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星祭りの準備とボラボラの影



新年の最初に訪れる祝祭は、ネアが昨年惨敗した星祭りだ。


新年の最初の新月の日に、その年の初めての流星雨が降る。

初めての流星雨なので空の上の者達も張り切り、たくさんの祝福深い星屑がこぼれ落ちてくるのだ。



そうして、地上の者達は星屑が落ちてくるのを拾い集め、その星屑を握り締めて願いをかける。

そうするとその星屑が願いを叶えてくれるらしいのだが、残念ながらネアは叶えて貰ったことがないので未だその成就の場面を見ていない。


今年こそは叶えてみせようぞと意気込んでおり、昨年も使った星屑収穫鞄をきちんと手入れしてある。

ウィームの領民達と違うことがあるとすれば、ネアはリーエンベルクの敷地内で収穫するので、年末年始に売り出す星屑のレアスポットが記された地図を買う必要がないことだ。



「今年こそは、同性のお友達を作ります!そして一緒に遊びに行ったり、お泊まり会をしたり、楽しく過ごす予定なのです」

「ご主人様が虐待する…………」

「なぜなのだ」


ネアは油断のない目で魔物を観察し、もしや願い事が叶わないのはこの魔物の妨害があるのではと訝しむ。


「ご主人様…………」

「ディノ、今年は私が星屑にかけるお願いを邪魔してはいけませんよ?」

「………ひどい。だれかに浮気しようとしてる」

「ディノ、同性のお友達と遊びに行くのは、浮気ではないのです。そこはどうぞ心を広く持って下さいね」

「その友達に、君を守れるのだろうか?」

「むむ。お友達とは同じ立場で遊びたいので、私を守ってくれる必要はないのです」

「…………その友達はやめようか」

「なぬ」



ネアはこの話題は出すだけ損だと察し、ぴたりと黙った。

しかしそうするとディノはすっかり怯えてしまい、同性のお友達を作ることの危険性を滔々と語られる。

しかしネアがしゅんとするとそれはそれで慌ててしまったのか、腰に紐をつけてもいいと言い出した。



「なぜそれなのだ」

「君が甘えられるからね」

「解せぬ」



そこでネアは少しだけ甘えることにして、ムグリスになって貰った魔物を沢山撫で回して心を鎮めた。

フキュンフキュン言うまでお腹を撫でられてしまったムグリスディノが膝の上でぴくぴくしている内に、ネアはテーブルの上の雪菓子をぽいっと口に入れた。



しゃりしゃりじわりと染み渡る甘さに頬を緩ませていると、復活したムグリスディノがまた撫でて欲しそうにちらちらとこちらを見ている。



「ふふ、さてはくせになりましたね。てやっ!」

「キュ!」



かくして、またしてもぴくぴくするまで撫で回されたムグリスディノは、ちびこい三つ編みをへなへなにしてネアの膝の上で丸まった。




「…………ディノ、お昼の後は街に出ますので、それまでには生き返って下さいね」

「……………キュ」



ぴくぴくしたままのムグリスディノは襟元に入れておき、ネアはイブメリアから新年までの時間にすっかり飽食してしまった肉体を鍛え直すべく、お庭に出てみることにした。

屋内だとすぐに怠けてしまうので、きちんとコートを着て外の雪の上を歩いてみることにしたのだ。



「おや、庭に出られるのですか?」


ネアの暮らす棟から隣の棟に移動すると、中庭に出られる扉のところで雪靴を履いていたネアに、通りかかったヒルドが声をかけてくれる。



「ええ。イブメリアから沢山美味しいものをいただいてしまったので、少し運動しておかないとと思いまして」

「ディノ様は?」

「ムグリスディノになってここに」

「では大丈夫ですね。ただし、中庭の保冷庫が開けられていますので、そちらを歩く際にはご注意下さい」

「まぁ!教えて貰って助かりました。有難うございます」



ヒルドの助言に感謝してから、ネアは雪深く美しい中庭に出た。



「……………ふぁ」



するとそこは、えもいわれぬほどに美しい冬の趣き深さがぎゅっと集められたような素晴らしい空間だった。



白緑の葉をつけたモミの木に似た庭木に積もった雪は、その枝先のところが凍っていたり、祝福や魔術が生まれた箇所は青白い結晶が出来始めている部分もある。

雪のヴェールをかぶった白薔薇に、水仙やアイリスの花。

魔術が豊かだからこそ冬にも咲き乱れる花々はどれも、雪のヴェールをかけた冬だけの色を見せてくれる。



雪を踏む音だけが響き、辺りはしんとしていた。



音を吸い込む雪のその上は、陽光を浴びて一度だけ薄く溶けたのか、ざりざりっとした氷菓子のようになっていて複雑に陽光をきらめかせている。



「ディノ、いつ来てもまた新しい雪が降ってくれるので、こんなにすぐ近くのお庭でもいつも美しいのです。………心の奥までしゃきんとする雪の香りですね」



さくさくと雪を踏む雪靴には、ウィリアムに貰った終焉の祝福を込めた靴紐を使っている。

実はシーの作る死の舞踏は幾つも作り出せるものではないので、これでリーエンベルクの中で過ごす時もネアが安全だと、ヒルドもこの贈り物は喜んでいた。


外出用のブーツには、死の舞踏とウィリアムの守護を。

そしてリーエンベルクの敷地内で履く雪靴には、この贈り物の靴紐なのだ。




「あの鳥は何でしょう?綺麗な緑色の鳥さんがいます」

「……………キュ」


ネアがお庭の木にやって来た小鳥にはしゃいでいると、もそもそとムグリスディノが顔を出した。

まだへなへなしているが、ご主人様がまた他の生き物に浮気をするといけないと思ったのか、頑張って復活したらしい。



そしてそこで事件が起きたのだ。




「…………あの影は!」


ネアが庭の向こうに広がる禁足地の森に見たのは、ゆらりと歩いてゆく懐かしのボラボラのシルエットだった。

むぎゃっとなってよろよろと遠ざかると、ムグリスディノも慌ててしまったのかネアの服の中に戻ろうとして足を滑らせた。


「ディノ?!」


つるんとなったムグリスディノは、すてんとまずは雪の地面に落ちたが、なぜかそこですぽんと雪にはまらずに軽い体がじゃりっと凍った雪の表面で弾んでしまう。



結果、ぽこんぽーんと弾んで飛ばされたムグリスディノは、まん丸のお団子状になったまま思っていたより遠くまで転がっていってしまった。


「ほわ、……ディノ!」


ネアは転がってゆくムグリスディノを追いかけ、その先にあったものにぞっとする。


「ディノ!元に戻って下さい!!」


慌てて叫んだが、間に合ったのだろうか。



「キュ?!」



転がるムグリスディノは、すぽんと保冷庫の中に落ちていってしまった。


慌てたネアは、ここで賢い回収方法を駆使する。

自らも保冷庫に入ってしまう訳にはいかないし、そこまで駆けてゆく時間も勿体無い。



「ディノを返して下さい!」


首飾りの金庫から失せ物探しの結晶を取り出すと、それを握ってムグリスディノの取り戻しを図った。



そしてネアの手の中に戻って来たのは、かちんこちんに固まった可哀想なムグリスディノだ。



「ディノが!」



真っ青になったネアは大急ぎで部屋に駆け戻ると、浴槽にじゃばじゃばとお湯を溜めてそこにこちこちのムグリスディノを浸けた。



手のひらの上で、凍ってしまっていたムグリスがじゅわりと溶ける。

驚きのあまりしゃきんと立っていたちびこい三つ編みがへなへなとなると、ムグリスディノはへにゃりとネアの手の上に尻餅をつく。



「…………キュ」

「ディノ!良かった………」


大事な魔物が無事だったことに安堵のあまり崩れ落ちそうになりながら、震えているムグリスディノをそっと撫でた。



「………は!ここでのんびりはしてられません。ディノ、元の姿に戻ってから、着ているものを全部脱いで下さいね」

「……キュ?!」

「もじもじしている時間はないのですよ!一刻も早く脱いで下さい!!」


ムグリスディノはご主人様の指令のあまりの内容にけばけばになって三つ編みも逆立てていたが、立ち上がろうとしても、もぞもぞこてんとなってしまう体の状態に本人的にも何かがまずいと気づいたようだ。




「…………ごしゅ、じんさま」



浴槽の中で元の姿に戻ると、情けなさそうに濡れた水紺の瞳でネアを見上げる。

ノアの時もそうだったが、やはり魔物も保冷庫には敵わないのか、ぶるぶる震えながらうずくまっている。



「指先もかじかんでしまっているでしょうから、私が脱がせてあげますね。少しだけ、手を持ち上げたりして協力して下さい」

「え、……………じ、じぶん……で」


魔物は頬を染めて抵抗したが、大事な魔物の一大事にネアは一切の容赦をしなかった。

押さえ付けて要領よく上から脱がせてゆくと、寒さとは違う意味でディノはふるふるしてしまう。



「ネア、………ちょっと、………」


ディノは弱々しく氷のように冷たい指先で必死に抗うのだが、ネアは男前にコートとセーターを脱ぎ捨てると、自分も浴槽の中に身が浸かるのも厭わずに引き続き魔物の身ぐるみを剥いでいった。



「ご、ごめんなさい」

「なぜに謝るのだ。さぁ、全部脱ぐのです!!」


かなり脱がされてしまったところで、ディノはよろよろと浴槽の反対側に逃げて行くと、魔術で衣服を消してしまうことが出来るからと必死に言いつのり、何とかネアの手を逃れた。



しかしながら、着ているものを脱ぐまで見張っている怖い人間は浴室から出て行かないので、ディノはすっかり弱ってしまったようだ。



「私が入浴している時に入って来たこともあるのに、どうしてこれで弱ってしまうのでしょう?」

「ご主人様が虐待する…………」



せめてもの抵抗なのか、タオルで少し隠しながら、ディノは浴槽の中にうずくまってめそめそしている。

大人になってから裸に剥かれる気持ちはよく分かるので、恥じらいながら泣くというその気持ちも分からないでもないが、今回は重篤な事故なのだ。



「ディノ、全部脱げましたね?」

「…………うん」

「ではお湯を熱めにして出しておきますので、まずはゆっくり浸かって下さいね」

「………うん。きみ…みょ、…………君も、……にゅ、濡れてしまっているよ?」

「ふふ。少しまだ呂律が回らないのですね。でも、無事に解凍されてくれて良かったです」


浴槽のへりに寄りかかって、ネアは安堵の微笑みを浮かべた。

するとディノは目元を染めてしまい、ぐりぐりと頭を押し付けてくる。



「私の時は、守護の関係でこの後でとても眠たくなったのです。ディノはどうなのでしょう?」


ネアが尋ねるとディノがこてんと首を傾げたので、ネアは家事妖精に湯たんぽを頼むと同時に、お部屋の温度を高くする為に魔術端末からノアに助けを求めた。

可動域が低すぎて、ネアには室温調整が出来ないのだ。



「すぐにノアも来ますからね。………ふと思ったのですが、このリボンにも保管庫の保冷魔術が添付され…」


ネアはそこで、ディノの三つ編みのリボンの存在に気付き、解いてやろうとした。

しかし、そうするとディノは今にも泣きそうな絶望的な目をしたので、ネアは微笑んで約束してやった。


(取られるみたいに感じたのかしら?)


「ノアが来たら、このリボンもお洋服も、添付されてしまった魔術を剥がして貰いましょうね。駄目になってしまったりはしませんから、安心して下さいね」

「…………うん」

「まぁ、悲しくなってしまいました?大丈夫ですよ。すぐにほこほこにしてあげますし、私がずっと側にいますからね」

「…………ネア」



とは言えディノも、ノアの時と同じようにバスタオルにくるまるまでは絶対に一人で頑張ると言い張り、ネアは心配のあまりはらはらした。



「後ろを向いていてくれるかい?」

「し、しかしばたんと倒れたら怪我をしてしまいます!」

「見られるのは構わないけれど、……その、……色々と歯止めが効かなくなっても困るからね」

「………む?」

「ほら、ここで立ち上がるだけだから、少しだけ扉の方を向いておいで」

「なぜか私が説得されています…………」


渋々言う通りにしたネアだが、すぐに背後からごちんという痛そうな音が聞こえてきた。


「ディノ?!」


ぎょっとしてそちらを向くと、ディノが額を押さえてふるふるしているではないか。

慌てて駆け寄るとネアはディノの背中越しに手を伸ばしその額にそっと触れる。



「…………ネア」

「可哀想に、ふらついてしまったのですね」


頬や腕に触れるのは、すべすべしていていい匂いのする素肌の体温だ。

ネアはその温度に自分の服が濡れていることを思い出し、慌てて離れた。


「………逃げた」

「む!違いますよ。私の洋服が濡れているので、ディノが冷えてしまいます」

「君は寒くないのかい?」

「ええ。ほら、タオルでくるんであげますから、このままここにいて、ノアに運んで貰いましょうね」

「…………それはやめておこうかな」



ディノはよろよろとまた立ち上がると、ネアが持って来ておいたバスタオルを体に巻きつける。

ネアも濡れた三つ編みをバスタオルの外側に引っ張り出してやり、ディノはここで頑張って魔術を使い体の水気を飛ばした。



「…………ディノ」


またふらりと体が揺れる。


もたれかかってきた体を抱き締めたが、やはりネア一人で支えるには無理があったのか、じりじりと浴室の壁に追い込まれてその壁の力も借りて支えるような構図になった。



「ごめんね、……どこもぶつけてないかい?」

「ええ。私こそ、ディノをひょいっと運ぶ力があれば良かったのですが………」


微笑む気配に顔を上げると、吐息が触れそうなくらいの距離にディノの瞳が見える。

微かに染めた目元と、少しだけ乱れた真珠色の髪が悩ましい。



「…………私にもたれると濡れて…」

「君が寒いといけないから、乾かしておいたよ」

「まぁ、有難うございます。……でもそれで、ふらふらになってしまったのでは…」

「…………君の吐息が暖かいね」


ほうっと息を吐くと、ディノはネアを抱き締める。

顔を寄せた素肌の温度にどきりとしながら、ネアはディノが冷えてしまっていないかどうか、首裏に手を伸ばして素肌に触れた。


それは、この体勢で手を伸ばしやすく、バスタオルに包まっていない部分で一番触れやすかったからなのだ。



「……君から望んでくれるのは珍しいね」

「…………む?」


意図せずに距離を深められてネアはぎくりとした。

触れた唇の温度に、早く温めないとという思いがよぎる。

けれどもしっかりと抱き寄せられ、この状況をどう止めればいいのかがネアにはまだ分からない。



「…………っ、ディノ。……風邪をひいてしまいますから」

「このまま君に温めて貰えたらどんなにいいだろう。……でも、君が逃げてしまったら困るし、……君の言うように、婚約者でいられる期間はもう一年しかないからね」

「ディノ……………」

「こんな風に体を動かすことさえままならない時に、誰かに触れたいと思ったことはなかった」

「………ほら、腕が冷たくなっています。お部屋に行って、火織りの毛布に包まりましょう?今日の午後はゆっくり休んで下さいね」

「…………街に………出るのは」

「ノアに渡す振り替えお誕生日のカードを書き直す為のお買い物ですので、また明日に行けますから」

「うん………。こんな風に動けなくなるのは、二度目だな」

「二度目………?」



ネアはその言葉に不安になって目を瞠った。

唇の端が緩み美しい微笑みが作られる一瞬を、こんなに近くで見ることに胸がざわめく。

その微笑みには、どこか魔物らしい独占欲が滲んだ。



「君を、この世界に呼び落とす為の魔術を使った時にね。呼んですぐに倒れてしまうと君を一人にしてしまうから、先に準備を整えておいたんだ」

「………そんなに無理をしたのですね?」

「一年程眠っただけだよ」

「一年も…………!」


ネアはびっくりしてしまい、思わず腕の中にいるディノをもう一度抱き締めた。

そうすると、ひんやりと冷たくなった髪に触れ、はっとする。



「こんなに冷えて!さぁ、今はひとまず、お部屋に移動しましょう!!毛布でくるみますよ!!」

「…………うん」



甲斐甲斐しく面倒を見られ、ぶ厚いバスタオルに包まれて羞恥はなくなったらしい魔物はほろりと嬉しそうな微笑みを深める。


ネアに手助けして貰いながらよろよろと寝室の方に移動すると、火織りの毛布に包んで貰ってほっとしたような息を吐く。


ちょうどそこに、ノアが到着した。


「ネア!シルは大丈夫かい?」

「ノア、来てくれて有難うございます」

「ありゃ。バスローブはないのかい?」

「ディノは、バスタオルでささっと拭いてすぐに着替えてしまう派なので、バスローブはないのです。今回のことで、少しだけ後悔しました」

「………僕のを着るかい?シル?………そろそろ寝そうだね」

「ディノ、湯たんぽが来る前にお洋服を……」

「……………ネアが逃げた」

「逃げていませんよ。ここにいます。さぁ、もうひと踏ん張りして、何か着ましょうね。手伝いますから」

「…………それは、いい」

「なぬ」



ディノはネアに服を着せて貰うのは恥じらって嫌がったが、結局、寝巻き的なもふもふした暖かいシャツを着せるのはネアが手伝った。

下を自分でどうにか出来ただけ良かったねとしみじみ言うノアにも、このディノの気持ちが分かるらしい。


シャツのボタンをとめて貰いながら、ディノは頬を染めて乙女のようにすっかり恥じらってしまっていた。




「うん。もう、大丈夫かな」


暫くして湯たんぽも届き、火織りの毛布に包んで貰ってほこほこになったディノが眠ってしまうと、ノアもほっとしたように安全宣言をしてくれる。


この後はとにかく眠いだけで、ぐっすり眠って起きるとまた元気になるのだそうだ。




「僕も帰って来たばかりだから、ここで寝てようかな」

「近くに居てくれると安心ですが、ノアは疲れてしまいませんか?ディノのお隣で寝ます?」

「ううん。そこの長椅子でいいよ。この部屋にいると、なんだか安心して眠れるしね」

「では、私の毛布を貸して差し上げますね。もし自分のものが良ければ持ってきま…」

「君のでいいよ!」


なぜかノアは大喜びで、ネアの毛布に包まると長椅子ですやすやと眠ってしまった。

幸せそうに微笑んだまま眠っているので、こちらも大丈夫そうだ。



「………ねみゅい」



みんな眠ってしまうと、ネアも何だか眠くなってきた。

くあっと欠伸をすると、魔物の巣から毛布を一枚貰ってきて、それに包まってディノの隣にもそもそと滑り込む。


薄く目を開いたディノが、手を伸ばしてネアを抱き込んだので、冷凍されかけすっかり甘えたになってしまったのだろう。




その後ネア達はなぜかすっかり爆睡してしまい、夕方に目を覚ましてこの一日はどこに行ってしまったのだと呆然とすることになる。



とは言え、ディノとノアは妙に幸せそうにしていたので、お昼寝というなぜか背徳的で魅力的なものをたくさん楽しめて嬉しかったのかもしれない。






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