永遠神剣 第2位
「不思議だな…」
「何がですか?」
肩の上のナナシが問いかけてくる。
「一年半前は、一体相手するだけでも苦労したのに」
箒を回転させるように振り回す。
武器と化した箒で、紅い人形の頭を吹き飛ばした。
「今では…」
後ろからの二体同時による剣の攻撃
「囲まれても、負ける気がしない」
焦りなどなく、腕を振るう。
二体は黒に染まった三角定規によって、頭を貫かれて地に落ちた。
閃夜は今度は上に跳躍する。
普通の人間ならば跳べないはずの高さ、三階の教室の生徒達から見て平行、と言えばわかりやすいか。
普通ならば追撃などない高さだ。
だが、人形達も普通ではなく、同じ高さまで跳んでくる。
数は三体
マントの影から取り出したのは、釣り糸だ、十二号という太い糸が一瞬で黒く染まる。
フッと息を吐き、糸を投げる。
黒に染まった糸は、三体の体に巻きつき、閃夜が引っ張ることで、空中でのバランスを崩す。
再び武器とさせる、物を取り出だした。
定規だ。普通の生徒が使う小さい物ではない。
教師が使う、大型の一mの大きいやつだ。
閃夜は特に人形達の密集している部分に、定規を投げつけた。
普通の人間の力では投げられない速度、感じられない速度で定規は回転しながら、人形達に向かっていく。
だが、空中で放ちしかも距離があったため人形たちは避けようと足に力を込めたが--
「なっ!?」
自分達の足は糸で、固定されていた。
何時の間に--そんなことを考えることもなく、人形達の上半身と下半身は別れを告げた。
「何時も思うんですが、なんで箒や文房具なんですか」
緊張感、台無しじゃないですかと言いたげにナナシは呟いた。
そんな言葉に閃夜は特に気にした様子もなく。
「だって強度は、俺のマナの調整に依存するんだからいいんじゃないか」
空中で縛り落し、身動きできない人形に止めを刺しながら返す。
「木刀とか包丁とか、あると思いますが……」
「伝説の【鍋の蓋】という盾があるが…」
「そういう問題でもないんです」
緑色の人形がハルバートを振りかぶり下ろしてきた。
敵の頭を潰そうと死力を込めて振り下ろしてくる。
殺すための決死の一撃は黒く染まった100円で買った、鍋の蓋で受け止められた。
軽く鉄ですら両断することができるミニオンの刃は、黒い蓋に遮られてしまった。
カウンターで、槍と成ったT字箒がミニオンの腹を貫ぬく。
「100円に止められる神の剣と、箒に貫かれる人外…」
「やめてください」
閃の呟きにナナシは敵とはいえ素直に、ミニオンたちを哀れに思った。
永遠神剣
それは神ごとき力を持つ剣。
神の転生体や選ばれた者が持つ選定の剣。
神剣と呼称されてはいるが、実際には、槍や弓矢等の別の形状を持つものも多く、さらには本やランタンなど一般的には武器とは言い難い形状のものまである。
一部の例外を除き神剣には第十位から第一位までの階位が存在し、数字が小さくなるほど強力な威力を秘めているが、数字が小さくなるほどその存在は少なくなっていく。
「だったなナナシ(WIKI)」
「そうです」
閃夜はさっきから普通の物体、黒くしてそれを武器にしている。
黒く染まった物体はゴールポストすら切断できるなど本来、以外の要素が加えられている。
定規ならば切れ味や強度が加えられる。
さっきの人外の威力の一撃を防ぐことのできるほど、強度が上がっている事がわかる。
しかし問題はそれではないのだ。
閃夜は自分の神剣の本体を展開することができないのだ。
今使っている、この黒くして部質に影を纏わせ強化しているのは、本来の能力の片鱗だそうだ。
自分の守護神獣に教えてくれたのは、自分の神剣は第五位だということ。
そのクラスの神剣なら影自体を具現化させ、武器にできることが可能だそうだ。
そう
「随分、遅かったのね。橘高閃夜君。」
自分に光で造られた剣を向けてきているこの少女のように。
「いつもみたいに閃くんって、呼んでもいいですよ。 沙月会長」
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