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廃神様と女神様Lv1 作者:井口亮

第一部『導入編』

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クラスせつめー

 「これだよ、コレ、俺コレが早く欲しかったんだ」
 「……説明さえ聞いてれば渡したんですけどね」

 どこかしれっとしてチュートリアが答える。
 それは俺の右手に埋め込まれた宝珠である。
 最初の儀式の時に台座にはまっていた宝珠で、自分の好きな箇所に埋め込み、これでもってインベントリやステータス画面を開くことができる。
 そこで、俺は右手に埋め込んだ宝珠を叩き自分のスキルを確認する。
 虚空に俺しか見えない文字が広がり、俺の情報を表示してくれる。

 ――格闘18、鈍器6、軽業14、軽装3、剣1、両手剣1、盾6

 となっている。
 HPやMP、スタミナについては曖昧なバーがあるだけだが、計算式は理解してるので大体の数値はわかる。

 「スキルの説明、した方がいいですか?」
 「ステータス関係は逆に俺が説明してやるよ。それよりかクラスをお互い決めよう」

 かなりの数のスキルがあるので全部を説明してやるのはおいおいしてやるとして、俺は今自分が『ファイター』のクラスになれるかどうか確認した。

 ――近接系スキル合計値10以上

 初期職の要求レベルだからたいしたものは要求されはしない。
 条件は満たしている。もう少し頑張れば選択できる職業に『モンク』とファイターの格闘職系統が表示されているがぶっちゃけ苦笑もいいところである。
 しかし、上位の『拳仙』の専用モーションの『波動閃』とかはロマン一杯なんだけどな。
 職業選択ギルドで俺は容赦なく『ファイター』を選択する。

 「ファイターを選ぶんですか?」
 「ウォリ系最上位のブレイバーが最終目標だからな」
 「ファイター系のクラスってどうなってるんですか?」
 「ファイターは軽装火力前衛職といわれるクラスだ。とにかく高速で戦場を攪乱して、敵を強力なスキルで攻撃していく職だ。割とソロ向きでそこそこの防御力とそこそこの火力を揃えている」
 「系統としてはウォーリアー系、モンク系、バーバリアン系がありますね」
 「ウォリ系は剣系を使う。手数で押していくタイプのクラス系統だ。霊環を使った魔法とも相性は悪くはない。モンクはちょっと特殊で格闘や槍を使う、トリッキーな動きが多いし魔法がウォリ系より得意なんだ。遠近両用高速強襲型だな。バーバリアン系は両手剣や斧や槌を使う高威力一撃型」
 「他に前衛職はどんなのがあるんですか?」

 ふんむ。このあたりもリライトしてやる必要があるか。

 「ナイト系だな。重鎧系に適正があって、いわゆる『タンカー』として敵の注意を引いて仲間が安全に攻撃できるようにするポジション。これも三系統あってパラディン系、ヘビーナイト系、ソーサルナイト系の3つだ」
 「パラディンは状態異常にも強く、自身にも回復魔法が使えるんですよね?ヘビーナイトは近接武器の扱いに長けていて、ソーサルナイトは……魔法を使うんですよね?」
 「ナイト系のおかしいところは両手武器を片手でぶん回すところだ。高防御力高保護で手痛い一撃を相手にぶつける。ただ、重鎧装備による攻撃速度低下補正でDPS――単位時間火力はそう高くはない。ナイト系でぶっちゃけ今一番強いのはパラディンだろうね。状態異常耐性と自己回復性能でヘイトも総合強度もダンチ。ヘビーナイトは雑魚乱獲には向いていてレベリングは楽だけど汎用性が無いんだよな。ソーサルナイトは通称『人間戦車』と呼ばれるくらいロマン職。ガチで守りながら、高火力魔法をぶっぱするからな」

 回りには色々な職業の人間が居るが、どれが中身入りかわからない。
 他にもレジアンと呼ばれる『現実』から来た奴が入ればいいんだが。

 「遠距離職はどんなのがあるのでしょうか?」
 「物理系からだとアーチャー系でハンター系、ワンダラー系、ローグ系。ハンターが射撃特化だとしたらワンダラーはダンジョン踏破系、ローグ系はいわゆるシーフ系だな。これらはぶっちゃけ、生産系だったりするから戦闘面ではあんまりお世話にならないかなあ。パーティに居れば厄介……じゃなくて、強いんだけどね?」

 俺は遠い昔、こいつらのせいで奇襲に失敗して手酷い目にあったことがある。
 遠距離物理職ってすごい痒いところに手が届く存在なんだよなぁ。

 「あとは……クレリック……回復職ですか?」
 「ヒーラー職はどこでも優秀だ。クレリックから派生するプリースト系、テンプル系、シャーマン系はHP――生命力を回復できるってのは最大の強みだ。王道のプリースト系は使い勝手のいい回復がそろっているし、テンプル系はバフ寄りの構成で、重鎧装備のサブタンクもできる。シャーマンは特殊な回復方法と専用スキルで召還魔法が使える」

 そして、俺は最後に魔法職を示す。

 「魔法職は最大火力をたたき出すには最強の選択肢だ。マジシャンからソーサラー系、ネクロ系、サモナー系、ソーサラーは高火力直接攻撃魔法主体、ネクロはデバフ寄りでモンスターを使役したりできるし、サモナーは自身で攻撃モンスターを召還して高火力をたたき出す。状況により一長一短があるけど、どれも強力だ。ソロでもこれを選択していて間違いは無いって言われるくらいには強い」
 「いわゆる優遇職なんですね?」
 「ああ、迷ったら魔法職だ」

 俺はそう言ってファイタースキルの確認で『バッシュ』が入っていることを見る。
 発動は盾スキル5、か。剣スキルも上げないといけない。

 「どれを選んだ方がいいんでしょうか?やはり、魔法職がいいんですか?」
 「そんなの俺に聞くなよ」

 俺はにべもなく返答する。

 「でも、私はパートナーだし、マスターが戦い易いようにするのが一番なのかと思うのですが……その場合、どれを選んだらいいのか、わかりません。マスターに決めていただくのが一番マスターのためになるかと」
 「お前、バカじゃねえの?」

 俺は信じられないものを見る目でチュートリアを見る。
 何を言われたのかわからずチュートリアは目をしばたかせる。

 「俺が俺がって言うけど、俺は基本ソロだぞ?ぶっちゃけ、相方なんてどうでもいいんだ。要らないって言ってもいいんだ」

 その言葉にチュートリアがまた自信を無くした顔をする。
 面倒臭い、本当にIRIAの育成は面倒臭い。
 だけど、これは本当に大事なことだから言っておかなければならない。

 「職業は自分の生き方だ。『どうあればいいのか』じゃないんだ。『どうありたいのか』なんだ。俺はウォリ系最終の『ブレイバー』を選択した。だから、『ファイター』なんだ。どこまでも『過酷』な戦いの中、自分がどう生きたいかくらいはまず、『自分で選べ』。それっすら選べない奴が、『強くなる』ことを選べるものかよ」

 チュートリアは俺の言葉にどこか、はっとした表情をする。
 俺はそんな様子には気がつかず、目を逸らす。

 「相方が何を選ぼうと構わねえよ。お前のマスターってのはそんなチャチなモンじゃねえ。覚悟決めて、生き方選べ」

 チュートリアはそれでも迷って、俯く。
 どれくらいの時間が経っただろうか。
 俺は、面倒臭くなってその場を立ち去ろうとする。
 職業も決めた、装備だって手に入れた。やることは一杯あるんだ。

 「……クレリックになります」

 振り向くと、どこか強い笑みを浮かべるチュートリアが居た。

 「回復職か……俺に合わせなくてもいいんだぞ?」
 「いえ、私はテンプル最上位『ヴァルキュリア』を選びました。だから、クレリック」

 そういや、こいつ戦女神だかのイリアだったよな。
 それなら、それもいいかと思う。

 「それでいい、自分が決めるんだ。それだけ忘れンなよ?クラス設定しとけ」

 俺はまだ頼りなく、だけど、必死についてくるパートナーが僅かに頼もしく見えた。
満面の笑顔がどこまでも可愛い。

「はいっ!レベルが足りませんでした!」

ああ、この笑顔、殴りてぇ。

『チュートリアの日記』さんがつにじゅうご。

 めっちゃなぐられた。ぐーで。
 だけど、やりとよろいと、ゆみと、れいかんをくれた。ごうかいだ。
 あと、かりにもつきあってくれた。
 れべるあげとかいって、ひとりでけんをふるってた。
 れべるのあがりかたが、おかしい。
 おいつけるきがしない。
 だけど、べーすれべる?が、あがってくれりっくにもなれた。
 れいかんのれべるもあげないといけないといわれた。
 なんでも、ひかりまほうがてんぷるのじょうけんで、やりとじゅうよろいもだいじみたい。

 ますたーはつよい。わたしはだいじょうぶなんだろうかと、しんぱいだ。
 それでも、じぶんで、きめるのがだいじらしい。
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