幼い頃、私が一つの土地で過ごした時間は、あまりに短すぎました。友達ができたときは、別れのとき。出会っては別れてを繰り返して・・・。短い時間の付き合いだったからこそ、中身は濃かったとも言えるけど、本当は、もっともっと、長く一緒にいたかった。「一緒にいたい」と思えば思うほど、想い出は美しく磨かれて、一点の曇りもない素敵な記憶に変わる。でも裏を返せば、その記憶には、もう戻ることができないということ。ずっと美しい記憶のままで、忘れないことだけが、私にできることだと思っていました。それがいつの日か、現実に引き戻されるとも知らずに・・・。
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N2395E
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5946文字(約12分)
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通常小説[短編作品]
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〜プロローグ〜春の遠足。とても懐かしい、あったかい響きがする。桜が散って、チューリップが咲き始めたころ、先生に手を引かれて、連れまわされただけだった幼稚園の春。バスに乗せられて、一日中放課後のようだった小学校の春。思い出すことはあっても、私には帰りたいあのころとい |