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もう一つの舞踏会と灰色の瞳



冬告げの舞踏会から帰ってくるとすぐそこにいたので、ディノは転移で旅立った部屋で待っていたようだ。

お部屋からお気に入りの火織りの毛布を持ち込み、膝の上には雪豹アルテアを乗せて温かい飲み物を飲んでいたらしく、ネアはその向かいにノアの姿を見てほっとした。

ずっと一人で待っていたのかとどきりとしたので、ノアの存在は心強い。



「ネア……」



まずディノは、ウィリアムとアルテアに左右から抱えられ強制帰還したネアに驚いたようだ。

なのでネアは、雪の魔物と氷の魔物を見ていたらこうされたと訴える。



「そして、美味しい食べ物を食べて素敵なダンスを踊り、三角関係の戦場から飛んできた苺が直撃し、冬走りの精霊王さんは脱走したんですよ」

「怖いことはなかったかい?」

「はい。ウィリアムさんがいてくれましたし、ディートリンデさんとお連れのダイヤモンドダストの妖精さんがとても優しくしてくれました。ロサさんやヨシュアさんにもご挨拶して、ジゼルさんは子狐さんにめろめろです」


ネアがててっと駆け寄ると、ディノがふわりと抱き上げてくれる。

その腕の中でふと、ネアは、舞踏会で転びそうになったところを助けてくれた誰かの瞳の色を思い出した。


「困ったことがあったのかい?」

「アルテアさんが、恋人さん候補な美人さんにふられるかもしれません………」

「おい、やめろ」

「しかし、去年のイブメリアもお一人でしたし、ご縁は大事にした方が…」

「ありゃ、なんでアルテアもこっちに来たの?」

「そういうお前は、我が物顔で居座ってないでさっさと帰れ」

「シル、アルテアが我が儘を言うんだけど」

「ノア、アルテアさんはほら………色々あったのです」

「あ、………そっか、ふられそうで傷心なのか」

「ノアベルト、その顔をやめろ」


ここでネアはウィリアムにきちんと連れて行ってくれたことへのお礼を言い、素敵なドレスを手配してくれたお礼を言った。

また来年も行こうなと頭を撫でてくれたので、ネアは微笑んで頷いた。



「ネア様、お戻りになられましたか」


そこにやって来たのは、書類の束のようなものを抱えたヒルドだ。

エーダリアが決裁したものらしく、エーダリアはすっかり執務室で伸びてしまっているらしい。


「ディートリンデさんに会って、一曲一緒に踊っていただいたのです。ヒルドさんが教えてくれた、妖精さんのダンスのお蔭で、爪先を踏み滅ぼさずに済みました」

「おや、ディートリンデと?」

「ええ。ウィリアムさんとアルテアさんがお話をしていた時に、私が退屈しないように連れ出してくれたんですよ。何だかウィームの住人として認めて貰ったようで、誇らしいです」

「かつて、雪の妖精達がウィームの王族達と懇意にしていた頃、デビュタントの姫達にダンスを教えるのはディートリンデだったそうです。きっと、彼も楽しかったことでしょう」


ネアは持ち上げ班のディノに、ディートリンデの連れであったハザーナのことを話し、今年のダイヤモンドダストは良い夜にしてくれるという伝言を伝えておく。

また二人で見に行こうと言えば、ディノは嬉しそうに頷いた。


「何か、変わったことはなかったかい?」

「ウィリアムさんとアルテアさんに、繋ぎ石を貰いました」



ネアがそう報告した途端、ノアとヒルドがそちらを向くのは勿論、ウィリアムとアルテアも顔を見合わせて何とも言えない目をする。



「………成程。だからアルテアは、俺達の方に来たんですね」

「お前も繋ぎ石を手に入れてたのか……」



そんなことを報告されたディノは、しゅんとして悲しげにネアを見つめた。


「繋ぎ石………。ネアが、ウィリアムとアルテアに浮気する………」

「ふむ。この石をぎゅっと握りしめて、またちびふわに会えますようにと毎晩お願いするのです」

「………あの合成獣にかい?」

「ディノはあの後、ちびふわが泳げるかどうか気にしていたでしょう?それに、プールに入れた後なら、ちびふわをお風呂に入れられますしね」

「……………浮気」

「あら、ムグリスディノは、お湯で洗ったら昏倒してしまうではないですか」


ふるふるするディノを撫でてやりながらちらりと視線を横に向ければ、妙に疲れた様子で我が物顔で長椅子に伸びてしまい、ノアに叱られているアルテアや、ほっとしたように王冠を外しているウィリアムが見えた。


そしてネアは少しだけ考えて、みんなが揃っている今、この報告しておくことにした。



「それと、…」

「それと、こいつはまた、妙なお気に入りを見付けたようだぞ」


ネアが報告を続けようとすると、アルテアが背面越しに言葉を重ねてきた。


「………ネア?」

「むぐ。その方はただの通りすがりの親切な方です!寧ろ、突然求婚してくる方の方が困りものなので、ディノに念の為に話しておこうかと……む?」



そう言った途端、部屋はしんとした。

ヒルドは手に持っていた書類を机に置き、きちんとこちらに向き直って何やら長期滞在の姿勢を見せる。

ゆっくり振り返ったアルテアの目は暗く、ディノは珍しくひやりとするような魔物らしい微笑みを浮かべていた。



「ネア、その話を聞いてもいいかな」

「………聞いてないぞ」

「アルテアさんは、その時はお近くにいませんでしたからね。ヨシュアさんに問題が起こり、ウィリアムさんが巻き込まれていた時のことです」

「なんというか、本当にすまなかったな」

「しかし、社交の場でもあるのですから、あのような軽い言動の方達も時にはいるでしょう。ただ、私が遭遇したのは初めてだったので、このドレスは、私をとても上等に見せてくれたようです」

「………そのドレスを着てるのに声をかけるって、寧ろ決死の覚悟なんじゃないかなぁ………」

「いいえ、ノア。その前に一言もお話していないのに、いきなりの求婚です!かなりの玄人遊び人さんだったに違いありません。なお、ディートリンデさんが割って入ってくれましたし、ウィリアムさんが戻って来て一人の方はくしゃくしゃになりました。些細で社交の場では珍しくもない事件ですが、言わないでいて後で知ると、ディノは嫌でしょう?なので、報告しておきますね」

「………ネア、君に近づいたのは、一人ではなかったんだね?」


静かにそう尋ねたディノにはウィリアムが答える。


「一人は流氷の精霊だったようですよ。もう一人は霙の魔物ですね」

「霙の魔物か。誰だか分るのは大事なことだね」


そう頷いたディノが競合を殲滅していた頃の目をしていたので、ネアは慌てて言い重ねる。

言わないで拗れるのは御免なのだが、言ってしまったことで騒動になるのも是非に避けたい。


二人とも気軽な感じで言い寄っては来たが、最終的には自主撤退しているので、とばっちりで滅ぼさせないようにしよう。



「ディノ、お二人とも舞踏会で浮かれただけの軟派ものですよ?」

「霙の魔物とも話したのかい?」

「むむ。霙はべっしゃりしていて嫌いだと言うと泣き出してしまった方ですね。じっとりべっしゃりな心の弱い遊び人さんでしたが、ウィリアムさんが雪の魔物さんのお名前を出したら、さっといなくなりました」

「おや、ニエークは良い管理をしているようだね。求婚したのはどちらかな?」

「まぁ………。ディノ、遊び人さんの常套句ですので、あまり気にしないで下さいね」

「ありゃ、僕だって求婚なんて滅多にしないけどなぁ」

「ノア!あんまりそんな風に言うと、ディノが悩んでしまうではないですか!」



そこでネアは、お祭りごとやパーティなどで羽目を外す人達のことを説明し、その類なのだろうとディノに話した。



「ただし、私は普段はそのお声がけの範疇にいないのですが、このドレスが素敵で割り増しに見えたのか、今回ばかりは目が止まったということなのだと思います。その時は少しいつもより綺麗に見えたのかなと浮つきましたが、よく考えればとても白いドレスなので、偉いのかと思って寄ってきた計算高い人達なのかもしれませんね………」


そう思い至ると浮かれてしまったことが恥ずかしく、ネアはほろ苦い微笑みを浮かべた。

恐らく彼らは、この色に惹かれてやって来たのだろう。



「君は、どんな色のドレスを着ていても素晴らしく綺麗だよ」

「ディノ………」


少ししゅんとしたからか、ディノが珍しくそんな甘い言葉をくれる。

単純に甘やかなばかりの言葉は珍しく、ネアは唇の端に微笑みを乗せ直した。



「……ですので、あんまり深刻に考えなくてもいいのです。あの方達は、浮かれて白いドレスに寄ってきただけなのですから。とは言え、人外者さんのお作法やご縁などは私にははかりきれない部分もあります。ちびまろ事件などもあったので、きちんと報告しておきたかったのでした」

「君はそのことで怖い思いや、不愉快な思いはしていないね?」

「ええ。それと、ウィリアムさんはとてもダンスが上手なんですよ!たくさん踊ってしまいました!」

「たくさん………」

「全部で六曲くらいでしょうか?………ほわ、ディノ?!」


ネアがそう言った途端、ディノはくしゃりとネアの肩口に顔を埋めてしまった。



「……………ネアがウィリアムのダンスに浮気する」

「なぬ。ディノとだって、いつもたくさん踊るでしょう?」

「…………六曲だと?」


そう繰り返したアルテアの声の低さに、ネアはそろりと部屋の中を見回した。

ヒルドとノアもどこか呆然とした顔をしている。



「………もしや、踊り過ぎるとはしたないのでしょうか?」

「…………いえ。ただし、五曲を越えて踊ると、その相手とはかなり親密だとみなされますね。親族や伴侶など、やはりかなり心を許した相手との証になります」


ヒルドにそう教えられ、ネアは目をぱちくりさせた。


「………むむ、家族のようだと言われるとそんな気もしますが、………ウィリアムさん、私がはしゃぎ過ぎたので、付き合ってくれたのですね?ごめんなさい………」


へにょりと眉を下げてそう言えば、ウィリアムは穏やかに微笑んで首を振ってくれた。


「いつの間にかそんなに踊っていたんだな。途中で一度休憩したから、何曲踊ったのか数え損ねたらしい。俺も楽しくてつい羽目を外した。気にしなくていいからな」

「………ご迷惑になりません?」

「ネアと踊ったことが?まさか」


そうにっこり微笑んでくれたので、ネアはほっとした。



「ディノ、大丈夫でしたよ。ウィリアムさんのご迷惑にはならないようです」

「ずるい。………ネアがウィリアムと踊り過ぎる」

「むむぅ。ウィリアムさんは、ターンのところで体をふわっとさせてくれるのです。まるで宙に浮くような不思議な楽しさで、ターンの亡者になっていたらあっという間でした」

「君は、ターンが好きなのかい?」

「ええ。でも、ディノと踊る時にはゆっくりと踊るのも好きですよ。一緒に踊っているだけで楽しいですしね!」

「………ずるい、可愛い」


思わずディノの腕の中でネアが弾むと、なぜか魔物はくしゃくしゃになってしまった。

ネアがこてんと首を傾げると、慌てたようにノアが駆け寄ってくる。


「ネア、そのドレスで弾むからだよ!」

「あら、今日は素敵なことがいっぱいあって何度も弾みましたが、どなたも止めませんでしたよ?」

「ありゃ、ウィリアムも止めなかったのかい?」

「………なので今日は、子供っぽくないのかなと安心していたのですが。こちらに戻ってきて、お顔が緩んでしまったのでしょうか。むむぅ」


ネアはそう唸ると自分の頬に手を当てる。

またしても子供っぽくなるのであれば、今度鏡の前で鍛錬を積んだ方がいいのだろうか。

しかし、そもそも、大人っぽく見える表情をどこで学んでくればいいのか分らない。


そんなネアに、ノアが厳しい顔をする。


「ネア、ウィリアムは腹黒いんだ。弾んでも止めなかったのはそのせいだからね」

「弾みと腹黒さの接点がわからないのです。それに、ディートリンデさんも何も仰いませんでした」


そう言えば、なぜかヒルドが頭を抱えてしまった。


「彼は、………そういう感覚には鈍いですからね。愛情深い妖精なのですが、その手の情緒は皆無に等しい。共寝をして欲しいと言われても、不眠症なのかと考えるような男です。あの階位にあって、あれだけ生きて伴侶を持たない妖精なのは、その種のことに皆目興味がないからでしょう」

「となると、ディートリンデさんは、私が子供っぽく見えても無邪気だなぁくらいの感慨しかなかったということなのですね………」

「ありゃ、また逸れていった………」



ウィリアムは、冬告げの舞踏会の主催者達での打ち上げ的なものがあるらしく、最後に氷の結晶と雪の結晶で出来た素晴らしい花束を渡してくれて退出していった。


その花は冬告げの舞踏会の会場にあったもので、ネアがディートリンデと踊っている隙に王族相当の権限を使って分けて貰ったようだ。


今回の舞踏会の記念にと言われ、ネアはまた喜びに弾まされてしまう。



「ディートリンデさんと踊っている間は、アルテアさんとお喋りしているだけかと思っていました。こんなに素敵なものをご手配して下さっていたんですね。……ほら、ディノ、こんなお花があちこちに咲いていたんですよ?ディノにもあの舞踏会の会場を見せてあげたいと話していたので、それで用意して下さったのだと思います。ウィリアムさんは優しいですね!」

「何だか違う気がする………」

「む?花束だけではやはり想像出来ませんか?」


ディノは綺麗な水紺の瞳を悲しげに瞠ったままそう言うので、これでは感動を共有した気持ちになれないのだろうかと、ネアは季節の舞踏会には入れない魔物の髪を撫でてやる。

可哀想にと思って丁寧に撫でてやれば魔物はすっかり恥じらってしまったのか、もじもじしながらネアの手の中に三つ編みを設置していた。



「相変わらず、ウィリアムは狡賢いなぁ………」

「あいつの陰湿さは相変わらずだな………」

「清々しいくらいに真っ黒なくせに、爽やかなふりをするんだ。一番油断ならないよ……」

「あなたが言うと、重みがありますね」

「ヒルド、それなんだか傷付く!」


背後はまだ何やらわちゃわちゃしていたが、ネアはふと、綺麗な白と水色のドレスを着たままであることに気付き、ディノの三つ編みをくいくいっと引っ張った。



「ディノ、晩餐までお時間がありますし、せっかくドレスを着たままです。少しだけ一緒に踊ってくれますか?きっと、お部屋にこのお花を飾って踊ったら、少しだけ冬告げの舞踏会の気分になるのではないでしょうか?」



そう提案したネアに、ディノはほろりと嬉しそうに微笑む。


「君は、疲れていないかい?」

「ええ、今日はたくさん踊ったので少しだけ。でも、ディノと踊りたい気分の方が大きいので、わくわくしてきました。何曲でも踊れそうですが、晩餐に遅刻しない程度に」

「ったく。早く切り上げろよ?」

「うーん、僕はどの曲にしようかなぁ」

「なぬ?!なぜにそちらのお二人も踊る気満々なのだ。アルテアさんに至っては、一刻も早くリーゼさんのご機嫌伺いに行かないと、進展が見込めなくなってしまいますよ!」

「何の興味もないな」

「………場合によっては鉄拳制裁な事案になりますが、今回はどちらから誘ったのですか?」


ネアが低い声でそう尋ねると、アルテアは赤紫の瞳を眇めてふっと微笑みを深める。

前髪を掻き上げたばかりの少し乱れた髪でそう微笑めば、どこか秘密めいた婀娜っぽさがあった。


「季節の舞踏会やこの手の夜会が決まると、勝手にあちこちから連絡が来る。その中から見繕うだけだな」

「まぁ、大人気なのですね。となると、……今後の他の季節の舞踏会も、やはりあまり独占しない方が……」

「春と秋はお前の守護重ねに空けておいてやる。その代り、夏は絶対に行くなよ。お前と相性の悪い系譜の上に、夏は侵食の系統の奴らが多い。お前が参加したら、起こる事故は一つじゃ済まないだろうな」

「ぞわりとしたので、行かないようにしますね」




ヒルドの提案で、この夜の晩餐はリーエンベルクの冬の大広間に準備された。



以前のダンスでも使った音楽の魔物の亡霊の住む小箱で美しい音楽を流し、みんなであれこれお喋りしたり、ダンスを踊ったりしながら楽しい夜を過ごす。


女性は一人しかいないのでネアは大忙しだったが、綺麗なドレスをより長く着ていられたのと、冬告げの舞踏会とはまた違う楽しい時間だったのではしゃいでしまった。

アルテアまで参加しているので、料理の増量など負担ではないかなと思ったが、ヒルドは舞踏会の話の中から巧みに、そのような場でなければ入手出来ないような情報の欠片を拾い集めているようだ。


(そっか。この人とこの人が一緒に居ただとか、そういう情報だけでも高位の人外者さん達の相関図を知る意味ではとても重要な情報になるんだわ……)


そうであれば、ネアも後で見てきたものを惜しみなく報告しようと考え、また和やかな晩餐の輪に戻る。


疲労困憊して少し眠ってから参加したエーダリアは、会ったことがないというダイヤモンドダストの妖精の話や、雪の中から祝福の結晶が出てくる仕組みに興味津々だった。


ウィリアムがくれた花束を羨ましそうに見ているので、ネアはエーダリアが興味を示した氷の結晶石の花の方を一輪お裾分けすることにした。

氷の結晶の中でも白に近いものはとても珍しいそうで、興奮したエーダリアがすっかり酔っ払ってしまい、お開きとなる。





「ディノ、今日の冬告げの舞踏会で、とても不思議な瞳をした方に会ったんですよ」


やっとディノと二人きりになったのは就寝間際だったので、ネアがその話をしたのはだいぶ遅い時間だった。



自分もネアの髪を梳かすのだとブラシを握ったままでいたディノは、あらためて話し出したネアに、おやっと瞳を瞠って首を傾げる。


「不思議な瞳?」

「ええ。私が見たことのある色合いとは少し違いましたが、灰色の星空のような、不思議で美しい瞳をした方でした」



その夜、ネアの話しに耳を傾け、ディノは何度か深く頷いていた。



どこか寂しそうでもあり、どこか嬉しそうでもあり、ネアはそんな魔物のおでこに、魔術可動域的には込められない祝福をたくさん詰め込む気持ちで、口付けを落してやったのだった。



いつかまた、彼に出会うこともあるかもしれない。



それがどうか安らかなものになるようにと、ネアは祈るばかりだ。
















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