3、攻防(攻撃側圧勝)
「部屋、入ってもいい?…それともここで…?」
と耳元で囁かれて、俺は身体を震わせた。
「…ぁ…」
流され…そう…。
いやいや、いかんいかん。
俺は、わずかばかり残った理性の力で、頭をぶんぶん横に振った。
「ダメダメダメ」
そうしたら、高垣のバカは、
「じゃあ、部屋で?」
なんて、トンチンカンなことを言ってきた。
「違う違う違う、部屋でもここでも…ダメだ!」
俺が慌てて睨みつけると、奴は熱っぽい目で俺を見下ろし、苦笑した。そして、何も言わずに俺の首筋にキスをした。
「…ぁッ…」
身体が、ピクンと跳ねる。
その反応を楽しむように、高垣が首筋を、耳を、ザラリと舐め回す。
「ぁ…ん…もう…駄目だって…」
俺が、そう言って身を捩ると、
「そんな言い方されても、誘われてるようにしか思えない」
などと言いやがる。
くそ〜…確かにそうかも…。
腹立つ。
「お、お前謝りに来たんじゃなかったのか?襲いに来たのか?」
「もちろん謝りに来たんだけど…」
そう言いながらも、高垣の指は俺のカッターシャツのボタンを外していき、そして手が中にもぐりこんできた。
「…ぅ…んッ…」
乳首をやんわりと触られて、震えた。
それから、キュッと摘まれて…。
「は…ぁッ…」
「宮田さん…」
奴の声が掠れた。
息も、少し乱れてきた気がする。
ダメだ…本当に…これ以上はヤバイ…。
「た…かがき…帰れよ…」
俺は乱れた呼吸の合間にそう言った。
でも奴の手は動きを止めない。
それどころか、俺の…ソコをズボンの上から撫で上げた。
「や…ぁッ…」
そこは勃ちあがっていて…。
「こんなになってる宮田さんを、俺が置いて帰ると思う?」
そう言いながら、高垣は俺のをからかうように撫でた。
「ぁ、ぁ…ぁ…やめッ…」
俺は唇を噛んだ。
耳元の、高垣の息が荒くなってきた。
「宮田さん…色っぽい…」
「バカッ、男に向かってそういうこと言うな…!」
「だって…」
高垣が俺のズボンのジッパーを下ろす。
その手が、俺のモノに直接触れた。
「ぁんッ!」
「もう…こんなに濡れてる…」
「言うな…」
は、恥ずかしい…!
そして、扱かれて…玄関に、ぬちゅっと卑猥な音が響いた。
俺は本当に恥ずかしくて、顔を背けた。
「宮田さん…こっち向いて。恥ずかしくないよ。俺だって…」
そう言って奴が俺の太腿に、大きく猛ったソレを押し付ける。
布越しにも、その固さが分かる。
それだけでなく、その熱さが伝わってくるようで…俺は息を呑んだ。
「ねえ、すごく良くしてあげるから…」
そう言いながら、奴の手の動きは激しくなり、俺は今にもイきそうになってしまい…。
「ぁ、ぁ、ぁ…やめッ…ダメ…だめ…」
いつのまにか、身体を高垣の腕に預けていた。
抵抗なんて、できやしない。
扉一枚隔てて、外の廊下をコツコツと、誰か歩いていく音がする。
「…ッ!」
俺は、声を出すのを必死で耐えた。
そんな俺の…後ろのその部分に、ゆるゆると奴の指が入ってきた。
「ぁ…ぁぁあ…」
声を出さずにいられなかった。
そのタイミングで、高垣がもう一度俺に訊いた。
「本当にこのまま…ココでする?」
…降参…。
俺は、高垣に引きずられ、ズルズルとリビングへ運び込まれていった。
リビングのラグの上で、貫かれた。
膝を、高垣の両肩にかけるような格好で犯されると、奴の熱いペニスは俺の奥の奥まで届いた気がした。
…苦しい…。
でも、それだけじゃなく…。
繋がった部分から、俺を支配するのは痺れるような甘い何か…。
確かに、すごく良くて…感じる声を抑えられなかった。
「ぁぁッ!ぁぁあッ!…高垣ッ…ぁあッ…イイッ…」
気持ち…良くて…。
突き上げられ、グラインドされ、感じる場所を全て知られた。
「ココ?」
そう言いながら、高垣が俺のその場所を攻め続ける。
「あッ、あッ、あッ…」
奴が握り締めた、俺のペニスから…精液が流れ出した。
「ぁぁぁああ…」
普通にイった時の感覚とは少し違う絶頂を向かえ、狂いそうになる。
し…死にそう…かも…。
気を失ってしまった。
目が覚めたら高垣が、優しい表情で俺を見下ろしていた。
「大丈夫?」
大丈夫なわけ、あるか。
けれど、あまりの身体の重ダルさに反論も出来ず、俺はただ、その男っぽい顔を見つめた。
ハンサムなのに…惜しい。変態すぎる。
なんで俺なんかに…。
そんなことを考えながらぼんやりしていたら、そのハンサムな顔が近付いてきた。
近付いて…キスしてる…。
俺の下唇を甘く噛んで、それからそっと舌が噛んだ部分を舐めて…また噛んで…。
「ねえ、宮田さん…」
キスをしながら、高垣が囁いた。
「俺と、付き合って」
いやだ。
心の中で呟きつつ、俺は返事をしなかった。
そうしたら、高垣が耳を疑うようなことを言いやがったのだ。
「松戸さんとは別れて…」
は?
「松戸?」
松戸って、もしかして俺の同期の…男の松戸?
「ええ、付き合ってんでしょ?」
「松戸と?」
俺の知り合いで松戸って、あいつしかいない…今企画部にいる…松戸…。
「…違う?」
ち、ち、ち、違う、違うぞ!
俺はガバッと身体を起こした。
「ぅッ!」
腰やら何やらが痛くて、呻いた。
「宮田さん、無理しないで」
高垣が慌てて俺の身体を支える。
「お、お、お、お前、そんな話、誰から聞いた?」
「え?宮田さんと松戸さんのこと?…それは言えませんけど…」
「それはデマだ!俺と松戸は付き合っちゃいないぞ、っつうかその前に、俺はノーマルだ!」
俺がそう叫ぶと、高垣は「えッ!?」と驚いてマジマジと俺の顔を見た。
な、な、何、俺、こいつにホモだと勘違いされてたわけ?
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