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第5話



段々と当主を決める日が近づいてきました。


いきなりこんなことを言われても困るとは思いますが、本当に思い返すとあっという間な感じがします。


ほとんどの思い出がメイドさんと一緒にいた思い出で、少し母との思い出があって、父との思い出はほとんどというかまったくといっていいほどありません。


母や屋敷のメイドさんを守るためといっても向こうの奥さんのご機嫌取りばかりではだめな気がします。


母はそれでも愛しているようなのでいいのですが、屋敷のメイドさんたちの評判がすこぶる悪くなっています。


最初のころは父が母のためにどれだけがんばっているかをよく聞かされていたのですが、まあ、父と母のなりそめなんぞ聞いても面白くもなんともないので聞き流していたんですが、近頃父に対してメイドさんたちは厳しいことばかり言っています。


メイドさんたちにとっては父と母のとばっちりで屋敷に閉じ込められているようなものなので不満も当然でしょうが、屋敷の中の雰囲気をよくする為にまだ10歳にもなっていない子供が父の弁解をするのは間違っていると思います。


そんな歳の子供にフォローしてもらわないといけないという時点でだめ父なきがしますが、お話の主人公みたいに愛するもののためにがんばるとかかっこいいというかあこがれるので、面倒ではありますが母が居心地悪くなったり悲しまないようにメイドさんの評判を取り戻したり、ほとんど会えなくても自分のためにがんばっている父のことは尊敬するしすごいと思っていると毎日のように言うのも苦にはなっていません。


それどころか俺がそういうことを言うたびにメイドさんたちが抱きしめてくれたり慰めてくれたりするので、俺としては本気で父親万歳です。


俺をこの世界に飛ばしてくれた死にたくないという頼みを聞いてくれた良い神や死にたくないという頼みを聞いていながらこんな死亡率の高い世界につれてきた悪い神とかよりも、父親大明神とか奉りたい気分です。


母は少し寂しそうにしているので父が時期当主候補と打ち合わせがあるとか何とか理由をつけて俺とは連絡を取れるようにがんばっているから、その連絡があるたびに母を同席してというか俺は父とはせいぜい挨拶しかせずに、残り時間をすべて母に譲っている。


最初は父も母も遠慮していたが、挨拶が済むとすぐに母を気遣ってくださいと言った後は、父がいくら話しかけても勉強したり運動したり、暇なメイドさんがいれば勝手に連れてきて相手をしてもらったりして、残り時間を全部無視していたら何度目かの後にやっと母と話すようになった。


ただでさえ恋敵のところにずっといて、こっちにはまったく来れないのだから連絡が取れるときぐらいは母と連絡しろってんだ。


まあ、連絡の名目が時期当主候補である俺との会話なんだから仕方ないかもしれないが、最初の連絡のときはびっくりしたよ母が一緒に着たら追い出したからな。


まともに顔を見たのは初めてに近かったが美形だがどことなく生真面目そうで融通が利かない顔をしていたので、ああこりゃあ仕方ないかなと思った。


でも、俺としてはその会話が結局俺やその周辺の近況を聞くだけなので、無駄にしか感じなかった。


間違っても父のことが嫌いなわけじゃないぞ。


勉強や運動に必要なものは言えばいつでも用立ててくれるし、飯も素材が何かを気にしなければうまい飯だし、前に素材がどんなのか見せてもらったが現代日本人の感覚ではあれはゲテモノ以外の何物でもない姿をしていたので二度と聞かないことにしているが、俺が怖がるのを面白がってたまにメイドさんにいたずらされたりするので時には本気で逃げるが、メイドさんにいじられるならいいかなって気がするし、ぶっちゃけて毎日メイドさんに世話してもらっていて不満が出るわけがない。


将来は不安がありすぎるが、今現在は天国に等しいというか天国よりも最高な状態なので、父を嫌いになるどころかこんな生活をさせてくれて感謝感激だ。


普通の子供なら親の愛情が感じられないとか、無理難題を言って親の愛情を試すところだが、前世のおかげである程度大人な俺はこれほどの生活をさせてくれているんだから父親の愛情を疑うとか、ぶっちゃけて父親の愛情は感じられなくても、メイドさんにお世話してもらってるだけでもうほかの事はどうでもいい。


その上ここはハンター×ハンターの世界のおかげで、念能力という男なら誰もが一度はやったヒーローの決めポーズやら必殺技を実現できる世界である。


まあ、系統によってはできないことがあるだろうが、将来死ぬかもしれないということ以外まったく不満なんてないので父とテレビ電話越しにしか話したことがなくても不満はないのである。


それに父にはほかにも感謝していることがあるんだ。


それは母についても同様かもしれないが、この二人の子供であるおかげで容姿がかなりいけているのだ。


なんたって髪の色が根元のほうは朱色で途中から金色に変化している。


どういう原理か知らないが、髪の長さに応じて配色が変わるというびっくり現象で、肩までないぐらいのときは大体半々ぐらいの割合で、肩以上の長さに伸ばすと肩まで朱色でそれから先が金色になっている。


どこかの主人公のような派手さがいい気がする。


瞳の色は前世の日本人ではありえないような空色だ。


ほかのパーツも整っていてこのまま大人になれば絶対もてる顔だ。


将来は兄弟やキメラアントなど死ぬことを回避することしか考えていなかったが、もしもそれをどうにかできたあかつきには最高の将来が待っているはずだ。


特に当主になれば金がたくさん手に入るし、キメラアントに殺されない程度の念能力者になっていれば力もあるということだ。


顔もよくて金があって力もあるなら、ちょっとぐらい性格があれでももてるはずだ。


性格については引きこもりをどうにかするついでにどうにかしたいと常々考えていたのだが、どうやっても引きこもりの未来しかないことに気づいた。


もうすぐ当主になるための審査があるのだが俺は今まで屋敷にいる人間以外と会ったことがないし、屋敷の外にいる人間で話したことがあるのは父以外にいないのである。


最初は他人であるメイドさんとこれだけ話せるから大丈夫だとか思っていたが、寝食をともにしている人とまともに話ができるとか当然のことだし、あらためて気づいたがぜんぜんまったくどうしようもないほど対人経験が足りない。


対人経験を増やそうと思ってもこの生活で知らない人とか外部の人とかと接触をとるなど自殺行為だし、かといって電話で話したって自分のテリトリーから出た状態のときの対人経験が必要なんだから多少の効果はあっても、俺の前世からの引きこもり具合から考えると文字通り焼け石に水だ。


それでもどうにかならないかと思ってぬいぐるみやら人形やらで練習していたら、メイドさんに見つかってずっとからかわれ続けている。


あのときの衝撃は今でも鮮明に覚えている。


それからは開き直って前世やら何やらの人には聞かせられない愚痴をぬいぐるみや人形にこぼすようになった。


まだ夜になると死の悪夢を見るが兄弟に殺されるほうは見なくなった。


勉強のほうは十分に修めたといえるほど自信がついたからだ。


向こうのレベルがどれぐらいかは知らされないが、明らかに前世の俺より頭がよくなっているからだ。


俺は前世の自分の頭がいいとは当然思っていないが、大学に入れる程度には勉強ができたし、覚えることについては同じ土俵からだが、やる気やほかの事については絶対に俺のほうが先にいっているはずなのだし、相手が天才少年とかでもない限りは大丈夫だと思っている。


相手の子供が天才やそれなりにできるのならこっちを暗殺しようなどと考えずに当主を決めるときの試験で勝てばいいのだから、相手は普通の子供だと思っている。


これだけでは確信できなかったが、父と話している母が最初のころは気落ちしていたが、このごろはずいぶんと笑顔が見られるようになった。


そこから父が判断した限りでは俺の頭で余裕で勝てると考えていると判断した。


それでも油断せずに勉強を続けている。


もう油断とかそういうのじゃなくて勉強するのが楽しみになってきている。


ものを覚えることとか前世のころから面倒だと思っていたのだが、この世界の覚えないといけないことはゲームの内容を覚えるようなものだと気づいたのだ。


みんなも教科書を一回読んだだけだとほとんど覚えられないが、ゲームの内容なら一度やっただけでも大体おぼえられた経験があるはずだ。


もしもその感覚が理解できなかったら安心してほしい、それはあなたがおたくになりかかっていない証拠だ。


きっと、現実世界で充実した生き方ができるはずだ。


この世界はハンター×ハンターの世界なので勉強をしていてもたまにゲームの内容を覚えているような面白い内容があるんだ。


そのおかげでまじめな勉強がいやになってきたら、そういうファンタジーの内容としか思えないものを勉強をすればあきもせずに勉強を続けられて、全部ではないが勉強が好きになれる。


運動のほうもやればやるほどありえないほど超人的な行動ができるようになるので飽きるわけがない。


片手腕立ては当然のようにできるし、最近は指立て伏せもできるようになった。


バク転も連続で何回でもできて、前世のオリンピックで見た技なら練習すればどれでもできそうだ。


さすがにその技をうまく演技に取り入れてとかはセンスの問題でできないかもしれないが、脅威の運動能力をもってしまった。


主人公たちのように週単位で強くはならなかったが、年単位でなら確実に超人的運動能力を手に入れられる程度の才能があったようだ。


前世で考えるとこの才能は人間を超えてモンスターレベルだが、この世界では探せばいる程度のレベルらしい。


俺のような年齢でこれは珍しいそうだが、絶対にいないレベルではないらしい。


メイドさんにほめられて全力で動き回るという失態を犯したが、怖がられるどころか少ししか驚かれなかった。


まったくもって死亡率が高いのがわかる世界だ。


体を鍛えれば本当に天井知らずに強くなれるせいで、そういうのが暴れたら一般人は死ぬしかない。


一般人でも鍛えれば強くなれるだろうが、体を鍛えるという発想がほとんどないらしい。


原作でもヒソカに合格を言い渡されたレオリオの強さが微妙だった用に、一般人は命がけの世界ではなく現実世界の日本のように普通に生きているようだ。


実際に魔獣やら念能力者などの一般人対処不能が暴れた場合はハンターが処理するらしいので、一般人は一般人らしい。


俺も気をつけていないとメイドさんを怪我させてしまいそうになっている。


特に念については十分な配慮をしているつもりだ。


さすがにメイドさんを付き合わせるわけにはいかないので隠れてできることしかやっていない。


纏は朝起きたら今でも勝手に解けてしまっているのでやり直し、前は一時間ぐらいかかっていたがこのごろは数分もあれば出来るようになっている。


絶はたまに屋敷に入ってくる鳥に近づいても逃げられなくなったので合格としている。


練はやっとコツがつかめたのか練ったオーラを纏でとどめられるようになった。


この後はすぐに凝に行くつもりだったのだが、なんとなく堅をやってみたが3分も出来た。


カップ麺かよとか思ったがいきなりにしては主人公組みと同じで才能があるとか思ったけど、毎日とは言わないが練を使うたびにオーラを使い果たしておかげだと気づいた。


才能がないせいで得することもあるのだと知ったが、いいことなので気にも留めていなかったがやはり才能がないせいか10分の壁を越えられない。


凝は目にオーラを集中させる訓練を何日もしていて、やっと目にオーラが集まったと思ったが見るものがなかった。


これも絶といっしょで確認のとりようがなかった。


ただ、絶をしていると疲れがとれやすいような気がするし、凝をすると目がよくなったようなきがするので出来てることにした。


ここで問題になってくるのはここまでの場合だと傍から見ても何をしているかわからず別によかったが、発の訓練の水見式は見られたら気づかれてしまう。


隠れて訓練しているが、それは近くにメイドさんがいなくて俺がぶつぶつ何かを言ってても聞かれない程度に隠れているというのであって、屋敷の中にいる限りは常に誰かが俺を見ている。


当たり前だが俺は現在命を狙われているので監視されている。


そのせいで発の訓練はまったく出来ていない。


操作系の葉っぱが動く程度や変化系の水の味が変わる程度なら、風で勝手に動いたとか飲んで確認されない限り気づかれないが、ほかの変化が起こったら確実に気づかれるので応用技についてやっている。


纏の応用技である周は庭にある砂場でスコップを使って練習している。


今のところスコップでも赤ん坊用のちびスコップでしか無理だが将来的には普通のスコップでも出来るようになりたい。


絶の応用技である隠は絶と同様に確認のとりようがないのでまったく練習していない。


凝の応用技である流は練がなかなか進まなかったので、増幅していないオーラを体の各所に集中する訓練をしている。


少ないオーラでやっているのでそこそこ自由に体の各所に集めることが出来るようになった。


練が出来るようになってからやってみると、やはり体にオーラをとどめるのが苦手なのかオーラが少ないときにやっていたときに比べて、格段に動作が遅く集めていられる時間も短い。


一番やってみたかった円は昔の練をやったときみたいにオーラが一気になくなってしまった。


結論として俺には念の才能はないことがここ最近よくわかったので、寝てしまうとどうしても解けてしまう纏は起きている間中はどんなことがあっても維持して、余裕があれば練の練習、そして、オーラ量が多ければどうにかなるだろうと夜中寝る前にオーラを全部使い切るようにしている。


主人公のように月単位や週単位、ましてや日単位ではなく年単位で強くなることにした。


それでも堅の維持時間が10分を超えない現状を考えると、キメラアントとの戦いはしないことを前提に考えるべきだ。


女王がまだ人を食って兵隊を増やさないうちならハンターに頼めば駆除できるはずだ。


問題はその事実を信じてもらうことだが、信じてもらうことはほぼ間違いなく不可能だ。


そんな規格外の存在を信じてもらえるのなら、もっと早くネテロ会長の駆除部隊が来ていたはずだ。


あの三人なら親衛隊さえ生まれる前ならどうにでもできたはずだ。


だからここは将来金持ちになることを利用して、個人契約のハンターでも雇えばいい。


あのグリードアイランドを攻略するためにがんばってたあの……なんとかという大富豪みたいにお金で雇われてくれるツェ……なんとかというハンターみたいなのを雇えばいい。


可能な限り原作のことを覚えていようと思っているが名前までは無理だ。


ゾルディック家のようにイルミ、ミルキ、キルア、アルカ、カルトと覚えやすいのは覚えているんだが、グリードアイランド以降の名前はほとんど覚えていないから困ったものだ。


まあ、名前なんて主要キャラだけ覚えておけば死ぬことだけはないので今は気にしても仕方ない。


実際に見つけられるかどうかはわからないが、たとえ見つけられずともハンターを雇っておけば念を教えてもらったり、キメラアントに殺されないようにしてもらうことはできるはずだ。


できれば主人公組みとかとつながりがほしい気がするが、そうするとあのゾルディックと関係をもつことになりそうだ。


あの時は確かヒソカがゴンを気に入っていたからイルミに殺されなかったが、念を覚えていない状態で、その上にキルア以上の戦闘能力がありそうなイルミに狙われれば確実に主人公組みは負けていた、いや、殺されていたに違いない。


父親がなぜか生かしておいたようだけど、ハンター試験のころから関係を作っておかないと怪しい人認定されるに決まっている。


俺の対人能力のなさを考えると勘のいい主人公組みの誰かに違和感を覚えられる。


知っているのに知らないふりとか、クラピカやキルアの洞察力、ゴンの野生の勘をどうにかできるとは思えない。


それでも俺を仲間だと思ってくれればいいが、それができなければ大切な弟に近づいた怪しいやつ、おいしそうな青い果実に群がる邪魔者として絶対に処分される。


どこぞのオリ主みたいに人と仲良くなれるスキルがほしい。


まあいいや、今は来る当主決めの日に備えて精進あるのみだ。


がんばれ俺メイドさんとの日々が待っているぞ!








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