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廃神様と女神様Lv1 作者:井口亮

第2部『二つの太陽編』

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訴訟も辞さないが、裁判所に行けない件について。

 「運営の無尽蔵の燃料供給があれば事実上無敵の機体じゃねーか」

 全く持って打つ手無し。
 完全無敵、完全無欠、全ての弱点を克服した最強最悪の課金の申し子。
 課金勇者ワンワンオーの圧倒的スペックに皆が言葉を失う。
 どこか誇らしい反面、皆の非難の目が痛い。

 「どや?どや?課金勇者ワンワンオーさんむっちゃ強いだろー?マジ最強。俺のやでー、俺のワンワンオーさんやでー?無敵すぎて吹いちゃうわー。どんなレイドボスも真正面から回避とか不要ですしー?真正面に立ってボタンを押すだけの簡単な作業にしてくれる最強のロボットさんやでー?」
 「いや、あんたこの状況理解してんの?」

 キクさんがゴミクズを見るような目つきで俺を睨みつけてくれるのが最高に心地良い。
 現金でばっこし他人をひっぱたいた後に、ひっぱたかれた人間が自分のプライドを保つ為に言い訳良いながら体面を繕っている様を見るようで最高に気持ちいい。
 赤い竜ちゃんが苦笑しながら何も言わないのは何を言っても燃料投下になるからです。
 ワンワンオーは現金が燃料だけど、クズの燃料は負け惜しみの罵詈雑言。

 「あんたが作った粗大ゴミが運営のせいで死角無しの最強最悪兵器になっちゃったんじゃない。あんた自身がこのゲーム詰ませたんじゃない。あんたが人生コンテニューしない限りゲームクリアとか無理じゃん」
 「はぁ?聞こえませんなぁ?人生コンテニュー?ちょっとー、それ面白そー、キクさん試しにやってみてー?俺キクさんがやってくれたらそれやってみるわー、ちょっとやってみてよー人生コンテニュー。人生コンテニューしたらキクさんも負け犬人生じゃなくて戦艦になれるかもしれなくてですよー?」

 煽られても涼しい涼しい。
 顔を真っ赤にした敗北者の悲鳴はとてつもなく心地良い。
 俺とキクさんのやり取りに呆れたチュートリアが唸る。

 「……えーと、話をまとめると、ワンワンオーはマスターが別の世界で作った巨人で無茶苦茶強いからヴォルヴの人達が困っていて……キクさんの使命が進まないってことなんですよね?」
 「そうよ。あんたのマスターがやらかしてくれちゃってとんでもないことになってんのよ」
 「うう、何だか私は何も悪くないはずなのに申し訳ない気持ちになってくる……」

 イライラの矛先をチュートリアにぶつけるキクさん。
 弱い方へ弱い方へとストレスを流す人間社会万歳。

 「俺が悪いの?俺が悪いの?俺はワンワンオーさんを作っただけ。あれは正義のスーパーロボットだぜ?俺はゲームの中で世界を脅かす超兵器達を打ち倒す為、正義の心と現金で動くスーパーロボット課金勇者ワンワンオーを作っただけ。それがこのゲームに来て暴れてるのはまた別問題。そこに俺が悪い何かがあるんでしょうか?」

 そう、俺はワンワンオーを作っただけ。
 みんなにけしかけたくて作った訳ではないのだ。
 ぶっちゃけ対戦であれを使えば並の機体であれば楽勝で勝てるが禿げあがる程に現金を使わなければいけない。
 レイドボス用に出す最後の切り札。
 それが課金勇者ワンワンオーさんなのだ。

 「でもさ?これっていいの?一応、あんたが作ったガンダムなのよね?それを運営が勝手に使って知的財産の保有権的な制約は大丈夫なの?」
 「エースブレイカーには面白いシステムがあってな?一定成果を出しているアセンブルのロボのデザインを若干変更して同じようなスペックのパーツで課金ロボをパッケージで販売するシステムがあるんだ。ゲームをプレイする際に自分のアセンブルした機体がゲーム内で販売されることがあることをチュートリアル中にも確認させるし、規約同意画面にも書いてあったりする」
 「なんでまたそんな面倒くさいことを」
 「そうですね。何でなんでしょうかマスター」

 キクさんとチュートリアはアセンブルロボットゲームというものを知らない。
 それを疑問に思うのも無理は無い。
 だがしかし、アセンブルロボットゲームというものをプレイしているとその要素が最高に楽しい部分ではあるのだが、逆にそれが敷居を高くしている事実もあるのだ。
 俺はわかりやすく説明してやる。

 「チュートリア、一番最初の頃にスキルの組み合わせについて説明したよな?」
 「えーと……はい、強スキルを探すのが大変だーとか、スキル同士の組み合わせで強くなれるとかのお話ですよね?」
 「それと同じ現象がアセンブルロボットゲームでも存在するんだ。パーツをスキルに見立ててやると強いパーツ、弱いパーツ、癖のあるパーツと色んなパーツがあってあとからゲームに参加する人間はどのパーツってのを使えばいいのかわからなくなるんだ」
 「はぁ」
 「エルドラドゲートのクラスと同じであらかじめパッケージングされたスキル――これを使えと指定することで強いパーツを指定してやれば初心者でもお手軽に強くなれる。エースブレイカーが敷居の高いロボットゲームであっても俺の餌――新規参入に優しかった理由ってのがパッケージングされた課金機体の存在があったからだ」
 「でもさ?それって運営が自分たちで機体を作ればいいんじゃないの?ユーザーの機体を丸パクリにするよりかそっちの方がクリーンだと思うんだけど」
 「ゲームの中で運営さんが指定した機体が強いと思うなら運営開発の課金機体を使えばいい。だけどパッケージング機体ってのは俺たちプレイヤーが強いと断じて、実際に戦場で使われてる機体をパッケージングして再販するんだよ。もちろん、最先端の戦場では課金機体をバラして作った最新鋭の機体が闊歩しているが、それらに通用する機体をそのまま販売するってことはバランスを考えなくていいんだ」
 「それって、運営の仕事丸投げじゃん」
 「その代わり機体登録者にはゲーム内マネーやシードの還元がある。みんな同じような機体を使ってるから誰が最初の開発者かって論争が起きるから全員に配るから本当に雀の涙だが廃人達は自分の機体が『強い』と公式にに認められ、新人に配られることで優越感を誇れる」

 今思えば先行者達の充足感を満足させつつ、新規参入者に力を与える良いシステムだったと思う。

 「2chスレでは誰が最初だったかだとか、運営は利益を出した分をプレイヤーに還元すべきだとかの話題で盛り上がるがDOS陣営じゃ竜魂のRRTと言えばワンワンオーと一緒に大戦略ガレージで通していたよ。チュートリアの戦神の翼もパッケージングされた機体についていた無課金優秀パーツとして課金パーツになった俺の開発した最高の一品の一つだからな」

 最高のドヤ顔で語る俺にキクさんは憮然とする。

 「他のゲームに持ってきても大丈夫なのそれ?」
 「管理運営は同じ会社で行っている。自社コラボだと言い張れば全ての権限は向こうにあるしエースブレイカーをプレイする上でも規約でうたってる上に、ゲーム内でも再三にわたり告示してるからな。法的に訴えても勝てるモンでもないだろう」
 「やってみなくちゃわからんでしょ?」
 「GLA訴訟とは違うんだぜ?強襲ガンタンクさんの悲哀がある訳でもないし、運営は何一つ俺が持つ電子データの価値を毀損した訳じゃあない。少額訴訟で訴えたところで通常裁判どうぞで現金で殴り合いだ。和解したところで公判内容は公開されない。同意すべき内容に公判内容の保秘の徹底を盛り込まれるだろうからな」
 「ゲームで訴えたことあんの?」
 「俺は無ぇよ。だけど、これだけネットゲームがあるなかで課金要素で訴えられたことが無いことの方がおかしい。昔のネットゲームでバランス調整と称して課金機体のスペックを下げて保有する電子データの価値を毀損されたって訴えた事例があったのを知ってるくらいだ」

 欲望渦巻くネットゲームの世界。
 札束で相手を殴るゲームの矛先がプレイヤー同士から運営に向かうこともしばしば。
 たかがゲーム、されどゲーム。
 遊びでやってんじゃないんだよ、とは昔の廃人の台詞。

 「いずれにせよ、いずれにせよ課金ってのは他人に財物を売ることだが、知的財産権を与えるものでは無い。そこに現金的価値のあるアセンブルでは無い上に、それらの訴訟要素をあらかじめの告知、規約で撤廃している以上、訴訟用件にはならんのですよ。それにな、訴訟する上で一番の問題があるのわかってっか?」
 「なによ」
 「俺、どうやって裁判所まで行けばいいんだ?なうひあー」

 ゲーム世界に叩き込まれて帰宅できない以上、訴訟を起こすにも裁判所に行けません。
 外部からボスを叩き殺す方法終了です。

 「まいったわね。ゲーム内でダメなら外から叩こうかと思ったんだけど」
 「キクちゃんえげつないわー、さすが廃人さんですわー」
 「こうなったら八つ当たりで作った奴殺そうかしら」
 「それ殺したら殺す口実になるから逆襲しちゃうwむしろ大歓迎w来て?来て?はやく来て?おいたんに殺す理由はよw」

 キクさんが大きく溜息をつき天井を見上げる。
 皆が一様に沈痛な面持ちになる中、ずっと黙っていたパジャⅦ世が静かに口を開いた。

 「……我々は全く力になれない。非常に申し訳ないと思う。この契約を反故にした埋め合わせは何なりとしよう。本当に、すまない」

 静かに頭を下げるパジャⅦ世に俺は必死に笑いを堪えて苦笑で返す。
 キクさんも静かに一礼で返し、これ以上はここに居ても何も得られるものが無いと判断し踵を返す。
 続いて赤い竜らも退室し、部屋には俺とパジャⅦ世、ぼけっと突っ立ってるチュートリアにミルクたんしか残っていなかった。

 「……戦女神のレジアンとして、あれに勝てる方法はあるのか?」
 「今、全部話したとおりだ。完全無敵のスーパーロボット、課金勇者ワンワンオーに死角無し。勝てると思う方がおかしい」
 「だが、貴殿は――勝ちに行くと言った」

 パジャⅦ世は苦しく吐き出すように、すがるように呟いた。
 俺は鼻を鳴らし告げる。

 「――負け続ければ気持ちは折れる。だから勝つと吠える。それだけだ」
 「何も、策は無い――と」
 「言っただろう?完全無敵のワンワンオーさん相手に勝てはしない。策なんざ今のところ何一つ取りようがねえよ。アサヒガニラスも無くなった今、大砂海を渡る方法もビート板しかねえ」

 そう、レジェンド級戦艦アサヒガニラス3号さんでさえあのワンワンオーを前にして秒で轟沈したのだ。
 オーバーコンテンツなんてモンじゃない。
 完全無欠のクリア不能をつきつけられた。

 「完全に詰んだよ。クリアなんざ不能だ。倒すことなんざ不可能だ」

 俺はそう告げて、意気消沈し、溜息をつくライオンを見下ろした。
 大きく溜息をついたライオンが肩を落とす。

 ――それは肩から重荷を外した瞬間だ。

 俺はどこまでも暗い愉悦を持ってなじる。

 「楽になったろう?そう言ってしまえば」

 パジャⅦ世が俺を見上げる。
 俺はどこまでも不遜に笑い、告げた。

 「そう、楽なんだ。負けるのは楽だ。実際、戦わなくてもいいし、殴られ続ければいい。画面を前にキーボードを押さず、コントローラーを投げ出し、マウスのから手を離してジュースでも飲めばいい。ゲームで殴られ続けるのを見ていればいい。現実でもそうだ。黙って耐えていればいい、むしゃむしゃと喰われてしまえばいい、肩をすぼめて俯いて、唇を噛んで泣いて弱い姿をさらせばいい。俺は負けるということも知っている。そいつぁ凄い楽なんだぜ?楽すぎてずっと負けていたいくらいだ。一生懸命頑張っても勝てない。勝てないから無駄な努力もしないで、必死に足掻くことなく背中を丸めている労力しか要らないんだ。負けるってのはそう、とかく楽で楽で仕方がねぇ」

 どこか憮然とした表情で俺を睨むミルク。
 俺は視線をパジャⅦ世から外し、ミルクを睨み返す。
 だが、ミルクは視線を外し俯くと尻尾を股の下に隠す。
 それを見て鼻で笑い、告げてやる。

 「視線を逸らし、俯き、敗北を示すだけでいい。あとは――考えることを手放し、勝者の意思に従えばいい。理不尽なことを突きつけられても、自分にすら言い訳ができる――『自分が敗者だから』。すげーな負けることって。こんなに楽で楽で仕方がないなんて素晴らしい。勝つことがバカらしく思えねーか?」

 俺は一つの真実を告げてやる。

 「これだけ楽なんだ。誰だって負けたがる。みんな負けたがる。多くのプレイヤーが、そして多くの人間が、ゲームで、リアルでも負けることを選ぶ。負けに飛びつくんだ。だってそうだろ?楽なんだもん。なぁ?ミルクちゃん」

 苛立ちを隠せず牙を剝く。
 だが、次の瞬間、敗北に身を委ね静かに意気を沈める。
 そう、これが勝者の特権。
 強すぎる者が持つ完全なる力というもの。
 勝者が居れば敗者が必ず存在する。
 徹底的な勝者というのが居れば徹底的な敗者も存在する。

 「そうなっちまえば楽なモンなんだよ!勝つ方も楽だ!何一つ抵抗することの無い敗者を一方的に嬲るだけ嬲れる!最高だね!そんな負け犬が目の前にいたら叩かずにはいられない!勝つ方も楽、負ける方も楽!あれ?これって今流行りのWINWINの関係って奴じゃね?双方お得だね!」

 実際、そうだから困る。
 戦績の勝利数、敗北数を眺めるだけでその関係が見て取れる。
 負けることを受け入れた側は勝者に一方的に嬲られる。
 嬲られることを選んだ連中は思考を放棄し、負けることを言い訳に、ただひたすらリザルトボードに敗北の数を刻み続ける。
 そうして、尋常じゃない敗北数をリザルトボードに刻むのだ。

 ――敗者の証として。

 「ただ負けるだけなら、誰にでもできんだよ」

 俺は鼻で笑う。
 俺はパジャⅦ世に、ミルクに、ヴォルヴの意思を代表する二人に告げてやる。

 「勝利を目指す敗者と負け続ける負け犬は違う。前者は勝つことを選んだ人間だ。後者は負けることを選んだ人間だ。結果が大事なんじゃない、過程が大事なんじゃない、そこに勝つ意思があったかどうか」

 何も言えず敗北を選んだ者どもは勝者たる俺の言葉を受け止めるしかできない。

 「勝つ意思を持ち続けられる者が、数多の敗北の上に勝利を刻むんだ」

 純然たる結果としての敗北の中――

 ――どれだけ勝ちに執着できるかが問題だ。

 「俺のワンワンオーが、どれほどの敗北を経て、どれほどの苦渋を経て作られたかはわかるまい。お前達ヴォルヴの負け犬が勝てるものかよ。策があれば勝てるのか。強い意思があれば勝てるのか。勝つことのみに執着し全てを捨て去った俺が作ったワンワンオーがその程度の『勝ちたい』で勝てるものかよ」

 俺は戦女神のレジアンとして――課金勇者ワンワンオーを作った者として。
 俺と戦う者を相手を真正面から叩き伏せる。
 俺とライオンさんは友達だ。
 だが、それ以前にお互い一人の戦士であり、一匹の獣なのだ。
 勝った負けたが存在するのは当然。

 「――ロクロータ、貴殿はあれに勝つと言った。それは嘘なのか?」

 苦しく吐き出した言葉に俺は応える。

 「あれはちょっと前までの過去の俺。今の俺が負けてたらお話にならんでしょう」

 ――課金勇者ワンワンオーを作ったのが俺ならば。

 俺が負けていい道理があるまい。

 「運営の――この世界の神様って奴が俺を使って俺に勝負を仕掛けて来たんであれば、叩き伏せる。それだけの話だ」
 「しかし――勝てる策も、方法も、何も無いではないか」

 それこそ、そう、それこそ敗者の言い訳。

 「勝てないから、負ける。ンなの当たり前じゃねーか。そんなロジック、今さら口にせんでもわかるわバカにすんなし」

 俺は鼻で笑ってライオンに背を向ける。
 付き従うチュートリアがライオンと俺を交互に見て言葉を継げずに居る。

 ――チュートリアだって未だ負け犬の領域だ。

 純然たる勝者たろうとする俺に言葉が吐けてたまるかよ。

 「なら、負けるという選択肢を捨てろ――勝つ」

 自らの意識の中から敗北という二文字を消し去ってしまえば。
 積み上げた敗北の中から勝利の道が見える。

 「じゃあな負け犬ライオンさん。勝つ算段ができたら友達のよしみで呼んでやるよ」

 俺は背中越しに手を振るとダスメシャムスの王城の王室を後にする。

 「……マスター、あんなこと言っていいんですか?」
 「いいんだよ。勝てない友達なんか要らないからな。そもそも俺、友達居ねーし」

 チュートリアを引き連れ廊下に出ると暗がりの中、壁に背を預け、どこまでも不敵な笑みを浮かべるキクさんが待っておりました。
 俺はキクさんと視線を交わし、どこまでも下卑た笑みを浮かべる。

 「やぁやぁ、キク穴大先生、随分とえげつないことをしてくれちゃいますじゃないの」
 「ロクロータ先生ほどじゃございませんでしてよ?」

 俺達が最高にゲスい笑みを交わし合う様子にチュートリアが首を傾げる。

 「あ、あの?マスター」
 「所詮畜生はどこまでいっても畜生w」
 「ビーストさん達はバカで困るわーw」

 キクさんはひらひらと契約書を翻して俺に差し出す。
 俺はその紙をマテリアライズして仕舞い込むと最高にゲスい笑顔で肩を揺らす。

 「勝ったw勝ったwこりゃ完璧やわーw」

 そう、勝つだけなら簡単なのだ。
 完全無欠の課金勇者ワンワンオーの欠点が機体サイズだけだと思ったら大間違いなのだ。

 「さて、キクさんこれから仕込みに入るぜ?今回の仕込みの大部分はお前さん任せになるがいいかや?」
 「いいですのよん?このクエスト私のクエストでございましてよ?僭越ながらロクロータ大先生に仕上げを任せちゃう形になりましょうがよろしいでしょうか?」
 「いいでございましてよー?私こういうのものっそい得意なんでしてよー?適材適所、うん!いい言葉だ!おいたんだーいすきw」

 お互い最早完全に勝ちを確信してゲスい笑顔で笑い合う。

 「な、なんだろう。マスターが最高にゲスな笑みを浮かべてる。嫌な予感しかしない……」

 どこまでも顔を真っ青にするチュートリア。
 おそらくなにかとてつもない酷いことが起こることを予感しているに違いない。
 そして、その予感は間違いではない。

 ――完全無敵の課金勇者?上等です。

 廃課金兵ごとき、簡単に食いちらかすのが『廃人』という奴なのです。

 ちゅーとりあのにっき

 わんわんおーはめちゃくちゃでかくてめちゃくちゃつよかった。
 みんなまけて、がっかりしてる。
 わたしはそんなことより、しあんぶるーのいってることのほうがきになった。
 まおうはせかいをうらんで、あすとらのきざはしからまものをおくりこみ、せかいをほうかいさせようとしているってきいてた。
 だけども、まおうっていうのがますたーとおなじれじあんだって。
 だとしたら、まおうのいりあはわたしとおなじ?

 せかいのいしにしたがって、わたしはますたーとしめいをはたす。
 でも、それがせかいのふういんをほどくことになるってどういうこと?
 それがせかいをほろぼすっていうのはどういうことなんだろう。
 わからない。

 ますたーはこーでりあさまのれじすで、むかしのことをしっている。
 だから、せかいがはんえいするっていうことも、ほろぶということもしっている。
 だけど、そんなのはかんけいないといっている。
 たぶん、そう、だぶん。

 ますたーはこのさき、どうなるかをしってる。

 しあんぶるーはたたかうべきあくいがあるといっていた。

 わかんなくなった。

 ますたーはぱじゃななせいにまけることはらくだといった。
 わたしはずっとまけていたんだとおもう。
 まけたことにすらわからなくなっていたんだとおもう。
 だから、かんがえることもしていなかったんだとおもう。

 わたしはいくさめがみのいりあ。

 たたかわなくちゃいけない。
 なにとたたかえばいいのかはまだ、わからない。
 だけど、ますたーはいってた。
 まけつづけても、かとうとするきもちがだいじ。

 まけないよ。

 まけたく、ないもん。

 だけど、なんだろう。
 わたしのますたーがてんがちゃんにやさしかったり、ぱじゃななせいをはげましたりいいことをしてるもんだからちょっといいひとなのかなとおもっちゃいました。
 でも、こいつさいこうにくず。
 しんじられない。
 こいつ、う゛ぉるう゛のひとたちみなごろしにするつもりだ。
課金兵
 課金コンテンツがゲームに有利に働くゲームにおいてそれらを用いる人達を指して使われることがままある。
 それらの限度が一様にして常人の域を超えると「廃課金兵」とゲームによって呼ばれる。
 そう呼ばれる額面についてはゲームにおいて様々だが、一様にして必要なプレイヤースキルが伴わず、課金の力でのみ有利性を築き、それらの有利を熟練のプレイヤーにより覆されている状況を指して侮蔑の意味として使われることが多い。

GLA訴訟
 機動戦士ガンダムオンライン出展。
 GLA訴訟とは同ゲーム中の課金機体『ジーラインライトアーマー』と呼ばれる機体に係る訴訟で、当該機体のスペックがバランス調整の名目のもと低下させられたことを受け、同ゲームに課金したユーザーがジーラインライトアーマーの入手目的で課金した後に得た財物性のあるデータを毀損させられた賠償を求める上でおこした裁判。
 少額訴訟裁判で訴えたが、通常裁判を申し入れされ、以降の内容については明かされておらず、和解内容の保秘を和解内容に盛り込まれた等の憶測が飛ぶ。

 本件を分かり易く口語体で説明するなら『課金させるだけさせて強機体引いたけど弱体とか詐欺じゃねーか訴える』というもの。

強襲ガンタンク
 同上出展。
 GLA訴訟のスレッド内において、同ゲームに登場する課金機体『強襲ガンタンク』についても当初レンタル機体については変形時にひるみ耐性があったりと有利な要素があったが、自身で手に入れた物についてはその耐性がなくなっており、これ目的で課金したユーザーからは既存の商品があたかも価値のあるものと見せかけ、購買意欲を刺激し実際はその価値が無いことから、価値の詐称にあたるとし、これも訴訟の条件になるのではないかと持ち上がった議題。
訴訟事実の確認は取れていないが、分かり易く口語体で説明するならば『強機体に見せかけて実は手に入れたら詐欺でしたとかまんま詐欺じゃねーか』という状況。 
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