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FIVE SQUARE
作:京ヶ一井蛙



#5 勝負解禁編4


しばらくの会話の後通話を終了し、田河は宮沢に携帯電話を返す。
「何て言ってた? 学園長は」
宮沢の質問に田河は極めて苦い表情で答えた。
「生徒の模範として…、ファイブスクウェアを受けてやってくれ、と」
「だろ? …それじゃすぐに勝負を始めるとするが、お前、ポーカー知ってる?」
田河が、基本ルールなら、と答えると宮沢はテーブルにあった校則完全版を手に取った。
「じゃあ俺がファイブスクウェアについて説明してやろう―」

ファイブスクウェアってのはウチの学園で作られた一対一で戦うオリジナルルールのポーカーだ。
と言っても基本的にドロウポーカー、つまり日本で一番有名な、五枚のカードを一度だけ交換して勝負するヤツだ。
普通のドロウポーカーと違うのは二ヶ所ある。
一つは勝負は五回制で、三本先取したプレイヤーの勝ちだ。どんな手で勝とうが、同じ一勝になる。五枚のカードで五回勝負するから五の二乗、ファイブスクウェアというらしい。あと、ファイブスクウェアでは絶対に引き分けにはならない。これは一組52枚のトランプを使うのと、両者が同じ手だったら数字やマークが強い方の勝ちになるルールだからだ。
もう一つはファイブスクウェアにはベット、賭けを行う場面がない。学生のやるゲームだからな。だから本当に三回の勝ちを狙いに行くことだけがこのゲームの目的となる。…実に健全だろ? もちろん、ベットがないからって駆け引きができないわけじゃない…。

「こんなとこかな?」
宮沢が説明を終える。
「いきなり勝負を始めるほど俺も大江も鬼じゃない。1セットだけ練習させる時間をやろう。好きに相手を選べ」
そう言って宮沢は椅子にどっかりと座り、タバコを吸い始める。

田河は仕方なく練習相手を決めることにする。
「この中にポーカーを知っている者は?」
田河が生徒会メンバーに訊くが、誰も首を縦に振れない。
そんな時に、少年は手を挙げてしまったのだ。これが、一ヶ月の長き闘いの始まりになるとも知らずにー。
「俺が、やりましょうか」
「君はポーカーを知っているのかい?」
「ええ、iアプリとかでたまにやりやすし」
田河の質問に少年は答える。
「それじゃあ、悪いけど私と勝負してくれないか。練習だから気楽にやってくれていい」
「分かりました」

田河は宮沢の方を向き、言った。
「宮沢先生、練習に使うトランプを貸していただけますか」
「ああ、俺は持ってないよ。安心しな、トランプはディーラーが持ってきてる。せっかくだから練習試合もディーラーにカードをきってもらうことにしよう」
「ディーラーは、どちらに?」
田河が訊く。
「もうこの部屋の前に来ているさ」
宮沢の言葉通り、ドアのガラスごしに人影がいつの間にかあるのを確認できた。
「おい、入ってきていいぞ!」
宮沢が人影に向かって叫ぶ。ドアが、開けられた。

「な…!」
その瞬間、少年は我が目を疑った。
ディーラーとして入ってきたのは、本格的なディーラー服に身を包んだ、怯えた目の菊池―。


久々にゴリゴリ小説を作っているケイガイチです。ガイチさんとでも読んでください。さて、とりあえず五回までアップしたファイブスクウェアでごぜーますが、いかがな感じでしょーか。お気軽に感想など送ってくださいな。さて、物語の方はまだまだまだまださわりの方なんですけど、こないだ、この小説のラストがまとまりました。そこまでたどり着けるように引き続きゴリゴリ書いていきます。そう、本性を表した三田部長に挑んでいく主人公のナオキ君達のラストバトルが書けるまで…!←嘘つき






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