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作者: 臣

彼は、哭いていた

いや、正確にはないてなどいなかった

彼の歌う歌が痛いほどないていたのだと思う

彼は、冷めた目であたしたちが見るなんら変わりのない世界を見ている。きっと、彼には思い出したくも話したくない哀しい過去があるのだと思う

彼の歌に人々は、涙する

彼のかわりに涙するのだ…

涙を流さない彼のかわりに…

哀しい彼のかわりに…

彼の歌は綺麗で美しく残酷で哀しいのだ

彼の歌が少しでもほんの少し、ほんの僅かでも楽しくなるようにあたしは彼の歌に口ずさむ

あたしが口ずさむと彼は少し驚いたようにこちらに目を向けてほんの少し見開いた

彼の僅かな行動にあたしの頬は簡単に緩む

重なる彼とあたしの声

重なってひとつのハーモニーを生み出していく

それが、あたしは何より嬉しいし楽しい

誰かと生み出すハーモニーが心地よく悲しいことも辛いことも忘れられそうで大好き…

彼はどう思ってるのかな?

あたしは好きよ…

彼も彼の歌も…全部…



✿ ✿ ✿


君は僕のために泣くんだろう?

知ってた…知ってるよ

君が歌うことが好きなことも

泣いて欲しいわけじゃない

歌うことは楽しい

でも、僕の歌はみんなをくるしめるんだ

だから…もう…もう、歌わないって決めたはずなのに…なんで?

どうして?君は僕にこんな気持ちにさせるの?

久々に誰かと歌う

重なる声…ハーモニーを生み出していく

僕は歌っちゃだめなのに…

君を不幸にしてしまうかもしれない


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