縁合姉妹
「香里……!」
「え……!?」
誰だろう……私の知らない女性が、私の名前を知っている──
「あ、あの……あなたは……っ!?」
──?
香里は“私”を知らない──?
実の母親は、“私”のことを……香里には話していないようだ。
それは、何故……?
「稔夜さん……」
「なぁに?颯斗くん」
「このまま、僕たちは見守っているんですか……?」
「まぁね~、だって出番が無いじゃない」
「でも、戦うとか喧嘩?とかじゃなくて良かったですね」
「まぁ、それは分かんないよ」
「え……?」
「喧嘩は誰だってするさ。血の繋がった人間であろうと、縁のゆかりも無い人間であろうと。」
「そうですけど、今のところは何も無くて良かったです!」
「まぁ……初対面から、いきなりバトルを繰り広げられても、こっちが困るからね~(笑)」
でも、ちょっと惜しかったかな~☆
いきなり、襲い掛かる《狂変乙女》こと、石嶺詩里と戦う“罰族詩”の立花香里の姿を見てみたかったのに。
まぁ、実の姉妹の感動の再会だ。
色々と話すこともあるだろう。
さて、俺たちは引き上げるとするかな。
「帰ろうか、颯斗くん」
「え……?は、はい」
彼女たちのことは、“彼女たち”にしか分からないことだ。
赤の他人が、首を突っ込むところでは無い。
ま、このまま居ても時間が勿体ないから……
あ、そうだ☆
あるじゃん、俺頭良いなぁ♪
「さぁ、颯斗くん!大人の世界へ連れて行ってあげるよ」──