1、浴衣
「ああもう無理、我慢限界」
高垣は、そう言って立ち上がり、俺にしがみついてきた。
しがみついてきた…ように思った途端、さっき仲居のおばちゃんが敷いていった布団の上に、俺を押し倒した。
「な、何?どうした?」
「すいません、もうキちゃいました」
何?何が来たってんだ?と戸惑う俺が着ていた浴衣を、高垣はさっさとはだけさせ、鎖骨のあたりに吸い付いてきた。
「!?」
さすがに、俺も高垣が何をしようとしているのか察しがついた。
大きな奴の手が身体を撫で回し…。
「何?馬鹿、お前…!」
唇を、唇でふさがれた。
ビールの匂いがする。
…酔ってるな、こいつ…なんて冷静に考えていたら、舌まで侵入してきた。
やわらかく、ねっとりと絡みつく。
キス…上手い…。
なんて、悠長に考えている場合じゃ無い。
そのうち、腰に回っていた手が俺の乳首に触れてきた。
あッ…。
俺がピクッと反応してしまったのに気付いたようで、高垣の手がそこで止まり、そして弄りはじめた。
あ…そこ…弱いかも…。
「ぁ…ぁんッ!」
身を反らせる。
「ぅ…んんッ」
苦しく呻く。
唇から、やっと唇が離れた。
「…はぁ…」
大きく息をついた俺の首筋に、奴の唇が降りてきた。
「ぁッ!…ぁ…ぁ…」
身体が、ビクビク反応するのを止められない。
「た…かがき…やめ…」
俺にのしかかる身体を押した。びくともしない。
「ちょっと…何やって…」
「だって、宮田さんが…浴衣なんか着てくるから悪い」
「お前も着てるだろ」
「…宮田さんのは反則だ」
そう囁くと、高垣は俺の下着を下ろしてしまった。
俺のソコは、それまでの高垣の愛撫に反応を見せ始め、少し鎌首をもたげていた。それを見た高垣の目は、より凶暴にギラついた。
「宮田さんも…感じてるじゃんか」
そう言うと、自分も浴衣の前をはだけて、下着の中から既に猛り狂ったソレを掴みだし…。
「ぁあッ!」
2人分のモノを重ねて、擦りあげられた。
正直、気持ち良かった。
…なんで…。相手は高垣だぞ…!と思うのに。
でも、もう身体が悦がって悦がって、逃げられなかった。
イきたくて…。
「気持ちイイか?」
欲望に掠れた声にそう聞かれて、俺は素直に頷いた。その瞬間、高垣のモノがグッと力を増した。
「たまんねぇ…」
高垣が、俺で、感じている。
俺の姿を見て、触って…そしてソコを張り詰めさせている…。
それは不思議な気がした。
不思議で、そして何故だか俺もそのことに欲情していた。
奴の指が、俺の尖端の敏感なトコロを撫でる。
「ぁんッ!」
限界が来た。
「た…高垣…もう…」
俺は奴の腕にしがみついて、涙目で懇願した。
目と目が合った。高垣の頬が紅潮している。
「クソッ…俺も…」
2人、ほとんど同時に果てた。
社員旅行で温泉街に来ていた。
俺と高垣とは同室。本当はもう1人来て3人一部屋の予定だったけど、体調が悪くなったとかで、当日キャンセルになった。
でもまさか、後輩の高垣と2人きりになったからといって、こんな危機が訪れるなんて思ってもみなかった。
せいぜい、部屋を広く使えるなと思った程度だったのだ。
宴会場でみんなで晩飯を食べた後、俺は高垣よりちょっと遅れて温泉に入った。
そして、浴衣を着て部屋に戻った。
そうしたら…高垣が、目の色を変えて襲ってきたのだ。
「ぁ、いや、ダメ…ぁあッ!」
2人とも、ほとんど裸だ。帯に浴衣が絡んでいるような状態で、俺は…高垣に信じられないような場所を攻められていた。
そう…指で…その…後ろを…。
お互いが放った粘液で、ぬるりと入ってきた指が…俺の中を侵している。
入ってきた瞬間、気持ち悪くて嫌だと思ったのに…なのに今は…。
「ぁッ!ぁッ…イヤッ…高垣ッ…ぁんッ、イク」
その指の動きに翻弄され、感じていた。
「ココ?ココが…イイ?」
「イヤッ、馬鹿…訊くな…ッ!ぁぁぁあッ!」
昇り詰めそうになった時、指が抜かれて、高垣が俺の脚を割り広げ、圧しかかってきた。
「……!」
「もう、いいだろ?」
「え…あ…」
無理!と思ったが、ソレはゆっくりと俺の中に入ってきた。
「ぁ…ぁ…ぁ…」
「クソ、宮田さん…マジ、良すぎる」
高垣はそう呟くと、グッと根本まで俺の中に収めた。
「ぁああッ!」
無理に拡げられた、その痛みよりも、それまでに感じさせられていた指での愛撫を、身体が思い出す。
「…大丈夫?」
なんて訊かれたけど、返事をする余裕は俺には無かった。
汗と涙でグチャグチャの俺の頬を、高垣はそっと指で拭うように撫でた。
「…ぁ…」
息を飲む。触れる手の全てが愛撫のようで、俺の身体は粟立った。
「敏感だな」
高垣は、そう言って目を細めると、腰を使い始めた。
「ああッ、ダメッ、あッ、あッ、あッ」
突き上げるリズムに合わせて、俺は喘いだ。
「宮田さん…宮田さん…ッ」
高垣が、耳元で囁く。
それから、耳を舐められて…身体が震えて…。
「すごい…宮田さんの中…熱くて…締め付けてくる…」
「う…嘘ッ…あッ…ダメ…いやだ…」
俺の口から漏れる声は、自分でも全く抵抗しているように思えない、甘い声だった。
片足を、高垣の肩にかけるような体勢で犯され、股関節が痛い。
でも最中はそんなことに気付かないくらい、浸っていた。
自分でも不思議だけど、すごく感じてしまった。
それにしても…。
高垣が、こんな鬼畜だとは気付かなかった。
背が高くてハンサムで、だけど気取ったところもなく、気の良い男という印象だった。
確かに俺になついている気はしていたし、他のメンバーもそう認めていた。でもまさかこんなことを考えていたなんて…。
俺の身体に腕を回して、奴はすやすや眠っている。
その腕の中から、俺はよろよろと這い出した。
「うわ、ベタベタ」
何がどっちの、何の液体だか分からないほどの状態になっている。
とりあえず、シャワー浴びたい。
立ち上がろうとしたが、少しフラフラした。腰も痛い。しかしそれは鈍くて甘い感覚だった。
そのまま這っていって、部屋のシャワーを使った。予備の浴衣を羽織る。
部屋に戻ると、裸の高垣が風邪をひくんじゃないかと思って、軽く布団をかけてやった。
俺ってお人好し…。
そう思いながら、使わなかった方の布団に横になった。
すごくダルくて、あっと言う間に眠ってしまった。
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