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掌編小説集8 (351話~400話)

少年の嘘

作者: 蹴沢缶九郎

「僕のお父さんは会社の社長で、昨日も最新のゲーム機を買ってもらったんだ」


学校の昼休みの教室、少年はクラスメイト達に嘘をついた。少年の父は社長などではなく、中小企業の営業マンであり、勿論最新のゲーム機を買ってもらってもいない。


「おい、またこいつのお得意の嘘が始まったぞ。もう騙される奴なんかいないんだよ、嘘つき野郎」


少年の嘘を見抜いていたクラスメイト達は、誰一人少年の言葉を真に受ける事なく、少年を無視して教室を出ていき、後に残された少年は、寂しげな表情で生徒達で賑わう校庭をいつまでも眺めていた。



その日の夜、少年の夢に現れた悪魔が言った。


「よし、良い子だ。今日も立派に嘘をついたね。お前には毎日嘘をつかないと死んでしまう呪いをかけてあるんだ。私はお前が孤立していく様が楽しくて仕方がない。死にたくなければ、明日もちゃんと嘘をつくんだよ」


ニヤリといやらしく笑う悪魔に、


「うん、わかったよ」


と、少年は人生で最後となる嘘をついた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 嘘でゲシュタルト崩壊しそうです。
[一言] なるほど(´◉◞౪◟◉)。悪魔のたくらみは成功したんだか失敗したんだかってとこですね。
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