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第39話

再起不能になった転生者は、試合をしていたところにキルアに背後から襲われたストアだ。


もう一人はあの問題児のグレアだった。


それをやったのは俺の想像外の人物だった。


シンクレラがオーラを全開で殴りつけたのだ。


受験者どころか立会人のハンターさえ怯えるようなオーラがほとばしっていた。


四次試験の島の中で何かがあったようで、詳しく聞かなかったことが悔やまれたが、殴りつけて瀕死の重傷を負わせてから、シンクレラは負けの宣言を自分でした。


たった一撃で人を瀕死の重傷に追いやったメイドをみんなが眺めていた。


その後、かけつけた医療チームに瀕死のグレアを任せて、そのまま試験は続行された。


殺してはいないのでシンクレラはその後も試合を続行できたが、周りの受験者からすごい目で見られていた。


メイドさんなのになんであんなに強いのという視線だった。


メンチもあんなに激昂したシンクレラははじめて見たのか、びっくりしていた。


ヒソカがうれしそうに眺めていたのが、印象に残った。


なぜあそこまで激昂したのか知りたかったが、絶対に話してはくれなかった。


俺としてもグレアは嫌いなタイプなので問題は感じなかったが、ストアやカインと仲良くするのは完全に無理になっただろう。


ストアやカインは転生者で集まって作った組織の人間らしく、ソラリアとグレア、そして、トワリエラとシンクレラを組織に誘っていた。


何も知らなければトワリエラとシンクレラは転生者に見えるだろう。


だが、転生者仲間であるグレアが何をしたにせよ、死なせるつもりがなくてもあれほどの攻撃を転生者仲間にするようなものは、組織にはいれないだろう。


たとえ、今回の試験でヒソカに殺されたりして、人数が減っていたとしても。


キルアに後ろから攻撃されたストアは念能力者だから何とか生きていたが、背骨が二度と治らないそうだ。


グレアも同じようなレベルの怪我でキルアだけが失格になったのは、明らかに他人の試合を妨害したことと、試合中であればどのような怪我をさせても死なせさえしなければ問題がないルールだったので、受験者に同じ怪我を負わせてもキルアだけが失格になった。


クラピカとソラリアの試合は、ソラリアとヒソカを戦わせるのは気の毒と考えたクラピカが譲った。


ソラリアが涙を流してクラピカに感謝をしていたのが、微妙な感じで印象的だった。


ヒソカとパクノダはなかなか動かなかったが、ヒソカが俺のほうを見ると棄権した。


ポックルとポンズは戦闘能力はポックルが上で、あっさり試合が終わった。


ポンズは薬を使った待ち伏せなどの罠をはるのが得意らしいので、直接戦闘は苦手なようだ。


ゴンとハンゾーは原作どおりで、ジンの息子だと改めてわかった。


ハンゾーとポンズは試合開始直後にハンゾーが女だからチャンスをやる棄権しろと殺気をこめて睨みつけると、ポンズは女だからなめられているという言葉が納得できなかったようだが、悔しそうにしぶしぶ棄権した。


キルアとトワリエラの試合は、俺の予想を裏切って戦いがはじまった。


もちろん、トワリエラはキルアの攻撃をすべてかわしていた。


しかし、自分の攻撃をすべてかわし続けているトワリエラに対して、キルアはいらだって本気を出そうとしたときに、トワリエラが練を少しやって見せるとすぐに試合をやめた。


捨て台詞は、女を本気で殴るわけにはいかないからなだったが、キルアからは冷や汗が流れていた。


きちんと自分と相手の力量の差を感じてやめたようだ。


原作同様に、針が確実に頭に刺さっているのだろう。


その後のポンズ戦はキルアが面白くなさそうだからという理由で棄権したが、おそらくさっきの戦闘のせいで今戦えば相手を殺してしまう精神状態だったから、それを沈める冷却期間が欲しかったのだろう。


ギタラクルとマチは、マチがすごく戦いたそうにしていたが、キルアをどうにかするほうが優先だったのか、試合開始直後にすぐにギタラクルが棄権した。


マチはすごい納得がいかない顔をしていた。


俺もマチとギタラクルの戦いは見てみたかったが、危険なことはして欲しくないので、他の受験者に見つからないように絶をしながら駄目というブロックサインをしていたら、糸が伸びてきてボンレスハムにされた。


内臓が出るかと思った。




残りの試合は原作通りにヒソカがクラピカにささやき、ヒソカはシンクレラがグレアを再起不能にしたのが俺が約束を守っていると感じたのか、勝ちを譲ってくれた。


絶をしているにもかかわらず、なぜか俺のほうを向いて笑顔を見せるのはやめて欲しい。


俺と敵対しないというアピールなのだろうが、俺と戦いたいと言っているように見えて寒気がする。


ヒソカとレオリオの戦いは一方的にレオリオが殴り飛ばされるだけだったが、それでもなおレオリオの目は死んでいなかったので、ヒソカが本当にうれしそうに目を細めて、気絶させて自分は負けを宣言した。


レオリオは弱そうに見えるが、ヒソカは何かを感じ取っているようだ。


確かに、ゴンほどではないがあの負けん気の強さはすごかった。


その試合結果を見て、転生者であるストアは本当に顔色が悪そうにしていた。


当然だろう。


これでヒソカと戦わなければならなくなったのだから。


見ていて哀れなほどの顔色だった。


そのストアに近づいて簡単に棄権したら許さないよとささやいて、ストアの顔色をより悪くしていた。


そして、ヒソカとの戦闘に気がいくあまりキルアのことを忘れていた。


俺はカインがキルアの生贄になるかと思っていたのだが、そうはならなかった。


ギタラクルがキルアは試合を棄権すると言ったのだ。


キルアもうなずいて同意していた。


どうしてだろうかと思った。


試合中にカインを殺せば早いだろうにと思ったら、カインのキルアの試合放棄とともに安堵に腰を抜かしたのを見て、理解した。


このまま、試合開始の合図までにキルアが棄権しなければ、逆にカインが棄権していただろう。


そうすると、キルアはハンター試験に合格してしまうから、ギタラクルにとっては棄権させないといけなかったんだろう。


キルアがハンター試験に合格しないことが、第一だったのだろう。


だから、俺もこのままいくとグレアの被害だけで、シンクレラがしたので俺が言っていいとは思えないが、一人の被害で済みそうだと思った。


ストアのほうは、ヒソカとの戦いだけでいっぱいいっぱいだったようで、見ているこっちにもどんな心境か分かるほどあわれだった。


しかし、絶対に忘れてはいけなかったのだろう。


キルアが暴走することを。


試合がはじまると同時にキルアは飛び掛った。


ストアがとっさにオーラで防御できたのは俺でも驚きのすごさだったが、結果は背骨をへし折られた状態で生きているのが奇跡の状態だ。


不合格者はキルアだけだが、ハンターライセンスをもらってもグレアとストアの二人は使えないだろう。


今期のハンター試験合格者は、ゴン、クラピカ、レオリオ、ギタラクルあらためイルミ、ヒソカ、ハンゾー、ポックルの7人の原作組み。


トワリエラ、シンクレラ、パクノダ、マチの俺の関係者4人と、転生者のソラリアとオマケのポンズ。


そして、再起不能になってしまったグレア、ストア、そして、カインの敵対することになってしまった組織を作っている転生者だ。


合格者全部で16名という多さだった。


原作との乖離は最小限だと思いたいが、微妙なところだろう。


だが、完璧に原作どおりだったのは確認できた。


それはゴンのことだ。


ゴンの何かが変わっていたらどうにもならないと見ていたが、ゴンを見ていると原作を思い出すのではなくてジンを思い出す。


すべての行動がジンを感じさせる。


俺はそのゴンを見ていると多少違う結果になっても、大丈夫だと感じている。


なぜなら、ゴンがジンに似ているのなら誰にもどうにも出来ないだろう。


今回の試験でもまっすぐ突き進むのは十分に分かった。


よほど転生者が無茶な介入をしなければ、俺が言えた義理ではないが、ゴンを中心としてこの世界は回っていくだろう。


それが何より分かった。


なんだかんだ心配したが、すべての条件を整えられた完璧な結果だった。


探していた転生者を見つけることが出来たうえに、転生者が集まって組織を作っているということが分かった。


残念ながらその組織にシンクレラが警戒される対象にされたが、シンクレラを敵視するやつらなんかと仲良くなるつもりは、俺にはかけらほどもないのでかまわない。


俺の味方になった転生者はソラリアただ一人だが、クラピカの親戚で命の恩人というという最高の立場の人物と知り合えたので、十分だろう。


問題はグレアを再起不能にしてしまったことだが、シンクレラがクラピカにソラリアと一緒にそのことを話すと、グレアのことは残念だが女性をあそこまで怒らせることをしたグレアに問題があるし、ハンター試験中に人死にがあるのは当然で、死ななかっただけでも幸運だと許してくれた。


ソラリアがグレアがシンクレラにどんなことを試験中に言ったかを話すと、一族の恥ですと言って、そのまま、グレアを殺しに行きそうになったそうだ。


俺もグレアがシンクレラに何を言ったか気になったので教えて欲しいと言ったら、俺には絶対に教えられないことだそうだ。


俺はそのままゾルディックに殺しの依頼をしようとしたら止められたので、直接イルミに接触しようとしたら屋敷に引きずりこまれて説教された。


これ以上ややこしくしないようにと。




それからはみんなばらけてそれぞれ休みを取った。


トワリエラたちはもちろん俺の屋敷に入って回復に努めた。


パクノダとマチは他のメイドさんに世話をしてもらって体を休めている。


俺は特に何もしていないが、ひどく疲れたので俺も休んだ。


最後の試合が気になっていた。


おそらく、キルアをけしかけたのはイルミだが、望んだのはヒソカだろう。


ヒソカは、キルアが試合相手を殺しにくることを転生者が知っているから、カインを狙わせたりはしなかったのだろう。


あのとき、もしも、キルアが試合放棄をしなかったらカインが試合放棄をしていた。


そのことを、確実に知っていたのはヒソカだけだ。


ヒソカがキルアを絶対に合格させないために、ストアを殺させたのだろう。


まあ、ストアがあの動きに反応したのは俺も驚いたが、火事場の馬鹿力だと思っている。


いろいろと俺は後手に回るしかなかったが、何かもっとできたのではとか考えてしまう。


結果は、俺の大切な人は誰も怪我をしないで、原作どおりの人たちも合格した。


何度やり直しても、これ以上ない最高と言えるような状況なのに、余計なことを考えてしまう。


起きていると余計なことを考えてしまうので、さっさと寝ることにした。


屋敷の住人が全員一部屋で寝られるような部屋も作っているので、そこで寝た。


いつもなら夜更かしをすることになるのだが、今日はみんなでそのまま寝た。


何もせずともみんなで一緒に寝られるというのは、本当に心が安らかになれる。




次の日は原作通りにキルアのことが問題になったがそれ以外のことについては何も問題が起こらなかった。


問題はゾルディック家に行くメンバーだ。


五体満足でハンターになれた転生者については、逃げるようにその場を後にしたので考えることがひとつ減ってよかったと考えていたが、他の問題が出てきた。


ゴン、クラピカ、レオリオが行くことになるのは当然だが、もちろんソラリアも行くことになるので、ここでポンズが試験のときに手伝ってくれた礼だと言って、ついていくことになって大慌てだ。


そうなるとポックルも行かなければならず、そうなると話の流れ的にトワリエラたちも行かなければいけなくなった。


トワリエラたちは、ソラリアにポンズもポックルも任せて、師匠のハンターに報告に行かないといけないからとか言えば抜け出せるが、ソラリアからの救援で4人もついていくことになってしまった。


そうなると、俺が配下をゾルディックに攻め込ませていると勘違いされないために、俺はイルミと話し合うことになった。


俺たちはゾルディックに行くが無理やりキルアを連れ出すことはしないと誓った。


原作ではどういう理由かは分からないが親のシルバが認めてくれたので、勝手に連れ出すことにはならないはずだ。


ついでに、キルアを説得したいのならこのDVDを見せるといいかもしれないと言って、渡しておいた。


将来、キルアが家のことをどうするかと考えたときに参考にさせるために。


おそらくイルミ的にはDVDの内容と自分の職業の差が分からないだろうが、きっとゼノさんは理解を示してくれるだろう。


俺もキルアが家業を継ぐか継がないかはどうでもいいが、少しでも何かをしておかないとまずそうだからしているだけだ。


それから俺はヒソカにくれぐれもよろしくといういつもの笑顔を、もう見慣れてしまったと感じてしまう笑顔で見送られた。


あの笑顔を見慣れてしまったと感じる自分の感性に絶望を感じながら変装をした。


変装といっても全身がすっぽり覆えるローブを羽織るだけだ。


公的には、俺の年齢はもうじいさんまでいってるのに、いつまでも若いままでは怪しまれるので、公に姿を見せるときは、体がぜんぜん見えないローブを羽織ることにしている。


ゾルディック行きは試験中ハンターの弟子として参加している(4人ともが仲間なもっともな理由として考えていた)と言った手前、許可をもらわずに同行するのは変なので、試験後に落ち合うことにしているとして、ここで合流という手筈だ。




そして、俺は廊下で挨拶をしようと思ったら襲われた。


とっさに迎撃しないようにしたので、後はされるがままだった。


ポンズとポックルによって腕が外れそうなほど振られて握手させられている。


何事かと思ったら二人とも幻獣ハンター志望なのだそうだ。


そういえば、俺は幻獣ハンターの代表の一人だと思い出した。


こんな廊下のど真ん中で俺の過去の偉業を紹介している。


他のみんなが知らないことに腹を立てて叫んでいる


ハンターについて有名どころは把握してきたのか、クラピカもレオリオもハンゾーも俺がその人だと知って握手を求めてきた。


そして、尊敬するような目で見られた。


ローブがあってよかった。


なかったら、俺が滝のように冷や汗を流しているのを見られるところだった。


それから、ゴンも俺を思いっきり見ていた。


俺がダブルハンターだと自慢げにポックルが言っていたので、ジンのことを聞きたそうにしているのだろう。


俺に任せていたら埒が明かないとシンクレラが気を聞かせてくれて話が進んだが、どうなってこうなったのか、なぜか俺までパドキア共和国に居る。


メンバーはゴン、クラピカ、レオリオの当たり前に居るはずの人たち、クラピカについていくのは当然のソラリア、そのソラリアを手伝うためのポンズとポックル、原作外の人員に目を光らせるためにトワリエラ、シンクレラ、パクノダ、マチ、俺で、なぜかここに居るハンゾーの大所帯だ。


ハンゾーは俺がハンターの中でも少ないダブルハンターだというので、せっかく会うことが出来た縁を大事にするために付き合ってくれた。


あの子供ガキも心配だったしよ、と忍者にあるまじき優しさを披露してくれたが、余計なお世話だというのが俺の意見だ。


ちなみに、俺はもうローブは着ていない。


ゴンが俺にジンのことを聞いたときに知っているではなくて、知り合いだと言ったのがまずかったのか腕の骨が折れているにもかかわらず、すごい力で引っ張られて破かれてしまった。


俺の予想以上、というか公式記録ではありえない若さにその場にいた全員が驚いていた。


よく俺は覚えていないが70、80あたりにはなるはずだ。


若さを保つ秘訣はとポンズがとんでもなく俺に付きまとってくる。


俺が目指すハンターなうえに女の一生の憧れの若さを保つ秘訣まで持っているので、移動の間中俺の腕にくっついている。


最初はゴンとクラピカを除いた男性陣にすごいうらやましそうな目で見られていた。


レオリオにはさすがハンターだ、世界一金が儲けられるだけではなく、女にもてるとは最高の職業だぜと笑っていた。


しかし、それもしばらくの間だけだった。


当然俺の横を取られたトワリエラ、シンクレラ、パクノダ、ついでにマチもいい気分ではなく、さっきからオーラがもれている。


男性陣はその迫力に顔を青褪めさせているが、ポンズは分かっているのか分からないのか私体調が悪いのかな寒気がしますと、さらに密着してきてシトンマーサ様暖かいですと言っている。


俺はもちろん毅然とした態度で。




相手が出来るわけがなく鼻の下を伸ばしまくっている。


みんなの嫉妬の視線を感じるのが、俺のことを思ってくれてのことなので俺はうれしくてしょうがない。


俺がポンズの相手をするたびに、その視線は強くなって俺はうれしい。


しかし、俺は気がついてしまった。


やりすぎたと。


俺に直接向いているので他の男性陣は青褪めて震えるだけですんでいるが、もしも、直接この殺気をぶつけられたら、オーラが使えない者では心臓が弱くなくても止まってしまうレベルだ。


俺はポンズに笑いかけながら自分の失敗を後悔したが、後悔先に立たず、俺にはもうどうしようもなかった。


いつもは、夜が来て屋敷に行くのが楽しみだったが、今は夜が来るのが怖い。


どうすれば許してもらえるだろうかと怯えていた。


ゾルディックの試しの門が見えてきた。


あそこの中に走って逃げ込めば逃げられるだろうか?


無理だろうな。


俺が門を動かせるということは、他の俺を睨んでいるメンバーも開けることが出来るということだからな。





ハンター試験は今回で終わりです。

今度はハンター世界がびっくり世界であると分かるあの門の話です。

なぜか、今期のハンターのほとんどがゾルディックに乗り込むという珍妙なことをしてしまいました。
主人公を幻獣ハンターにしていたことを久しぶりに思い出したので、だったら、ポックルとポンズはついてくるかなと思ったら、ついでだからハンゾーも呼んじゃえというただの勢いです。

これからもこんな作者と気弱な主人公ですがよろしくお願いします。


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