#10 勝負解禁編9
引き続き、勝負は第2ゲームへと進む。
菊池は第1ゲームで勝負に使われた10枚と、捨てカードの6枚を手元に戻すと、また目にも留まらぬ速さでカードをシャッフルしていく。しばらく続けた後、また1枚ずつ計10枚配る。
「そういえばナオキ君と言ったかな、君は」
静か過ぎるのも何だと思ったのか、雑談を始める田河。
「今日はどうして、生徒会室へ?」
「ああ、今日締め切りの文化祭の書類持ってきたんですよ。ウチの部長、ギリギリまで書類溜め込むの好きなんで…、済みませんね」
「君の部は?」
田河に質問された瞬間、少年の頭に三田の忠告がよぎる。
『いいかアタック…、ウチの部は残念なことにその存在を誤解されている! パソコン部はまともなパソコン部、そして我々軟式パソコン部はまともじゃない変態集団として認識されているのだ! だから、ひっじょーーーーに不本意ではあるが、校内では”パソコン部”として振舞うこと! 解ったか児玉清!』
変態集団のイメージを確定させたのはアンタのせいだろ…、と思いながら少年は返答する。
「…パソコン部ですよ」
「はて、パソコン部の書類なら、先々週には受理しているが」
少年はぶっ、と吹き出す。パソコン部の書類を田河が目を通す前ならごまかせると思ったのに、そんなに前に出されていたとは!
「嘘はいけないな、本当はどこの部だい? パソコン部のお隣の天文部かな?」
少年は仕方なく、真実を言うことにした。
「…パソコン部で間違ってません…。軟式ですけど」
部屋中がこの言葉だけでざわつく。少年に対する周りの視線に軽蔑が混ざり始まってるのが感じられた。…ああ、やっぱり言うんじゃなかった。
が、言われた当の本人である田河は、ほんの一瞬体をぴくりとさせたが蔑視の表情は出ることなく、返事した。
「ああ、軟式の方のね」
「お騒がせしていつもすみません…。迷惑ですよね」
「い、いや、そんなことはない、少しくらい賑やかな方が楽しいじゃないか。うん」
田河の様子がちょっとおかしい。少年は思った。ひょっとして、三田か有島あたりに変な弱みを握られてるとか?
「3枚チェンジ」
田河がここですかさずカード交換をする。
「じゃ、俺も3枚で」
少年も3枚を取り、テーブルの端に捨てた。 |