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秋のドレスと妖精の採寸



その日も颯爽と現れたのは、仕立て妖精のシーのシシィであった。

くるっと跳ねる毛束も美しいショートヘアの妖精で、きゅっと括れた細い腰に長い手足と、理想的な体型でネアは見る度くらりとしてしまう。

鮮やかな萌木色の髪と瞳に合うような、陽光の結晶石と辛子色のドレスがなんとも美しい。

夏が終わって秋が始まるこの季節、シシィの纏う色彩は夏の終わりと秋の紅葉のどちらにも受け取れるという、はっと目を惹く華やかさだった。



「はぁい、ネア様。………もしかして、太りました?」

「ぎゃっ」


開口一番恐ろしいことを言われ、ネアは低く垂直跳びしてしまう。

シシィがお相手ということもあり、部屋にはディノとヒルド、そしてヒルドの影に隠れたノアがいる。

その一言で充分な公開処刑ぶりであったので、ネアは一気に生命力を削られてしまった。


「夏の舞踏会は行かれなかったのですねぇ」

「………ええ。元々お誘いもなかったので、少ししょんぼりしましたが、考えてみれば不老の祝福を得るので私は行っては駄目なやつだと考え直しました」

「もしかして、老けたいんですか?」

「いえ、素敵に成長し、魔術可動域を増やしたいのです!」

「ネア様、………それは成長しない部分じゃないですかね。可動域を増やせるのは、幼児くらいのものですから」

「ぎゃっ」


ネアは早くも心が折れ曲り、へなへなとなったまま採寸に入った。

子供扱いのままの、おまけに太った疑惑の人間は、もはや心が荒地になったまま大人しくメジャーで測られるしかない。

しかし、ウエストをきゅっと測ったところで、シシィはあらっと声を漏らした。


「腰回りはほとんど変化ありませんね。寧ろ少し減ってますよ」

「なぬ!」

「じゃあ、ちょっとこちらを失礼」


シシィの採寸が胸に移り、魔物達はきゃっとなって長椅子の影に入り込んでしまった。

大人しく採寸され、ネアは萌木色の仕立て妖精の目をそっと見上げる。


「………ネア様、胸がおっきくなったんです」

「むぐ。もしや食べたものがそちらに………」

「かもしれませんし、女性として成熟する部分があったのかもしれませんが……」

「シシィ」

「ヒルドに怒られたので、これ以上は言いませんけどね。………ふふふ、いい事がわかったので、秋の舞踏会もアルテアを殺すドレスが作れますね」

「……………むぅ。元々あった分は良いのですが、増えたとなるとそやつは脂肪ですよね……。あんまりお洋服がぱつぱつになりたくないので、嬉しくないのです。少し減らせないものでしょうか」

「あら、なんて勿体ない。でもまぁ、減らすんでしたら………」


シシィの視線を辿って振り返れば、ノアがきっぱり首を振っている。

ディノも少し否定的なようだが、ヒルドは内面を推し量れない素敵な微笑みのままだ。


「減らすのはやめましょうか」

「むむぅ」

「それと、お尻の形も変わっていませんし、姿勢や背中のお肉も増えていませんね。いい感じですよ。今回は華やかな色のドレスにしますから、期待しておいて下さいな」

「何色系統になるのでしょうか?実は劇的に似合わない色もあるので……」

「冬の舞踏会では青か白で考えているので、秋は深みのある深紅か、こっくりとした紫ですね。春告のドレスが藤色もありましたでしょ?多分、紫がかった軽薄ではない深紅を使いますね。黒に近い紅薔薇のような、変色性の光の角度で深みを増して見える色彩がいいかと」

「赤なら一安心です!暗めの赤であれば、髪色も浮きませんし」


相手はプロなのだが、やはりどんな風に似合うデザインにして貰っても、平素は似合わない色彩のものを着るとなると心が落ち着かないものだ。

ネアは、ドレスが普段着では避けている色彩ではないと知り、一安心した。


「確かにそうなんですよね。神秘的で上品でとてもいい髪色なんですが、私が着るような色合いのものだと、ネア様は顔色がくすんじゃいますから」

「…………そうなのです。黄色が入ると、ものによってはとても顔色が悪くなってしまって。橙寄りの色彩も、髪に入った青みと、瞳の菫色の部分とがぶつかるようです」

「黄色を着たいなら、淡い檸檬色ですね。角のない優しい白に近いか、青い檸檬のような緑色の色味があるものにして下さい。橙であれば、薔薇色がかったものか、普段着ではなくて祝祭の衣装のように、仮装の範疇のものでとびきり可愛くしてしまえばいけますよ」

「参考にしてみますね!」


専門家の意見なので、ネアは有難く頂戴した。

元々、本能のなせる技なのか、似合わない色というのはあまり惹かれないように出来ているのだが、時々ぐっとくる色彩のものを見付けてしまい、似合わなくて悲しいこともある。

実は淡いピンクだけの服装も、髪色が重たく見えてしまって似合わないのだが、そういう場合は、上か下だけを淡いピンク色にして、髪色と同じくらいの色調の上品な色と合わせるようにと教えて貰った。


「その代り、薔薇色と白と黒、青系統、紫系統はよくお似合いになりますから。淡い緑系と茶系は色味を選びますが、それだけ似合えば女としては充分ですよ」


そう教えてくれてから、シシィはぴたりと黙った。


「シシィさん………?」

「ネア様の魅力を引き立てるということでは、深みのある薔薇色が一番なのかもしれませんね」

「先程お話ししていた赤ではなく?」

「ぐっと女っぷりを上げるデザインで、妖艶で神秘的な深い赤を目指していたんですが、神秘的で憂いのあるような渋めの薔薇色も悪くないような気がします。これは悩みますね……」

「僕、赤がいいなぁ」

「……薔薇色………」

「私も薔薇色の方がお似合いになるかと」


観覧者が口を挟み、シシィは鋭い一瞥をそちらに向けた。

仕立てに関することでは、どんな高位の者の介入も跳ねつけるのが、仕立て妖精というものなのだ。


「アーヘムが、今日は仕事なのが痛かったですね。刺繍の構成と合わせたかったんですが。………そうですね、やっぱり渋めの薔薇色にしましょう。ラベンダー色がかった暗めの薔薇色で、秋らしい素材を使います。刺繍で葡萄酒色、深紅などを入れて貰って、そこで艶やかな魅力を足しますね」

「ほわ、お話を聞いているだけで素晴らしいですね」

「冬のドレスは、天鵞絨のような起毛素材の極薄のものにしますから、秋は絹の光沢でこっくりとした艶と重厚な織りを見せつけましょう」

「はい!」

「春告のときのように柔らかく透ける生地じゃないので、胸元と背中はしっかり開けますよ」

「む…………」

「重いだけで嵩のあるドレスは、野暮ったいですよ」

「では、お任せしてしまいます。前回のドレスもとても素敵でしたから!」


うきうきと微笑んだネアに、シシィは任せて下さいねとにんまり笑った。

信頼の微笑みというよりは、カナリアを食べてしまった悪い猫の微笑みのようだ。


「………もしかして、アルテアさんへの復讐の道具にされるのは続くのでしょうか」

「勿論ですよ。アルテアは、夏にも私の伴侶をでくのぼうと言いましたからね。この秋告げの舞踏会でも酷い目に遭わせてやります」

「とうとう、酷い目に遭わせることになってしまいました……」


そこでシシィは、ギラリと目を光らせた。


「ですのでネア様、お胸の肌色を確認させて貰いますよ!」

「なぬ?!」

「シシィ!」

「堅物は下がっていて下さいな。それとも覗きですか?」


慌ててお叱りにきたヒルドをその一言で黙らせると、シシィは、ささっとネアの襟元を下げて胸の上部の肌の色を見ていった。

以前のドレス合わせでも見たことはあるが、前回は淡い色合いのドレスとの合わせだったのでと、長方形の薔薇色のサンプルをあてがい、色調の差を測ったようだ。


「肌の色が白く見え過ぎると、合わせによっては人形のようで堅い印象になるので、あえかな感じになりませんからね」

「そういう組み合わせも色々とあるのですね」

「そうなんですよ。ネア様の今回のドレスは、神秘的ではあっても、肌のぬくもりが想像出来る色合いじゃありませんと!」

「シシィ…………」

「ヒルド様は黙って下さいな。私は元々、そういう仕立てが得意なんですよ。でなけりゃ、アルテアの専属なんてしてませんでしたし、お堅い儀式用の服などが得意な妖精は他にもいますからね」

「仕立て妖精さんには、得意分野があるんですね!」

「勿論ですとも。私は、色と温度感がある艶やかなもの、素材や形に凝ったものが好きですね。弟なんかは、黒い服しか縫わないんで陰気ですよ。まぁ、アーヘムは贔屓にしてるみたいですし、アルテアも燕尾服なんかは注文してますけどね」


その言葉に、ノアがぱっと立ち上がった。


「そう言えば、違う国で聞いたことがあるよ。黒を得意とする仕立て妖精のシーがいるって。僕のコートを頼もうかな」

「ご検討いただけるなら、弟の工房を見に来ていただくか、注文用のデザイン帳をお持ちしますよ」

「じゃあ、デザイン帳を見せて貰うよ。今着ているコートって、髪が短かった頃のだからさ」



その言葉にネアは、あの懐かしい人生最悪の日を思った。

出会ったばかりの男性の元恋人に追い回され、あまつさえ、知らずにその日に亡くなったばかりの元恋人のお宅に上がり込んでしまった後悔の日でもある。

更にその後、痴漢行為を働かれた上に特殊な縛り方に造詣が深いことを知られるという地獄っぷりだったが、ノアがリーエンベルクで暮らす家族のようになってからは、少し黒歴史感が軽減されている。



「そう言えば、昔は短い髪の毛でしたものね」

「うん。なになに、ネアはあっちの方が恰好いい?」

「あれはあれで好きですが、今の髪型ですっかり見慣れてしまいました」

「じゃあ、やっぱりこの髪に似合うコートを作らなきゃだね」


楽しげにあれこれと約束しながら、ノアは一度だけじっとシシィの瞳を見た。


「何ですか?夫がおりますので、お誘いには乗りませんよ」

「ありゃ。そういうのじゃないよ。不思議な守護を持ってるなって思ってさ」

「そのことでしたら、夫の守護ですかね。変わった人なんで」

「ふーん、だからかな。呪いを守護にするなんて珍しい形だね」

「夫は精霊なので、そういうのが得意みたいですよ」

「あ、だから結構しっかりした感じなのかぁ。でも精霊っぽくなくて上品だね」

「あらっ、いいことを言ってくれますね!アルテアの評価は散々ですが、主人は精霊より気質は竜に似てますかね。穏やかで優しい人なんです」


ふわりと微笑んだシシィは、仕立て妖精としての仕事の顔とはまた違う、柔らかな目をして笑う。

きっと幸せな夫婦なのだろうなと考え、ネアは思わず見惚れてしまった。

こうして幸せに笑う人を見るのは、何だか素敵なことだ。

そして、幸せな形を素敵だと思えることにも感謝をしなければと思う。



「ディノ、ドレスが届いたら、また一緒に踊って下さいね」


ネアがそう言えば、長椅子の影に隠れてこちらを見ていた魔物は、目を瞠ってから嬉しそうに頷いてくれた。

どうも採寸の行程を見ていると恥らってしまうようで、出たり入ったりをした後に、長椅子の影に隠れっ放しになってしまっている。



「さて、仕上げに背中の形を見させて下さいまし」

「ほわっ?!」


肩甲骨のあたりからお尻までを入念に手でなぞられ、ネアはふぁっとのけぞりそうになる。

擽ったかったからなのだが、それを見ていた魔物達は再びきゃっとなって隠れてしまった。


穏やかに微笑んではいるが、ヒルドはそろそろ怒りそうだ。

そもそも採寸なのでネアは気にしていないのだが、ヒルドとしては、時折我が子が苛められているような気持になるらしい。



幸いにも、ヒルドにつまみ出される前に帰るという技をシシィは覚えたようだ。

帰り際も颯爽とした後ろ姿を見せてくれた仕立て妖精を見送り、ネア達はほうっと一息つく。



「やれやれ、やっと帰りましたね」

「ヒルドさん、採寸ですから私は別に気にしませんよ?」

「仕立て妖精なのですから、目で見るだけでわかる筈なのですよ。ですがあのシシィは、触れて形を確かめる癖がありましてね」

「まぁ!仕立て妖精さんが、見るだけで採寸出来るという事実に驚きを隠しきれません」

「仕立て妖精というものは、そういうものなのです。ですので、ネア様も嫌な時は嫌だと仰って構いませんからね」

「はい。心配して下さって、有難うございます」


ぺこりと頭を下げ、監視役をしてくれていたヒルドにお礼を言った。

妖精には妖精ということで、わざわざ仕事の間に同席していてくれたのだ。

もうすぐお茶の時間なので、ではまた後でと部屋を出てゆくヒルドを見送り、ネアは長椅子の後ろに隠れてしまった魔物達を引っ張り出す。


「さぁ、終わりましたよ!」

「ご主人様…………」

「あら、すっかり弱ってしまいましたが、採寸をしただけですよ?」


そのネアの言葉に反論したのはノアだ。


「だってネア、胸を持ち上げられてドレスにどう収めるか話してたでしょ」

「襟ぐりの形の相談をしていた時ですね。私はしっかり食べる派ですので、あんまりコルセットは嬉しくないのです」

「脱がせるの楽そうでいいなぁ……」

「ノアベルト」

「ごめんなさい………」


長椅子の裏から引っ張り出された魔物達は、ひとまずネアの周りをうろうろしてどこも損傷がないか確かめるようだ。

まったくもうと思いながら好きにさせ、ネアはうろうろの二周目に入ったノアを捕まえた。


「ノア、秋の系譜の方にお知り合いはいますか?」

「秋の系譜の女の子達とは、結構付き合ったかなぁ。情が深くて朗らかで、いい子達ばかりだよ」

「むぐぅ。系譜の方の特徴を聞こうとしましたが、遊び人の意見が返ってきました」

「そりゃ、僕じゃそれ以上はわからないと思うよ。他に関わる理由なんてあまりないしねぇ」

「爛れています。………ディノは、ご存知の方がいます?」


ご主人様がノアにばかり構うので、三つ編みを投げ込もうかなと思っていたらしいディノは、やっとお声がかかって喜びに顔を輝かせた。


「秋の系譜だと、豊穣と紅葉や落葉、それに実りを司る者達が多いよ」

「お知り合いはいますか………?」

「知り合いは、…………いないかな」

「むむぅ。残念です。お知り合いの方がいれば、他にどんな参加者さんがいるのか聞けたかもしれなかったのに……」

「ありゃ、もしかしてネア、他の参加者を知らないの?」

「アルテアさんが意地悪して、教えてくれないんですよ!」

「確か、葡萄の妖精がいるんじゃなかったかな。豊穣の魔物に、楓の精霊。後は、本の竜とか………あ」

「本の竜さん……」


何だか可愛い名前が出てきたので、ネアは唇の端を持ち上げて目をきらきらさせた。

葡萄の妖精というものも、なんだかつぶつぶしていて可愛いのかもしれない。


そう思っていると、今度はディノが教えてくれる。


「月の魔物も参加していた筈だ。彼女は穏やかな魔物だが、残忍な部分もあるから注意するように」

「そういう、季節を限定されないものを司る方もいたりするのですね?」

「夢は春、星は夏、そして月は秋なんだ。そして、冬の舞踏会にはウィリアムが出ている」

「む?ということは、春告の舞踏会には、ドーミッシュさんがいたのですか?」

「いたと思うよ。眠ってしまっていることも多いから、出会わなかったようだね」

「うーん、花の系譜だと、薔薇と金木犀もいるだろうね。金木犀に出会ったら、ウィリアムの話はしちゃ駄目だからね」

「まぁ、仲が悪かったりするのでしょうか?」

「金木犀はさ、ウィリアムに手酷く五回くらいふられてるから」

「触れてはいけないやつでした………」

「朝焼けのシーも、ウィリアムは自分に気があるのに素直になれないって言いふらしてたなぁ……」

「それは、ウィリアムさんが、本当に言えないだけなのではなくてですか?」

「わーお、ネアは、絶対にそれをウィリアムに言っちゃ駄目だよ」

「むむぅ」

「ウィリアム本人も、かなり嫌がってたみたいだよ。えーと、ネアがよく言う、つけ回しみたいな感じかな?」

「ほわ…………、それはお気の毒です。他者の心を黙殺出来る冷酷さを持ち合わせていれば、私がハン王子にやったように媚薬で他の方にくっつけてしまうがよいと思います」

「ウィリアムだったら、我慢出来なくなったところで殺しちゃうだろうなぁ……」

「………確かに、アルテアさんと違って細かい手札を切るのは苦手そうですね」


そこでふと思い出したように、ノアが眉を持ち上げた。

青紫色の瞳に落ちた睫毛の影は素晴らしく、怜悧な美貌であるのに冷たさはない。



「………そういや、ダイアナ……月の魔物って、アルテアの元恋人だった気がする」

「……………むむ。今も良い関係であることを切に祈ります」

「ネア、ダイアナは序列を重んじる魔物だ。何か言われたら、私の伴侶だと言ってしまうといいよ」

「むむぅ、いつの間にか伴侶にされています」

「ご主人様…………」


ネアはここで、月の魔物という存在を思い描いてみた。

月を司るくらいなのだから、きっと美しい人なのだろう。

シシィやあのチェス盤の国の聖女を見ている限り、アルテアの女性の趣味は良さそうだ。


「ごめんね、怖くなってしまったかい?」



ネアが考え込んでいたからか、ディノが心配そうな顔をする。


「いえ、アルテアさんの恋人さん達はきりっとしたお美しさの方が多そうだなと考えていたのです。ノアは、何の統一性もありませんでした」

「えっ、僕だって、綺麗な子や可愛い子を選んでるよ?!」

「お馬さんもいたではないですか………」

「人型も持ってたんだってば」

「ノアベルト………」

「えっ、シルそんな目で見ないで……!人型は綺麗な女の子だったんだって!!」



そこで心を傷付けられてしまったせいか、ノアは午後になると銀狐になって、じっとりした目でボールをネアの足元にそっと置きにきた。

仕方なく何回も投げてやる羽目になり、最終的にはチーズボールにお出ましいただき、はぐはぐと噛み続けている銀狐を廊下に放置して逃げ出すことになった。


なお、うっかりその廊下を通りかかってしまったエーダリアが、銀狐の怨念を最終的に引き取ることになり、夕方から晩餐までボール投げをしなければならなかったのだそうだ。

明日は秋の予防接種なので、あまり暴れさせないよう注意しておけば良かったと、ネアは少しだけ後悔した。










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