ほこりとアルテア
その日も星鳥をリーエンベルクに置いてゆこうとしたところ、書架妖精に捕まって無理やり持たされてしまった。
ここ数日、星鳥はエーダリアにべったりのようで、政務に支障が出ているらしい。
「星鳥はね、伴侶候補を早くから定める種族でもあるからね」
「…………おいおい、まさか」
「そ。だから、アルテアからこの子に、うちの領主様はあげられないよって言ってやって」
「………何でこいつは、エーダリアを伴侶候補として認識したんだよ?」
「順番だったんだろうねぇ。最初に見たネアちゃんは親のように見ているし、アルテアのことも保護者として見てる。ディノのことはネアちゃんのものだって認識出来ていて、その後にうちの馬鹿王子と会ったからね」
「………馬鹿なのかこいつは?」
呆れて籠の中で寝ている星鳥を見たが、やはり数日前よりかなり大きくなっているようだ。
シルハーンから、リーエンベルクの魔術の浸透が早く、このままだと人型になるのも時間の問題だと言われていた。
即ち、それまでにきちんと躾けろということだろうが、恋愛対象がエーダリアなら放っておいても問題なさそうだ。
「ネアは、こいつが手元にいるのがせいぜい一月くらいだと知ってるのか?」
「知らないんじゃない?星鳥は渡りもするし、親離れすると排他的な魔物だからね」
星鳥の成鳥は、他者と群れるのを好まない。
宝石を生むという狙われやすい特性故の種族的な戦略かもしれないが、星鳥は人型になると自分を庇護する伴侶を早々に決め、巣に引きこもってしまう魔物だ。
(…………ん?)
ふと、嫌な予感に背筋が冷えた。
少し考えてから首を振り、ダリルに渡された籠を手に持ちウィームを後にする。
そのまま転移で戻ったのは、シュタルトにある屋敷の一つだ。
旧宰相邸の影絵を買い取り、最近になってようやく手入れが終わったところである。
「ピ」
鳴き声に眉を顰めると、籠の中の星鳥が目を覚ましていた。
ずしずしと籠の中で動き回り、自分がどこにいるのか確かめているようだ。
「寝てていいぞ」
寧ろずっと寝ていて構わないのだが、星鳥はいそいそと起き出し、自力で籠から飛び降りる。
足があまりにも短いせいか、弾んで移動する癖があるらしい。
「ピ!ピ!」
「屋敷の中で投げたら大惨事だろうが」
「……ピ」
「わかった、わかった。寝ろ」
「ピ……」
そこはかとなく恨みがましい目で見上げ、星鳥はよりによっても一番高価な絨毯のところまで弾んでゆき、その真ん中に座り込んだ。
「汚したら暖炉に放り込むぞ」
「ピ!」
「馬鹿なのかお前は。燃えるぞ」
「ピ!」
暖炉にでもいいから投げて欲しいなど、あまりにも鬱陶しいので、アイザックから届いた手紙を読みながら、爪先で蹴飛ばしてやれば床を転がりながら喜んでいた。
最後は思ってたよりも転がっていってしまい、部屋の奥に置かれた足元用の照明にぶつかって騒々しい音を立てる。
倒れた照明に押し潰されながら、短い羽と足をばたつかせていた。
「………おい」
「ピ」
「俺の所為だといいたいのか?」
「ピ!」
「もういいだろ、寝ろよお前」
「ピ!!」
そのままバタバタと暴れられると、水照石の照明が割れやしないかと心配になったので引き摺り出してやった。
「ピィ」
またしても要求を重ねられ、腰に手を当てて床の上の白い毛玉を見下ろした。
既に大きさはリーエンベルクに仮住まいしているという狐くらいになっており、ネアは最近抱き上げるのに苦労している。
「食事は済ませたんじゃないのか?」
「ピィー」
「知るか。自分でどうにかしろ」
「ピ」
もそもそと部屋の隅に歩いてゆく姿を見ながら溜息を吐いた。
空腹を訴えていたが、やっと寝ることにしたようだ。
「……って、おい!」
星鳥はおもむろに嘴を開き、側にあった飾り棚の脚を齧り始めた。
慌てて掴み上げ、やけに反抗的な目をしている星鳥を睨みつける。
掴んだ首筋から震えているのがわかったが、こちらを見ている目を逸らしはしなかった。
「………どんだけ頑固なんだよ」
そう呟いてから、ふと誰に似ているのかがわかって半眼になった。
「………お前、最近ネアに似てきたぞ」
「ピ」
「………何で照れたんだ」
おかしな恥じらい方に既視感を覚えれば、この仕草はシルハーンがネアに向けたものに似ている。
最初からある程度固定されて生まれる高位の魔物にはないことだが、下位の生き物は生育環境で所作が育まれるというのは本当のようだ。
(だが、その表情だとなると、…………まさかな)
頭を振って馬鹿な考えを捨て、籠に入っていた食事の報告表を見てみれば、この鳥の餌はろくでもないものだった。
「………狼に、……壺?彫像に、………魔物らしき誰かって何だよ」
かなり杜撰な管理を受けていたようだ。
わかったのは、大食漢であることと、胃が丈夫なことくらいか。
取り敢えずいらない傘立てを与えると、ばりばりと食べ始めた。
「…………俺は食うなよ」
「…………ピ?」
「何で誤魔化した」
時折、高位の魔物には悪食が出る。
と言うよりも、特殊個体として、“神”や“障り”と呼ばれる壊れた魔物が生まれるのだ。
滅ぼしても永らく祟る為、人間達はよく祀り上げて神としてしまう。
調伏にかけた労力と犠牲を無駄にしないあたり、本当に人間は業が深い。
この異形が生まれるのは下位の魔物に多く、今のところ公爵位でその称号を得たのは、初代の白夜に初代の犠牲くらいのものだ。
(ま、グレアムの場合は生来壊れてたわけではなく、狂乱しただけだが……)
殺した白持ちを食らうことで、灰被りは上位の白持ちの魔物にも匹敵するくらいの魔術を得ることに成功していた。
最初から同族も食卓に上げている白夜とは違うものの、最終的にはやっていたことは同じだ。
「悪食なのは勝手だが、調伏対象にはなるな。勝てるかどうかと言うより、面倒だからな」
「ピ」
「それと、くれぐれも俺に迷惑をかけるなよ」
「ピ?」
「………お前の理解力低下はわざとだな」
「ピ?」
「それと、エーダリアを伴侶にするのはやめろ。相手にはされてないし、ダリルから嫌がられてるぞ」
「ピィ」
最後の言葉を聞いた途端、ばさりと白い毛玉から毛が抜けた。
よりにもよって色の濃い絨毯の上でなので、顔を顰める。
「ピ」
そこで星鳥は、幾つかの宝石を吐いた。
吐かれた色で意図がわかったのでそのまま見ていると、まずは灰色がかった宝石と白い宝石を吐く。
灰色の石を嘴でつつき、悲しげに首を振る。
「………やっぱりお前、ネアも候補に入れてたな?」
「ピ?」
「それが無理だと判断出来るなら、エーダリアもそうしろよ」
「ピ」
今度は瑠璃色と青紫の宝石で同じことを繰り返し、また悲しげに首を振る。
「そうか、性別は問わないんだな。…………つーか、その色は狐だろ。………一瞬、ノアベルトかと思ったが…………」
言いながら顔を顰める。
狐なら恋敵として見るなと言ってやろうとして、あまりにも特徴的な色に引っかかりを覚えた。
ここ暫く探しているとある魔物が、そんな瞳の色をしていたのだ。
「………いや、…………まさかあいつでも、狐にはならないか」
(シルハーンが気付かない訳もないしな)
「…………待てよ。あいつもシルハーンに練り直されたんじゃないだろうな?」
その可能性はあり得るので、今度ジーンに目視で因果を確認させることを頭の片隅に書き留める。
「ピ!」
「そもそも、お前はヒルドも候補に入れたのか」
「ピィ」
「節操なしだな。それで相手がいなさそうなエーダリアにしたんだろ」
「ピ!」
がしがしと頭を掻いてから、しゃがみ込んで視線を近付けてやる。
愛情などではなく、単純にこのくらいキツく言い含めておかないと言うことを聞かなさそうだからだ。
「あれはやめろ。風竜に想い人がいるらしいからな」
「ピィ」
またしてもばさばさと毛が抜けたので、本人的にも何か予感はあったのだろうか。
驚くというよりは、やはりと落ち込む気配があった。
「ピィ!」
「やめろ、嘴で俺を指すな。俺は男を伴侶にするつもりはない。……おい、何だ今のは」
こちらを指名しようとしたので、すかさず却下した途端、星鳥はネア達の宝石を短い足で指し示して憐れむように首を振った。
「俺は別にあいつに懸想してる訳じゃないぞ」
「ピ」
「何だ、その目は。おい、寝るな!」
叩き起こしてやれば、やれやれとでも言いたげな顔をされる。
伴侶を誰にするのか再び考え直すらしく、なぜか灰色の宝石を足元に寄せる。
「………ピ」
「だからネアはやめろ。シルハーンに跡形もなく消されるぞ。白夜を見ただろ……って、お前は寝てたのか」
首を傾げられたので、片手間に白夜の魔物をシルハーンが練り直したのだと話してやる。
わかったように頷いているが、果たしてどこまで理解しているのだろう。
「ピィ」
「白夜か………魔物や妖精を食らう、悪食の公爵だな」
「ピ!」
「…………ん、ああ、強い強い」
そこでアイザックからの報告書で、以前にネアが話していた、食品の風味や鮮度を落とさずに冷凍する技術が確立出来そうだという項目を読んでいたので、つい返事がおざなりになった。
ふと、奇妙な沈黙に顔をあげれば、星鳥の雛は、毒々しい緑の宝石を抱いて眠っていた。
「…………まさか、ルドルフを狙うつもりなのか?」
それは流石に大問題になるので、何とか諦めさせようとしたが、頑として首を振り続けた星鳥の躾に手間取り、結局その日は仕事が手につかなかった。
「ほこり、白夜の魔物さんを籠絡しようとしているそうですが、本当ですか?」
「ピ!」
「もはや、アルテアさんでいいのでは?」
「やめろ」
後日、ネアから説得させようとしたところ、星鳥は言いつけられたことが不服なのか、全身から不服そうな気配を立ち昇らせていた。
相変わらず、ネアにだけは幼気な可愛らしさを見せており、ある程度の作為が見受けられた。
共有の部屋の一つで、星鳥の移動に合わせて籠に一緒に詰め込んだ伴侶選びの会話用の宝石を取り出している。
その中から鮮やかな緑のものを手元に残し、赤紫の石をわざと踏みつける。
「ピィ」
「断られてしまったのですか?」
「ピ」
「最初のとき、後見人ではなく伴侶にして貰えば良かったですね」
「ふざけるな」
「しかし、ほこりの才能は、ウィームにも私にも必要なものです。失いたくないです」
「清々しい程に欲まみれだな」
「脆弱な人間は、生存戦略に長けております」
「お前のは我欲だ………」
「ピ!」
そこで星鳥は、ここ数日大事そうに抱えている緑の宝石を嘴で指して、何やら説明を始めた。
「む、……アルテアさん解説をお願いします」
「………白夜に自分の面倒を見させ、自分はウィームに住むつもりみたいだな」
「ほこり、打算的なのは強みにもなりますが、それで幸せでなければ意味がありません。もっと良いものを選ぶことも出来ますよ?」
「………ピ」
「いや、その前にお前にルドルフが籠絡出来る訳ないだろ。仮にもあれは公爵位だぞ」
「ピ」
「何で余裕だって言い張るんだ」
「あら、ほこりは魔性のふわふわなのですね」
「ピ!」
「頼むから調子づかせるな。それと、白夜は厄介な奴だからな。あいつと関わるなら、今後ウィームには立ち入り禁止だぞ」
「ピ?!」
その途端、星鳥は緑色の宝石を短い足で蹴り飛ばした。
転がってゆくのは見事な宝石なので、ネアがすかさず拾い上げる。
「これはさっさと売り払って、ほこりのおやつでも買いましょうね」
「ピ!」
「それとほこり、エーダリア様は駄目だそうですが、ゼベルさんは独り身ですよ?」
「ピ?!」
「この前、狼を食べてしまったことさえ秘密にしておけば…」
「これ以上不安要因を身近に増やすな。こいつを管理出来る相手に任せろ」
「じゃあ、アルテアさん……」
「ピ」
「やめろ」
そこでネアは、不意にふわりと微笑むとすっかり大きくなった星鳥を膝の上に持ち上げた。
うっとりとしている白い毛玉を見ながら、苦い思いになる。
こうして甘やかすので勘違いしてしまうのだ。
「ほこり、素直に考えて、良い伴侶候補だというだけでなく、好きな方はいますか?」
「ピィ」
「あら、ではやっぱりエーダリア様なのですね?」
ちらりとネアを見たものの、星鳥は大人しく鳶色の宝石を吐き出した。
「星鳥さんは、引き籠り型なのですよね?」
「ピ」
「では、暫くはゆっくりお相手を探すことにして、まずは引き籠れる環境を整えてしまえばいいのでは?魔物さんは長生きだそうですし、自立して生活さえ整えられれば、ゆっくり色々なものを選べるのではありませんか?」
「ピ!」
「幸い、ほこりはたくさん宝石を生めますから、お金は稼ぎたい放題ですよね。それをアルテアさんに運用してもらい、職業支援などもして貰いましょう。何しろ、後見人なのですから。それにある程度自立出来れば、大人になってからも仕事でリーエンベルクと、そしてエーダリア様と関わる方法があるのではないでしょうか?」
「それは暗に、俺が毎回ここに連れてくるってことじゃないのか?」
「疑り深いですねぇ。アルテアさんであれば、幾らだってツテや策があるでしょうに」
「…………そうか、アクスという手はあるな。少なくとも俺の管轄じゃなくなるし」
「困ったお父さんですね」
「やめろ」
結局答えは出ないまま、星鳥を膝の上に乗せたまま、ネアは生まれた国の言い伝えだという埃の妖精の話をしてやっている。
この話が大好きで何度もせがまれるのだそうだ。
「古い本棚や箪笥の裏側の埃が、五十年も経つと妖精になることがあります」
柔らかな声で語られるのは子供向けの話のようだが、埃を五十年も放置する前提から始まるのが凄い。
(環境で人格や所作が変化するのに、人間はこれでいいのか)
「……そうして妖精になった埃は、ぴかぴかの緑の羽が生えてきて、お屋敷の子供達にたくさんの幸福を与えるようになりました」
「ピ!ピ!」
「ある日、幸せなことがたくさん起きる不思議な家に、その国の王子様がやって来ました。真っ白なマントの、麗しい王子様です」
「ピィ!!!」
その瞬間、星鳥は盛大に転がり出した。
所謂、大興奮である。
「…………おい、ちょっと待て。いつもこんなんなのか?」
「お話の途中なので、後にして下さいね」
微笑んで窘められ、ふと、二人で鳥を挟んで床の敷物の上に座っている不思議さを思った。
シルハーンはあの狐に強請られたとかで、続き間の浴室で狐を洗ってやっている。
「そして子供達は、埃の妖精を連れて王子様と一緒にお城に住むようになったのです」
「ピィー!!」
要は、埃の妖精とやらの恩恵で危機を脱した王子とやらの計らいによって、親を亡くした子供達が古い屋敷を出て王宮に住む話だ。
途方もなく穴だらけの設定だが、星鳥はまた転がって悶えている。
「………ほこりは、王子様がたいそうお気に入りで、王子様と一緒にお城で暮らすのが夢なのです」
「ピ!」
穏やかな微笑みでさらりと言われた言葉を理解した途端、言葉を失った。
「…………そいつは雄だよな?」
「今時、何て古臭い思考なのでしょうか。どんな性別の、どんなものを愛そうとほこりの自由ですよ」
「………俺の聞き違いじゃなければ、物も混ぜただろ」
「ほこりの初恋は、リーエンベルクの正面玄関にある水盆です」
「………形すら生き物じゃないのかよ」
「ピィ」
「本人は否定してるぞ?」
星鳥が否定したので少しほっとしてそう言い返せば、ネアは首を傾げた。
「あら、初恋ではなかったのですか?二回目?……三回目ですか?」
しかし、星鳥は水盆が三回目の恋の相手だと認めた。
「あらあら、ではディノが初恋だったのですね」
「ピィ」
「ごめんなさい、ほこり。ディノは私の婚約者なので、差し上げられないんですよ」
「………ピ」
そのやり取りに目眩がした。
(…………つまり、さかんに灰色の宝石を見て落ち込んでいたのは、ネアの為にシルハーンを諦めたってことなのか?!)
そして現在の恋愛遍歴としては、男と物しか出てきていない。
そこまで考えてから、ネアが話していた物語に出てくる王子を表現した言葉を反芻して、ぞっとした。
王子は、真っ白な髪にベリー色の瞳を持つ美しい妖精の王子なのである。
「………よし、水盆がいけるなら、幾らでも候補を紹介してやる」
「………ピ?!」
「幸い、屋敷はかなり所有してるからな。どこかに気に入るものがあるだろ」
「あ、アルテアさん!ほこりは、独り占め出来るお相手が好きです。リーエンベルクの水盆は、他の妖精さんや小鳥さんが使うので浮気者指定されていました!」
「………わかった。任せろ」
星鳥の首筋を掴んで籠に投げ入れると、すぐさま転移してある限りの屋敷を巡った。
だが、リーエンベルクの水盆と何が違うのかわからないが、一向に興味を示さなくて困り果てた後、ようやく相手が見付かった。
魔物として持っている城の大広間にあるシャンデリアを見て飛び回る姿に心から安堵する。
「それが気に入ったなら、この部屋ごと………いや、城ごとくれてやる」
「ピィ!!!」
結果として城を失うことにはなったが、己の身を守れただけ良しとしよう。
しかし、後日ウィリアムからとんでもないことを言われて頭が痛くなった。
「アルテア、若い恋人に城を与えたんですね。俺もそこそこ長い付き合いでしたが、男性と浮名を流すのは初めて聞いたな」
「…………やめろ」
その種の噂を避ける為だけに城まで手放したのに、どうやら上手くいかなかったらしい。
噂の出所を聞いたところ、成鳥になって案の定引き籠りになったほこりは、生み出す宝石を使って既にひと財産築いており、少し前にアクス商会に特注の絵を頼んだそうだ。
「白い髪に赤紫の瞳の美しい男性だそうだから、アルテアしかいないでしょう」
「………それは妖精の王子だ。俺じゃない」
「妖精にそんな個体がいましたっけ?」
「………この世界ではいないな」
あの部屋から出てくることは滅多にないが、ネアとは時折文通をしているようだ。
エーダリアとは、引き籠りに最適な商品の提案とやらから、アクス商会経由で仲良くなったらしい。
白夜の魔物が、自分の片目を食らった悪食の白い髪の青年を崇拝しているというふざけた噂も聞いたが、真相を確かめるのはやめておいた。
ほこりからは、今でも月に一度長い手紙が来る。