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紙容器の精霊と魔物達



星祭りの翌日、リーエンベルクにはまたしても困った観光客達が押しかけてきた。

ヘドロの精ならぬ、紙容器の精霊である。


この生き物はベージュ色のヘドロのような外見で、げへへと声を上げそうな悪い笑顔で近寄ってくるかなり危険な精霊だ。

触られると酷い悪臭を放つ上に、観光の記念として何としてもリーエンベルクの住人に触れたいらしい。


音もなく動く上に気配もないので、案外被害者が出るのがこの精霊の怖いところなのだ。



「そんな恐ろしい日なのに、ノアがまだ帰ってきていないのです!」

「ノアベルトは魔物だからね。さすがに紙容器の精霊には襲われないのではないかな」

「ムグリスディノも、保冷庫には落ちてしまったでしょう?」

「うん…………。あの保冷庫は、とても恐ろしいから、きっと魔物でも落ちてしまうのだろう。でも、ノアベルトと相談してリーエンベルクの住人が落ちたりしないように魔術を敷いておいたから、もう大丈夫だよ」

「………なぜでしょう。そうなると、アルテアさんかウィリアムさんが落ちるような気がします」



その後も高位の魔物や人外者達を次々と飲み込んでいった恐怖の保冷庫なのだが、ネアはこの時から惨劇がこれで終わらない予感を覚えていた。


特に、その翌月に氷漬けになったアルテアに関しては、揺るぎない予感を持っている。

誰よりも事故る魔物が、保冷庫に落ちない筈もないのだ。



「ところでディノ、保冷庫さんは途中から名前が変わりましたが、どうして氷室ではなくなったのでしょう?」

「以前は氷の魔術と、その呪いを上手く利用して中身を冷やしていたんだ。ただ、そうすると氷の属性とは相性の悪いものは冷やせなかったからね。夏くらいに、ノアベルトが手を貸して氷室としての要素とは別に、保冷の魔術を敷いた区画も増やして保冷庫と呼ばれるようになったんだよ」

「まぁ、それはいい事ですね。食材や飲み物などをたくさん保存しておければ、何があった時に頼もしいですから」

「そうだね。君の好きなものも色々と保存されている」

「雪苺は大好きです!雪のようにしゃくしゃく食べれるのに、甘い苺の味がして堪りません」



そんなことを話して今日のお昼ご飯のデザートについて考えていたネアは、ムギャーという凄まじい悲鳴が聞こえてきて飛び上がった。



素早くディノと顔を見合わせて、間違いないと頷き合う。



「狐さんが……!!」

「ノアベルトだね」



慌てて二人は、美しい瑠璃色の絨毯を踏んで生活している棟を抜けると、悲鳴の聞こえてきた中央玄関口の方に急いだ。



そしてそこには、ネア達が想像もしていなかった大惨事が待ち受けていたのである。




「おや、ネア様」

「ヒルドさん!ノアが……………まぁ……」

「この通り、お客人も巻き込まれてしまいまして」



ヒルドは玄関ホールの前の広いアプローチの上に立ち、その下の階段の踊り場のところで討ち死にした者達を呆れたように見ている。

小走りに駆け上がってきて報告をしてくれたのは、リーナだ。



「申し訳ありません。…………お客人と、銀狐が………」

「あなたが案内役だったのですか?」

「はい。紙容器の精霊は厄介なものなので避けるように言ったのですが、………その、なぜか囲まれてしまい…………」

「リーナさん、あちらのお客様も逃げられなかったのでしょうか?」

「…………あまり申し上げたくはないのですが、要領が悪いと言いますか………」

「ふむ。何となく理解出来ました。…………ディノ?」

「……………どうして避けられなかったのだろう」




眼下には、なぜか紙容器の精霊に囲まれてしまい、その中の何体かに触れられてしまって涙目になっているお客様がいる。

少し離れた位置で同じ目に遭っているのは、ネアが心配していた銀狐だ。

こちらは尻尾を膨らませてけばけばになっており、ぶるぶると震えながら悲しい目でヒルドに助けを求めていた。



「ほぇぇ…………。た、助けて」



そしてなぜか、人型なのに紙容器の精霊に囲まれて逃げられなくなってしまったお客様は、残念ながら雲の魔物なのである。

案内役だったリーナは、まさかの白持ちの魔物が討ち死にしてゆくところを見せられてしまって、さぞかし悲しかっただろうとネアは思い、その心内を思って合掌しておいた。



「ヨシュア、転移は出来ないのかい?」

「ふぇ。………ここは排他結界が多いから、転移は禁止なんだよ。やれば出来るけど、やったらシルハーンがきっと怒るんだ。……ぎゃあ!また触ってくる!!」

「……………では、飛び越えられないのかな?」

「飛び越える…………!」



ヨシュアは、その手は考えてなかったという目をして泣き止み、ネアの隣にいたヒルドは頭を抱えてしまった。

身長は充分に高いので、一跨ぎで紙容器の精霊くらい回避出来た筈なのである。



「ネアに用事があって来たんだよ!」

「むぎゃ?!その体で駆け寄って来ないで下さい!!去るのだ!!!」

「ヨシュア、そこから話せないのかい?」

「ふ、ふぇぇぇ」

「泣き止んで下さい。ヨシュアさんもいい大人なのですから、しゃっと魔術で体を綺麗にするとか、お風呂に入るとか出来る筈なのです」

「僕、一人では入浴しないよ。普段はやって貰う」

「………………典型的な駄目な王様の生活です。ラエタの時はどうしていたのだ」

「ネビアに手伝って貰った」

「……………まぁ」



それはそれは白薔薇の魔物は大変だったろうと、ネアは懐かしい生真面目な魔物の面影に頭の下がる思いだった。

色々と大変なこともあったあの影絵の中の暮らしで、彼はヨシュアの面倒も見ていたのだ。



(とてもいい人だったのだわ…………)



そんなロサには是非に幸せになって欲しいと思いつつ、ネアはまず、身内相当の銀狐を救助するべくそちらに行こうとした。



「ぼ、僕は…………」

「むむ。ヨシュアさんは自分のことは自分で出来る、良い大人だと思うのです」

「…………君は、僕をもっと大事にするべきだと思うよ!ハムハムだって……………ふええ」

「なぜにここで号泣なのだ」




雲の魔物が大人気なく泣きじゃくり出したので、側にいた騎士達はひどく困惑している。

ネア様がとうとう雲の魔物まで泣かせたと聞こえてくるが、これは巻き込まれ型の事故であって、ネアは決してヨシュアを虐めた訳ではないのだ。



「おのれ、私の評判の為にも泣き止むのです!ハムハムさんがどうかしたのですか?」

「……………い、……ふぐ、……家出した」

「まぁ………………」

「イ、イーザから、ハムハムはラエタから帰って来た後に家出したって言われた。ぼ、僕は、三ヶ月近くも身代わり人形に話しかけていたんだ………」

「ハムハムさんは確か飛蝗さんな筈です。精巧な身代わり人形とは…………」

「ハムハムは器用なんだよ…………」

「どこまでも謎めいてきました」



しかしながら、まずはヨシュアを泣き止ませて、臭い匂いのする部分を綺麗にさせなければいけない。


泣きじゃくる雲の魔物は、頭痛がしてきてしまったのか頭を押さえたままのヒルドの手配で、入浴と着替えを手伝ってくれる家事妖精に任せられた。

ヨシュアは知り合いが助けてくれないと一生懸命に不満を言い立てていたが、そもそもネアが入浴の手伝いをするのはどうなのだろうとヒルドに言われてようやくそのことに気付いたのか、ディノの方を見てからしゅんとすると、大人しく家事妖精に連れて行かれる。



その隙にと、ヒルドは以前に霧雨の妖精のお城に行った時に交換したというイーザの魔術端末に連絡を入れていた。

話し振りからすると、イーザはかなり恐縮してしまっているようだ。



そこまでをやってくれてから、ヒルドはまず銀狐を洗いに行くようだ。

銀狐なら家族であるし、そもそもサイズ感的にも洗える大きさなのでネアが引き受けようとしたのだが、綺麗になったヨシュアが戻って来てからのことの方をと頼まれる。



「仮にも、雲の魔物ですからね。あの方はその残忍さでこそ、名を馳せている魔物です」

「すっかり泣き虫な子ですが、それを踏まえてお迎えが来るまで大人しくしていて貰いますね」

「…………なぜみんな、君に懐いてしまうのだろう?」

「あら、ヨシュアさんはディノにも助けを求めていましたよ?」



そんなことを話しながら、ヨシュアがお風呂から送り届けられる予定の外客用のお部屋に向かっていると、廊下の向こうからまたしてもムギャーと言う声が聞こえ、ネア達は振り返った。



「…………すっかり、紙容器の精霊さんが怖くなってしまったようです。見ただけで大騒ぎですね………」

「ノアベルト………」


紙容器の精霊がトラウマになってしまったのか、銀狐はヒルドに首の後ろを掴まれてぶら下げられたまま、窓の外のベージュへどろを見付けて大騒ぎしている。

普段は優しく抱き上げるヒルドだが、さすがに今日は臭いへどろがついているのであの持ち方だ。



「………それにしても、なぜに毎年リーエンベルクに観光に来るのでしょう?違う土地に観光誘致することは出来ないのでしょうか?」

「どうなのだろう。もしかしたら出来るかもしれないね」

「今年も、悪い顔をして笑いながら狐さんの尻尾に触っていました………。駄目な観光客のお手本のような方達ですね」

「入ってはいけないと言われる場所程、入り込みたがるそうだ」

「どうせなら、その紙容器を捨てた方のところに出ればいいのですが、そうなると私も楽しく買い食い出来なくなってしまうので致し方ありません」

「観光したいという欲求は、どうして持つのだろう………」



ディノは、相変わらずよく分からない生態の紙容器の精霊にすっかり弱ってしまっている。

そのような生き物がとても苦手なようで、廊下を歩きながら窓の外にベージュへどろを発見してきゃっとなっていた。

しょんぼりしているので、ネアはしっかりと三つ編みを握っていてやった。




「ふぇぇ。………僕は、あんな精霊なんか滅びればいいと思うよ」



ややあって、外客用のお部屋に綺麗にして貰ったヨシュアがやって来た。

よろよろとやって来ると、へにゃりと崩れ落ちてディノの側に蹲る。



「ヨシュア………」

「どうしてシルハーンは、こんな恐ろしいところで暮らせるんだろう」

「紙容器の精霊は今日しか現れないからね」

「ほぇ………。じゃあ、今日を生き延びればいいんだね」

「大げさなのです。臭くされるだけではないですか」

「君も臭くされてみればいいんだ!囲まれたら逃げられないんだよ」

「一跨ぎに出来たでしょう?」

「い、意地悪人間め!……シルハーン、ネアが虐める」

「跨げば良かったんだろうね」

「ふぇぇぇ!!」

「もはやぎゃん泣きです……………」



困り果てたネアが撫でてやると、ヨシュアは涙に濡れた顔を上げてこちらを見た。

涙に濡れた銀灰色の瞳は美しく、ベージュへどろに触れられて泣いてしまったとは思えないくらいに鋭利な程の美貌だ。


顔の片側にある繊細で美しい白い模様がどこか人間離れした容貌を際立たせるのに、ふぇと泣き声を上げるので台無しになってしまう。



「もっと撫でるかい?」

「む。懐きました」

「ヨシュア、この子は私のものだから、撫でられてはいけないよ」

「ふぇ。ぼ、僕は紙容器の精霊に虐められて、ハムハムが居なくなったばかりなのに!!」

「…………ところで、ヨシュアさんはなぜ、私に会いに来てくれたのですか?」



ネアがその質問を切り出したのは、もっともなことだろう。

しかし、ヨシュアはその本来の目的をすっかり忘れてしまっていたらしく、はっとしたように目を丸くする。



「……………そうだ。ぼ、僕は、ゼノーシュを貸して貰おうと思ったんだ。ネアのなんだよね?」

「むぅ。ゼノは私のお友達であって、所有物ではありません。ゼノの力を借りたいのなら、ゼノ本人にお願いしてみて下さいね」

「…………シルハーンから、言ってくれる?」


すかさず甘えてきたヨシュアに、ディノは困ったように首を傾げた。

その様子を見て、ネアは一番に懐かれていた頃はさぞかし大変だったのだろうなと想像出来てしまう。



「その、ハムハムを探すだけのことだね?」

「そうだよ!ハムハムは、僕の大事なペットなんだ」

「それであれば、君に力を貸す時間があるかどうか、尋ねてみよう」

「命令はしないのかい?」

「ゼノーシュにも仕事や生活があるんだよ。君もそうだろう?」

「…………そうなのかな。でも確かに、命じられると困ることもあるね」



悲しげにくすんと鼻を鳴らしたものの、ヨシュアは素直に頷いた。

そうして、ネア達にハムハムのことを話してくれる。



「ハムハムは、青い飛蝗なんだよ」

「…………私には、青い人参に見えました」

「物凄い長生きでね、多分五千年は生きてる」

「…………飛蝗とは」

「それにね、絵が上手で滅多に喋らないけど、モギュモギュ鳴くんだ」

「…………会話は出来るのですか?」

「なぜだか、分かるんだよね。きっと、物凄い魔術を持っているんだ。特別なスープしか飲まないし…」

「待って下さい。お食事をするのなら、なぜに家出に気付かなかったのでしょう?」



スープを飲まなければ、普通なら異変に気付くだろう。

そう思ったネアに、ヨシュアは首を傾げた。



「スープは飲んでたよ?それに、一週間に一度くらいは鳴いてた。でも僕が人形だと気付くと、ただの枯れ木になったんだ」

「……………飛蝗とは」



ネアはすっかり困惑してしまったが、ディノがこっそり教えてくれたことによると、それはきっと本当は飛蝗ではなく、畑の魔物の亜種なのではないかと言うことだった。

姿としても、その生き物で一致するという。



「………ヨシュアさん、どうしてハムハムさんを飛蝗だと思ったのでしょう?」

「奥さんが教えてくれたんだ。青い飛蝗は珍しいよね」

「ほわ…………」



それはもう何とも言えないところなので、ネアはディノと顔を見合わせて口を噤んだ。

それでハムハムと上手くやっているのなら、いいではないか。



「ヨシュアさん、いいですか?家出に気付かなかったとなれば、きっとハムハムさんは傷付いている筈です。どれだけハムハムさんを大事に思っているか、きちんと言ってあげなくてはいけませんよ?」

「…………ほぇ。そうすると許してくれるのかい?」

「許して貰えるには時間がかかるかもしれませんが、きっと心が少しずつにでも動きます」

「………すぐに帰ってきて欲しいんだ」

「でも、この三ヶ月近く、ハムハムさんは傷付いていたのかもしれません。それをすぐに許してくれというのは、とても我が儘なことでしょう」

「ふぇ。…………ハムハムは、怪我とかしてないかな」

「きっと無事でいてくれますよ。だからもう、泣かないで下さいね。私からも、ゼノに頼んであげますから」

「…………うん」




そこで、こほんと咳払いが聞こえ、ネア達は振り返った。

するとそこには、ヒルドと、ヒルドの肩に乗った銀狐、そして駆けつけてきたらしいイーザがいる。



「まぁ、イーザさん。大晦日振りです」

「重ね重ね、ヨシュアがご迷惑をおかけしました……………」


そう頭を下げたイーザは、すっかり恐縮してしまっている。

ネアは不憫な保護者に慌てて首を振った。


「いえ。びっくりしましたが、大切な方が行方不明ともなれば、驚いてしまいますよね」

「だとしても、他の方にご迷惑をかけてもいい訳ではありませんからね。リーエンベルクの皆様には、私からあらためて御礼をさせていただきます」

「イーザ、我々とて、あの時はどれだけお世話になったことか。お気になさらず」

「ヒルド、そうはいかないですよ。これはヨシュアの不始末ですからね」



(あ、何だかいつの間にか仲良くなってる雰囲気が…………)



ネアの知らない間に、ヒルドとイーザは交流を深めていたようだ。

霧雨の一族はとても気持ちのいい者達ばかりだと話していたので、ヒルドもこのイーザが気に入ったのだろう。


その代わり、ヒルドの肩に乗った銀狐がけばけばになって震えている。

なぜそこにいるのかと思ったが、領土主張の一環であるらしい。




「それとヨシュア、ハムハムであれば、霧雨の妖精の城におります」

「……………ほぇ。見付けてくれたのかい?」

「いえ、家出したその日から、父達と話をしてあの城に居候しているようですね。あなたが迎えに来ないと、毎日怒っていましたよ」



イーザにそんな真実を明かされ、一度は立ち上がったヨシュアは、目を丸くしたままへなへなと座り込んでしまう。



「…………あなたは、怒るでしょうが、ハムハムも傷付いていたようですから」

「………………良かった。怪我をしたり、鳥に食べられてしまっていないんだね?」

「ヨシュア…………」

「ハムハムは、大事なペットなんだよ。誰かがいなくなるのは、もうたくさんだ」

「………であれば、このまま城に行きましょう。きちんと謝るように」

「うん。ネアにも言われたんだ。きちんと謝って帰ってきて貰うよ」

「それと、…………一つ気になっていたのですが、あなたに預けてあったモスモスはどうしました?」

「ほぇ……………」



そこでヨシュアは、見ていて分かるくらいに情けない顔をした。

くしゃりと座り込み、それからぱっと笑顔になる。

その直後、部屋の外から誰かがもの凄い勢いで駆け出してゆく音が聞こえ、ネアはイーザ以外にもお客さんがいたことを知った。




「ヨシュア?」

「………あ、オズヴァルトに預けたんだ。思い出したよ」

「……………オズヴァルト?」

「この国の人間の王子だよ。ラエタで一緒にいた人間がもう一人いたと話しただろう?」

「まぁ、オズヴァルト様とも仲良しになっていたのですね?」

「そうだよ。たまたま会ったし、僕はその時噴火している山に捜索に行かなきゃいけなかったから、モスモスが危ないと思って預けたんだった」

「その方は今はどこに?ルイザに教えてやらなければいけませんから」

「ほぇ。…………どこにいるのかな?」

「……………ヨシュア」




ここでヨシュアはイーザにこってりと叱られてしまい、リーエンベルク側は特別にエーダリア経由でオズヴァルトを探してあげることとなった。



なお、一足先にルイザに発見されてしまったオズヴァルト元王子は、美しい霧雨の妖精に殺されかけて蒼白のところを保護された。

しかし、イーザ曰く、心なしかうっとりしていたのでトラウマにはならないだろうという事だった。

ネアにはよく分からないが、イーザにはその区別がつくのだそうだ。



ヨシュアは重ねて叱られてしまい、オズヴァルトはお詫びとして霧雨の妖精のお城に招待されたらしい。


出会い頭に誘拐犯として殺しかけてしまったことをルイザは心から詫び、そんな霧雨の妖精の取り替え子を、肋骨を折られたオズヴァルトは快く許した。

すっかりルイザと仲良しになって半年も霧雨の妖精のお城に滞在する事になるのは、オズヴァルトが正式に継承権を放棄したと公表されてからのことになる。



オズヴァルトとルイザが伴侶になるのは、更にその先のことだが、その前にはオズヴァルトに失恋したモスモスがリーエンベルクに家出してくるという事件もあるのだった。










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