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某月某日【サンタのおっちゃんは苦悶中】
作:阿厨季夜



それは僕がテスト期間中、昼間に帰路を歩いていた時のことだ。
いつも通りかかる市民公園を、いつものようにただなんとなく、見やった。
そして僕の平凡な日常は崩れ去る。

「ちくしょう…」

そこにはおなじみ白赤厚着のおじちゃんが、ブランコをキィキィいわせていたのだ。
け、警察ですか!? 僕見てはいけないモノを見てしまいました! 早めに連行してください!!
それも手には何か色とりどりの紙束が。
あ、もしかしてあれ? 子供たちからの手紙だったりして。
…にしても今さっきから
「ちきしょう」
だの
「ちくしょう」
だの(大差は別にないが)繰り返しているんですが。

「こんなんじゃプレゼント配れないよ〜」

サンタが頭抱えてる。
もしかしてサンタさんはボランティアだったりして。つーことは、失業か何かでプレゼントが買えなくなったとか!?
僕は現場から、おじちゃんのレポートを続けることに致シマス。





俺は手紙の一つを新たに取り出した。手が震える。
最近、冒頭に可愛らしく『さんたさんへ』って書いてあるやつ見なくなったなぁ…なんてなんとなく思う。



『ぼくに じゅうとうぼうえいほうに かからないくらいの ながさの ナイフをください』

この子何考えてるかわからないよ!!
銃刀防衛法!?
超博識じゃねぇか!!
てか危ねぇよこいつ!!
何するの? そんなモンもらって何するの!?

もう一枚。あー、恐いよ。子供たちが恐いよー。



『おれ、サンタさんのふく、りゅう向おくれだとおもう』

意見来た!!?
衣裳変えて泥ボーと間違えられたらどうすんだ!?
てか無理して漢字で書かなくてもいいよ、サンタさんも漢字苦手だから!
誇れねぇけどな!!
アジの開きぐらい開き直りまくってるから!



『オリヒーメ(織り姫)ト ヒコボシー(彦星)ガ チャント メグリアエマスヨーニ』

七夕オチ!!?
ノルウェーからはるばるやってきたサンタさんを完璧シャットダウンだね!?
てかどんなに日本語慣れしてない外国人でも、こんなコメディアンみたいな境地に陥るかー―!!!!!
…うん、でも他人を思いやる君はすんばらしい人間だよ!





僕は、公園の入り口のレンガ塀の後ろに身を潜め、再びじっくり手紙を読み出したサンタに全神経を集中している。
そのサンタが突然飛び跳ねるようにブランコから降りたので、僕はビクッとなった。

「ぅおっしゃー!!!!
うっし! 俺はやってやるぞ!」

サンタ、叫ぶ。
…サンタが子供たちの為に強盗を決意した模様。
僕は静かに携帯の110番を押した。

完。


エ、エンタメ性を意識して書きました!――という逃げ腰。













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