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エイミンハーヌ



「エイミンハーヌ」


名前を呼ばれて振り返った。

微笑んでこちらを見ているのは、古い友人でこの店のオーナーでもあるバンルだ。

赤い髪のいい男だが、失恋と宿命付けられているらしく、彼の恋が成就したのをエイミンハーヌは見たことがない。


「どうして呼ばれたのかな?」

「この前、入り口で帰った女の子はやめておけよ。リーエンベルクの歌乞いだ」

「………あの子が?ああ、だから魔物と一緒にいたんだ。でも、どうして今日になって注意されたの?」

「そりゃ、君が灰色の髪の女の子を見て溜め息を吐いていたからだ」

「ふうん。そういうところで観察される訳か」


そう微笑んでみせると、バンルにばしりと肩を叩かれた。


「歌乞い殿の魔物は白持ちだ。不興を買えば殺されてしまうぞ」

「でもほら、精霊はそういう恋も嫌いじゃないよ?」

「それが恋ならな。だが、あのお嬢さんはお前のことも知らないだろ?」

「でも、俺を見た途端瞳を輝かせてたような」

「ありゃ、見目だけの反応だな。お前も慣れてるだろ。ウィームに帰って来たばかりなんだ。騒ぎは起こすなよ?」

「まぁね。でも、あれだけの凄みのある美貌の魔物を連れていて、俺に目を留めてくれたのは嬉しいな」



そう言えば、バンルは呆れたように溜め息を吐いた。

肩を竦めてやめておけよと念を押されるが、そもそもリーエンベルクの歌乞いとなると、エイミンハーヌも狙う程馬鹿ではない。

それでも口では何を言おうと自由なのだ。



「………リーエンベルクの歌乞いがお気に入りですか?」


そう声をかけられ、エイミンハーヌは微笑んだまま振り返った。

閉店間際だが、店内にはお客様がいるので軽口を恥じつつ、軽く頭を下げる。



「営業中に申し訳ありません」

「いや、男ならそういうこともあるでしょう」


鷹揚に微笑んだのは、物静かな雰囲気を纏う背の高い男性だった。

特徴のない茶色い髪に瞳をしていて、きっと穏やかな男性なのだろうと思わせる笑い皺がそこに親しみを覚えさせる。

先程まで品物選びを手伝っていたので帰ったのだと思っていたが、会計待ちであるらしい。


「いえ、これはオーナーと俺の言葉遊びのようなものですよ。確かに可愛らしい方でしたが、俺とて契約の魔物がいる方には手を出しませんよ」

「はは、確かにそうですね。契約の魔物程恐ろしいものはありませんから」

「………と言うより、契約の魔物はその歌乞いを切に愛する者です。そのような相手の想い人には手を出したくないですね」

「おや、お優しいものだ」

「俺は精霊らしく心のままに生きたいですが、その代わりに自分なりの倫理観もある訳です。お客様ならどうされますか?」

「………奪いたい程に望むものなどありませんからね」

「そりゃ、物足りないでしょう」


思わずそう言ってしまえば、男性は小さく微笑みを浮かべた。

ふと、その温和な微笑みが恐ろしく冷たいような気がして、エイミンハーヌは内心ひやりとした。

こうして、害も特徴もないような外見の者でも、思いがけないところに高位の生き物が紛れていたりする。

このお客もそのような存在なのかもしれない。



「では、奪ってみるのもいいかもしれませんね」

「………はは、困ったな。焚き付けてしまいましたか?」

「さて」


軽く帽子を持ち上げて、商品を受け取ってその客は帰っていった。

ほうっと溜め息を吐いていると、店仕舞いしながらバンルが声をかけてくる。


「うちの常連に罪を犯させるなよ?」

「あんな常連さんがいたかい?」

「あの方は、来る度に姿形が違うんだ。恐らく高位の魔物だよ」

「へぇ、やっぱりそうなのか。さっき話しててまずいなって思ったんだ」

「…………いつもは俺がお相手するんだが、よりによってお前が担当になるとはな」

「そりゃ、バンルがお気に入りの伯爵夫人に媚び売ってたからだろ」

「手を出すなよ?」

「だから、俺はお相手がいる女性には手を出さない主義なんだって」

「珍しいよな、精霊なのに」



みんなそう言うのだ。

精霊のくせに、略奪愛は無しなのかと。

そうして驚くのだから、精霊はそもそもどんなものとして考えられているのかよく分かるというものである。


しかし、エイミンハーヌはそういう趣味はない。



元々五人兄弟だったエイミンハーヌの兄や弟達は、みんなその激情で身を滅ぼしてしまった。

それぞれに美貌や可憐さを誇り華やかな暮らしをしていたが、その分厄介な感情の揺れに苛まれる羽目になったのだろう。

憤死したり、心中してしまったり、とにかく誰一人として生き残らなかった。



(だから、俺は手に入らなくて心を損なったり、手に入れる為に自死したりしなくてもいいお相手がいいんだ)



それはきっと、精霊なりに己の心のままに自分を愛しているが故の結論なのだが、周囲は精霊なのにと驚いてしまうらしい。

古くからの友人でも未だに言うのだから、なんだかなという気分にもなる。



帽子を斜めにかぶり、そんなことを考えながらお気に入りの細長いパンを齧った。

無花果と胡桃を練り込んだもので、中にミルククリームを挟んでいる。

定番のパンなので屋台でも売っているが、エイミンハーヌの好みはパン屋で買う焼きたてのものだ。

あえて焼きたてのパンにクリームを挟んで貰い、溶け出すクリームが染みたものを食べるのが好きなのだ。



「…………あれ」


異変を察して足を止めたのは、霧が出始めた公園を横切ろうとした時だった。

仕事終わりにこの公園を横切って家のある通りに向かうのが日課だったので、だからこそいつもとは違う空気に気付いた。


(いつもならいるバイオリン弾きも、あの木の上にいる妖精達もいないな……)


そして、公園の南側にある美術館側の歩道のところに、三つ揃いのスーツを着た男性の姿がある。

その影の濃さになぜか、とても嫌な予感がしたのだ。


あと残り少しだったパンを口の中に放り込んでしまい、もぐもぐと咀嚼しながら、念の為に魔術の巡りを確かめておく。



「おや、お帰りですか?」



すれ違う時に振り返ってそう微笑んだ男は、知らない顔だった。

しかし、その目に浮かぶ冷たい微笑みを見た瞬間、先程のお客だとなぜかそう確信した。


「ええ、お客様。ここは俺のお気に入りの公園なんです」

「成る程。霧の系譜だからですかね?」

「…………鋭くていらっしゃる」


ウィームは霧の街だ。

特に秋には霧が多く、エイミンハーヌには住み易いお気に入りの街。

人々と街が美しく、魔術の質も良くて食事も美味しい。

しかし、時々こうして高位の厄介な者と出会ってしまうのが悩みの種であった。



「何か御用でしょうか?品物のことであれば、どうか店までご連絡下さい」

「いえ。あなたに用がありまして」

「…………俺に、ですか」

「これでも慎重なもので、余分が不愉快だと思うくらいには狭量なんですよ。或いは、その言葉が不愉快だったのかもしれない」

「…………余分?」

「…………やれやれ、囲いをすり抜けた者がいますね」



そこで男は、小さく溜め息を吐いて視線を公園の入り口に向けた。

ここで好機と感じて逃げ出す程に、エイミンハーヌも愚かではない。

目の前の男は、そんな迂闊な動きをすればすぐさま襲いかかってくるだろう。

不用意な動きは命取りになると、本能的に感じていた。



「…………は?」


しかし、そこで思わぬことが起きた。

それまで余裕を見せていた目の前の男が、驚愕したように小さく呻いたのだ。


(何だろう、ものすごく動揺してるな。………あ、)



エイミンハーヌも、一拍遅れて驚くことになった。

公園の入り口側から歩いてきたのは、つい先程まで考えていたリーエンベルクの歌乞いの少女だったからだ。


正確には彼女だけでなく、彼女が散歩している狐とおぼしき生き物と、連れの男性がいる。

その連れの男性はこの前の魔物ではなかったが、やはり高位の魔物には違いないという姿をしていた。



「ほら、悪さをしてる最中だ」

「まぁ、相変わらずなのですね。狐さん、また悪さをしてる魔物さんがいますよ」


歌乞いの少女にそう話しかけられた狐は、尻尾を振ってなぜかご機嫌の様子だ。

狐のペットも可愛いかもと思いかけて、慌てて気持ちを引き締めた。


「ところで、相手の精霊は知り合いなのか?」

「いえ、お知り合いではありませんが、ウィームの手袋専門店の店員さんです。綺麗な方だなと思っただけで、うちの魔物が荒ぶったことがありまして」

「うーん、それは荒ぶるかもしれないな。ネア、彼は高位の精霊だから」

「………なぜその条件で荒ぶりが想定されるのか、さっぱり分かりません」

「分からないか。困ったな」

「それと、使い魔さんを叱らねばなりません。ウィームの領民に悪さをするとなれば、治安上問題になります。事件解決でエーダリア様が頭を痛めるといけませんので、事前防止とせねば」

「よし、俺が叱っておこう。色々事案も溜まっているしな」



微笑んでそう前に出た魔物は、こちらを見て柔和に微笑んだ。

こちらもさしたる特徴もない容姿の男だが、ぞくりと背筋を寒くするような高位の気配がある。



「すまないな、彼は叱っておくから安心して帰ってくれ」

「………ん、ああ。ところで、なんで俺は巻き込まれたんだろう?」

「それはちょっと俺にも分からないが、彼は時々悪さをしたくなる性質があってな」

「お騒がせしました。困ったさんには厳しく言っておくので、ご安心下さい」

「よく分からないけど、有難う」

「いえ、こちらこそお騒がせしました」


よく分からないが問題なさそうなので、歌乞いの少女に手を振って帰路につけば、背後からうんざりしたような口調の話し合いが聞こえてきた。

エイミンハーヌは霧の精霊なので、霧の中の会話はよく聞こえるのだ。



「やれやれ、ネアの住まいのある土地で住民を襲う程退屈してるなら、お相手しますよ」

「剪定みたいなもんだ。だが今の奴は、本気で口先だけの言葉遊びでしかなかったみたいだな」

「剪定なら剪定で、あなたの仕事でもないでしょうに」

「その剪定で、最近も魔物を一人消したお前に言われたくはないぞ」

「ん?何のことですか?」

「お前、出戻りの黒煙をどうした?」

「記憶にないですね」



その先は離れてしまったので聞こえなかったが、その部分だけでなぜこんな目に遭ったのか理解することが出来た。

どうやらエイミンハーヌは、あの歌乞いの少女に異性として真剣な興味を抱いていると誤解されていたようだ。


(となると、あのお客様も彼女に興味があるのかな)


そうなると少し心配にもなった。

魔物の抱く興味のそれは、恋や情欲的な欲望のそれだけではなく、最高の玩具や、破滅させる為だけに譲れないというものもある。

厄介な執着だと問題になるかなと思いかけて足を止めそうになったが、同行者の魔物もかなり高位そうだったことと、そもそも、あの少女の物言いも上からだったことを思い出した。



「…………大丈夫そうか」



それならいいかと思って公園を抜ければ、そこはいつもの見慣れた小道だった。

美術館はとうに閉まっている時間だが、その外観だけでも楽しみたいという観光客達もちらほらと残って夜を楽しんでいる。

ウィームの秋はそれくらいに美しいのだ。


紅葉と霧に包まれ、やがては雪に染められる前の王宮や壮麗な街並みは、感傷的なまでの美しさで人々を魅了する。

かくいうエイミンハーヌも、そんな季節のウィームを見て以来、ここ百年近くはずっとここに住んでいた。


素晴らしく美しい景色に気分を上げて、鼻歌を歌いながら石畳の道を歩く。

先程は少しひやりとしたが、今日もいつもと同じような面白い一日だった。


「あ、………そうか。明日は休みなんだ。やっぱり飲みに行くかな」


考えて爪先の向きを変えると、エイミンハーヌはお気に入りの店に向かって足取りも軽く向かった。

霧の夜には、美味しい酒を飲むのが一番である。




「……なんてことがあったんだ」


後日、街の寄り合いで会った知人にその話をすると、その妖精は声を上げて笑っていた。


「なにそれ最高!ほんと、アルテアはネアちゃんが絡むと運命的に無様な目に遭うよね」

「…………私の方からも、ウィームの霧を損なわないように、注意喚起をしておこう。とは言え、先日既にこれ以上ない程の制裁を受けていたがな……」

「エーダリアは、あのお客様と知り合いなのかい?」


そう尋ねたエイミンハーヌに、ウィームの領主は苦笑して首を振った。


「いや、見知ってはいるが、私では窘める程の力は持たない。だが、幸いにもネアの契約の魔物なら影響力がある」

「へぇ。一緒に買い物に来た魔物は、やっぱりかなりの高位なんだね。あの瞳の透明度と色彩の豊かさは、公爵位くらいなのかなって思ってたら、上司からも白持ちだよって言われたよ」

「そういうエイミンハーヌも、霧の精霊王じゃん」

「俺の場合は、兄弟がみんな死んで、父さんがもうやらないって言って背負わされてのことだ。王らしい仕事もしてないし」

「いいんじゃない?霧の精霊は、気儘で感傷的なのが特性なんだから」

「思慮深いってのも付け加えておいてよ。俺は、霧の兄弟達の中で、その特性を司る精霊だからね」

「思慮深いっていっても、精霊だけどね」

「まったく、ダリルは意地悪だなぁ」



そんなことを話していると、ダリルが鮮やかな青い瞳をふっと眇めた。

こういう表情をするときのこの妖精は、得てして腹黒いことを考えている。



「それにしても、最近のウィームの潤沢さは格別だね。霧の精霊のしがない三男坊も、精霊王になって帰ってきたことだし」

「俺は政治には関わらないし、人間の争いには手を出さないよ?」

「それでいいのさ。こちらの問題くらいなら、今いる契約の魔物達で充分だ。その代わりにあんたには、あんたの守るべきものを守って貰えればいい」

「俺の守るべきものって言われても、友人と仕事先と、お気に入りのパン屋やレストランくらいかな。あ、あの公園や美術館通りも好きだ」

「そんだけ守られれば充分だろ」

「そりゃそうか」


リーエンベルク側からすれば、街の中心にある公園と美術館を守って貰えるだけでも充分だろう。

そう考えると、高位の人外者達が点在していれば、その領域を重ねてゆき街の守りを万全にすることが出来る。

そもそも共存に向かないのが難点だが、高位者を上手く活用すればかなりの防壁となるだろう。


(もしかして、僕達にウィームに住めばってダリルが提案したのは、そういう意図もあったのかな?)



「それと、ネアちゃんは中々に嵐の目の素質があるから、巻き込まれないようにね」

「ああ、あの公園で何となく感じたよ。大丈夫、そういう相手は一人で充分だからもう関わらないよ」

「…………他にもそんな相手がいるのか?」


顔色を悪くしてそう尋ねたエーダリアに、エイミンハーヌは微笑んだ。



「知らないの?うちの店長、元夏闇の竜の王子だからね。すごい昔に絶望の魔物と揉めて、人間用の使い魔の壺に封印されてたんだ。店長が使い魔だった頃は、その呪いの壺がある国はすぐに戦争になるって有名だったんだよ」

「…………まさか、カルザーウィルの呪いの壺か?!」

「うん。それ」

「ダリル?!」

「はいはい。知ってたよ。でも今は、ただのはぐれ使い魔になってるから大丈夫。置き換え魔術の呪いをあえて受けて、弱小使い魔と存在を入れ替えて壺から抜け出すことに成功したのが、三百年前だったかな?」

「三百年と二十年前だね。置き換え魔術でかなり弱くなったけど、自由が一番ってね。あの人もあの人で妙な引きを持ってるからさ。俺もそうそう何人も面倒見れないよ」

「…………頼むから、妙な騒ぎは起こさないでくれ」

「うん、俺が起こさせないよ。その為にバンルの側で見張ってるんだから」


そう言えば、ダリルが上手くこちらの属性を説明してくれた。

エイミンハーヌは飛び抜けた固有魔術を持つ精霊ではないが、嵐の目になりやすい前者達とは反対に、災難を上手くすり抜けてゆくという特殊な霧属性の性質を持っている。


そしてエイミンハーヌのその資質は、親友であるバンルの体質よりも強いらしい。

結果的にエイミンハーヌが側にいると、バンルは騒ぎに巻き込まれなくなった。

本人もそれを理解しており、厄除けの守護扱いをされて、くれぐれもいなくなってくれるなと念を押されている。


(親友なんだし頼ってくれるのは別にいいけど、バンルの言い方だと、寧ろ俺があちこちで問題を起こすみたいに言うからな)


エイミンハーヌを頼りにしつつも、バンルはどこか自分がエイミンハーヌの面倒を見ていると考えているような節がある。

元はエイミンハーヌよりずっと強かったのだから仕方ないのかもしれないが、その頃から事件に巻き込まれてばかりの彼を現場から逃がしていたのはこちらなのにと、若干腑に落ちないところがあった。


そんな相棒は今、ウィームのとある伯爵夫人に夢中だ。

その伯爵夫人には勿論のこと夫がいる上に、仲良しの店主とお客という関係より上を望み出したバンルに困惑しているので、まず間違いなく、近い内に伯爵から手厳しく叱られるだろう。

友人の恋愛不幸体質は、相変わらずだ。

この恋が終われば、四百五十六連敗の記録を更新することになる。



「それより、ダリル。この前の店紹介してよ。近い内にバンルが失恋するからさ、飲ませてやらないと」

「構わないけど、店主の娘には手を出すんじゃないよ?あの子も料理の腕を上げて来てるんだから、精霊なんぞに損なわれたくはないからね」

「………既婚者じゃないか。君も古くからの友人のくせに、本当に信用がないなぁ」



からりとグラスの中の氷が鳴った。

そろそろ、温かいメランジェを飲む季節になるのかなと思いながら、エイミンハーヌは小さく微笑みを深める。



今夜は流星雨が綺麗だと聞いたので、帰りにオレンジのチーズを買って帰ろうと思っていたことを思い出したのだ。



(ここはいい街だ。時々、怖い生き物もいるけどね)



今夜はどんな素晴らしい夜になるだろう。

今夜は流星を堪能したいので、どうか友人が失恋するのは明日以降にして欲しいと考えながら、エイミンハーヌは帰路に就いた。




因みに、ダリル曰く、先日の常連客は悪戯を見咎められたことで癇癪を起こした結果、あの歌乞いの少女に半殺しにされたらしい。

あの場ですぐに、自分はまだ何もされていないからと取り成してやれば良かったと、エイミンハーヌは少しだけ後悔した。



またいつか、元気に手袋を買いに来て欲しいものだ。







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