここに落とされる前は表で存在していたのだから人民データから消えるのはおかしすぎる。


それについて聞くと、この流星街の長老からここの仲間に入ったと連絡があると人民データから抹消されるのだそうだ。


そして、この方法で抹消されたものは二度と人民データにはのせることができないのだそうだ。


正確には同じデータとしてのせることができないようなので、ここの住人は戸籍のようなものがいるような場合はハンター免許証をとるらしい。


原作でもそうなのか知らないが、人民データとハンター免許証での証明は意味が違うらしい。


ハンター免許証は言わば特殊な身分証明書で、普通の法律には縛られない存在という証明らしい。


ハンター免許証をもっていると殺人などの罪が無罪になるのはこれが理由のようだ。


原作でシャルナークがハンター免許証をもっているにもかかわらず人民データになかったのは、ハンター免許証は一種の治外法権を与えられるものだからのようだ。


そのときにここの住民はそんなに簡単にハンター免許証を取れるものなのかと聞いたら、流星街にいるものは外のことについてまったく興味をもたないのでそもそも取ろうと思わないらしい。


ただ、ここの住人は取ろうと思えば取れるものもいるようだ。


なぜそんなに即答できるのかと聞くと、ここはありとあらゆるものを捨てられたせいで、ここで普通に生活していくには強くなければならず、弱いものは死ぬ弱肉強食になっているようだ。


体が弱ければ病原菌や毒物、表以上に異常な進化をした動植物に殺されるようで、ここで生きているということはそれだけで強いことの証明のようだ。


ただ、それにまかせるのは教義に反するようで、弱いもののために流星街スーツを支給しているようだ。


あの漫画のときに身に着けていた宇宙服のようなものだった。


全員が身に着けている理由はは、弱いものだけに着せて仲間はずれにしないように体が丈夫な必要のないものも身に着けているからだそうだ。


必要のない者は二通りなのだそうだ。


命の危険により念能力に目覚めて身を守っているものか、肉体的に異常なほど強くなったものかのどちらかのようだ。


ハンター免許証を取れるのは当然念能力に目覚めたほうかと思ったが違うらしい。


念能力に目覚めているものはハンター試験が通常よりも難しくなるように組まれているらしい。


そうでない場合もあるが中途半端な念能力者や戦闘能力がない念能力者が受験する場合は難しいようだ。


必ずと言っていいほど試験中に念能力者をぶつけられるようで直接戦闘能力が低い場合は受からないらしい。


なぜ原作で念能力者すべてが試験を受けに行かないのかと思ったら、そういう理由があったらしい。


それにいくら流星街でも流星街スーツを必要としないものはごく少数で、その中でもハンター試験に合格出来るものはさらに少ないし、それに興味を持つものはもっと少ないらしい。


ここにいる限りは戸籍もハンターライセンスも意味を持たないからだそうだ。


ここまできてなんで親切に話してくれるのかと疑問に思って聞いてみたら、念能力者でここに来たものにははじめにきちんと説明するらしい。


そうでないと一度暴れだした場合は被害が出てしまうからだそうで、自分たちにも新しい仲間にも被害を出したくないそうだ。


これを聞いて案外ここもまともだなあと思ったが、この後に説明されたことでどうすればいいか分からなかった。


それは主に次のようなものだ。


我等は流星街仲間である……外に価値を感じないのだそうだ。


流星街のものは全員のもの……殺しさえしなければ流星街の仲間同士で盗んでもよいそうで、もちろん盗まれたら仕方ないと許し、許せない場合は盗み返せだそうだ。


流星街のなかでは仲間同士で絶対に殺しあってはならない……さっきの物を盗んでいいみたいに殺しさえしなければいいそうで、外ならばお互いに殺しあうのもいいらしく、行き過ぎた場合には長老会議にかけられるが、今までに死刑が出たことはないそうだ。


仲間が危機に陥っているときはどんな場合でも助ける……例外は仲間同士が争っている場合で、どちらに肩入れするのか何もしないのかは自分で判断していいらしく、仲間意識が強いのでこれを守ってさえいればたいがい何をしても許されるようだ。


本当に外の人間のことをどうでもいいと思っているようだ。


そのせいでいきなり外から来た俺を受け入れようとしているのが納得できなかったので聞いてみた。


かえってきた答えは簡潔だったが納得できた。


それはただ一言『俺たちも捨てられたからだ』だった。


だが、俺は屋敷のみんなには受け入れられているので外で受け入れてくれるものが居ると言ったが、それはすぐに否定された。


それはすぐに納得できないどころか頭が真っ白になって何も考えられなくなるほどの衝撃的なことだったが、うすうす自分でも気づいていたことだった。


俺が意識を取り戻してからまったく取り乱さずにここの住人の事を聞いていたのは現実から逃げ出したからだった。






俺を知るものはもういないということを





それから数日間俺は抜け殻のように何もせずにすごしていたらしい。


らしいというのは、墜落して意識が戻ってから自分で考えないように考えないようにと心の中で思いながらもそのことを考えてしまっていたところに、他人からそのことを聞かされて意識が本当に飛んでいたからだ。


その間は、外から来た人間を収容している病院のようなところで世話をされていたようだ。


流星街にはこういう施設がそこそこあるらしい。


ここに捨てられた人間はほとんど心に傷を負っていて、この病院で一生を過ごすやつがいる、いや、ほとんどこの病院に入れられた場合はまともな意識が戻るのは珍しいらしい。


ここに捨てられたときには本当に命以外のすべ他を失ったことを意味するので、ほとんどが立ち直れないようだ。


その点、赤ん坊のときに捨てられた場合は丈夫でさえいればまともに育つらしい。


ここのまともがどうまともなのか、外の感覚でいる俺にはまだわからないが俺を世話してくれた人自信がそうらしいので、まともと言ってもいいような気がする。


それからの俺はなんでもするから長老のところに連れて行ってほしいと嘆願した。


意識を失っているときに考え付いてそのおかげで現実に意識が戻ってきたので、それについて確かめたかったからなりふり構っていられずにオーラが体から噴出してしまったが、そのおかげかすぐに俺は会うことができた。


俺はそのときどんなけったいな存在が出てくるのか気になっていたが拍子抜けしてしまった。


なぜなら、あの宇宙服みたいな流星街スーツを着ていたからだ。


俺がそれに疑問を持っていることにすぐ気づいたのか、自分たちは着なくても過ごせるが代表としてこれを着ていなければならないと聞かされた。


まあ、俺にとっては本当にどうでもよかったので本題を切り出そうとしたが、何かを言う前に書類が投げ渡された。


俺はいったいなんだろうと思ったら俺が知りたいことが書いてあると言われて、俺はそれを読んだ。


その内容は俺に現実を突きつけた。


本妻はおじい様の名を騙ったことと、電波で俺になぜ殺されることになるかを延々と語ったせいでおじい様の商売相手に感づかれるというへまをしたことで、おじい様に処刑された。


長男は時期当主としての能力を示さないといけないところで、暗殺という手段を用いたので将来なんとしても商売敵に勝たなければいけないときに暗殺という手段を安易に用いると判断されて、時期当主資格なしとされた。


母はそのまま長年の心労がピークに来たことでそのままベットから起き上がることなく亡くなった。


父についてはまったく何も書かれていなかった。


俺が本当に知りたいことは親不孝ながらも俺とずっといて見守ってくれたメイドさんたちのほうだったが、それについては本妻に屋敷を追い出されてから行方不明ということになっていた。


そのことに一縷の望みをかけたかったが、長老たちもその先については調べられないということだった。


俺の家は本来本妻から隠れるために隠されていたから、外に不干渉になっている流星街では調べられないようだ。


俺は何とかして場所を思い出そうとしたが不可能だった。


俺は屋敷から見える範囲でしか地理を知らないし、初めて外に出たのがあの飛行船で窓から外を見るのではなく心を落ち着けるように座禅を組んでいたので、まったく場所が分からない。


それでも俺は外に出て探しに行きたかったがそれを止められてしまった。


何でもするといったからそのせいかと思ったがそうではなかったようだ。


流星街から外に出るのは簡単ではないようだ。


人種隔離政策の名残なのか深い谷や森があって、その上にいろんなごみのせいで生態系が崩れてとんでもない動植物のせいで出て行けないそうだ。


出て行くには飛行船で出て行かないといけないと言われて、それで行きたいと思った瞬間俺は意識を失った。


俺は再び病院で目を覚まし、どうなったのかをたずねるとまた意識を失ったようだ。


それでも長老にお願いしたいと再び頼んでみると、俺の世話をしてくれた人から驚きの事実を聞かされた。


この間目がさめたときに長老に合えたことや俺のほしい情報をすぐに準備できたのは理由があった。


確かに、いくら仲間思いが強いと言っても長老にすぐ会えたこと、俺が知りたい情報がすぐに渡されてことは変だと思っていたが、本当はまったく変ではなかった。


普通は長老だから俺のよう浅い考えを持っている人間のほしい情報を先回りで調べておけたとか、俺が念能力者なので危険だからすぐに会えたとか考えていたが、それをあざ笑うかのような真実だった。


俺がこうやって駄々をこねるのはもう数えるのが馬鹿らしいほどの回数だったからだ。


俺は屋敷についての最悪の報告や飛行船に乗らなければいけないなどの話を聞くたびに気を失って記憶を飛ばしていたのだそうだ。


念能力者について詳しく丁寧に説明するというのは、俺が来てから追加されたことだと聞かされた。


人が死んだりなどの人的被害はなかったが、建物やらなんやらにかなりの被害を出したらしい。


このとき初めて聞かされたのだが俺は墜落しながら『発』をしていたようで墜落したときにはかなり目立っていたそうだ。


そのときは念能力の発動範囲に入らないように遠くから見ていたようだが、俺の体はぼろぼろでかろうじて胴体と頭が無事で腕やら足やらは絶望的だったようだが、見る見るうちに修復されていったらしい。


それと同時に発動範囲内のものはなくなっていったようだ。


本来ならこれだけのことをすれば排除対象になるのだが、俺が子供で明らかに捨てられたのが分かったので、優秀そうな念能力者は有効利用をしようということで俺は発動が終わってから回収された。


それからは風角外から来た人間動揺に目を覚まさなず覚ましても抜け殻だったようだが、それも一年以上もたてばほかの行動が出てきて、悪夢で暴れたり怖がったりをいくらか繰り返して正気を取り戻したときに俺について話し合ったが、外の最悪な情報や飛行船の話が出るたびに意識を飛ばしていたので対処に慣れていたようだ。


そして、とうとう意識を失っても意識を失う前のことを覚えていられるようになったようだ。


俺としてはすべてが絶望的な話だったが、それでも外に行きたいと望んだが不可能だった。


俺がかなり強い念能力者になるようなので優遇して流星街の端まで連れてきてもらったが、そこから先に外に一歩も踏み出すことができなかった。


心を扱う念能力者が俺のことも調べてくれたが、俺の念能力は何かしら特殊な条件があると分かっただけだった。


外や飛行船の恐怖でトラウマにもなっていたが、流星街から出られないのは俺の念能力の条件になっているのではないかと判断された。


俺のトラウマの程度は飛行船に乗ったらかなり体調を崩すが体をまったく動かせないというほどではないらしい。


俺はその診断が間違っていると思ったが、長年流星街に捨てられた人間の心のケアをしていて目覚めた念能力らしいので、俺が納得いかないだけでほかの者たいは全面的に信用しているようだ。


俺は納得できないが飛行船には乗れず徒歩でも出ることができない事実は変わらずにあるので、自分の念能力の把握に努める以外に方法はなかった。


何が理由にあるかは分からないが、トラウマならば俺が恐怖に打ち勝てるほど強くならなければならないし、自分の念能力のせいならきちんと扱えるようになるべきだ。


俺としては現実からの逃避だとは分かっているのだが、長老たちの念能力でこの街から出られないようになっていると考えたいが、これはほぼないだろう。


いくら将来有望だと考えられていてもそこまでするほどではないはずだ。


それでも俺はこれが理由だと思って修行することにする。


長老たちの念能力を破ってあの屋敷に帰るために。


必ず帰ると約束したのに、本当に何よりも果たさなければならない約束なのに、怖がって自分を傷つけないところに引きこもろうとしている自分から目をそらせるために。





読者の皆さん作者のディズです。

勘のいい人なら前回の引きでどこに落ちたか分かったかもしれませんね。
これから主人公はかなり便利な能力に目覚めていきます。
しかし、その便利な能力も元引きこもりでは……

これからもよろしくお願いします。


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