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今回は説明ですね。
永遠神剣 第28位

アズラサーセは橋や家が、石造りの者が多く、道路も石のプレートで整えられている。


補給地点となっていた、アズライールより全体も大きい。
規模で言えば、村と町ほどの違いがある。

中世の世界にしては建設技術がしっかりしているのか、三階建ての建物も多く見られる。


その中の一つであるビルの屋上で、ライクレアの姿があった。
周りには誰も居なく、屋上に吹く風が黒い体の中の唯一、白く輝いている鬣を揺らしていた。



その鋭い目には、今だ北門前に集結している鉾を捕らえている。
その数は先程と変わりなく多いが、慌てた様子も見られなかった。


常人でさえ、鉾を見た瞬間、鉾の無感情さ、人形さを感じる。
しかし鉾は口を持たないわけではない。



閃夜達が戦ったホワイトミニオンもそうだが、カティマに名乗りを上げたミリオンも居たぐらいだ。
しかし鉾たちは沈黙を続けている。


「あの様子だと、侵入には気づかれていないようですね」
「バレたら、結構ショックだがな」


屋上に二つの声が流れる。
しかし、見えるのはライクレアのみで声の主の姿はない。


「ライクレア周りには何もいないか?」

姿が見えない主も問いに、ライクレアは小さく頷きながら鳴いて答えた。
ライクレアの答えどおり、建物の屋上に人の影はない。


「よしカティマ、俺がさきに出る。」
「はい、わかりました」



ライクレア後方から挿す太陽が、ライクレアの前方に影を作り出す。



一本角が特長的な影から、一本の腕が出てくる。


指の第一間接から金属製の爪のようになっている、特長的なグローブだ。







「よっ! っと」


一本の腕はそのグローブの爪で地を掴み、片手で一気に体を上げた。


上がって来た人物、 閃夜は少し疲れた様子で、薄い汗を拭った。


「やっぱり、これは燃費が悪いな………」


閃夜は次に上がって来る、カティマの腕を爪で傷つけないように気をつけながら、一気に引き上げた。


「ありがとうございます……」


カティマは周りを見回し、驚きの表情を見せた。

「ここは…本当にアズラサーセですね…」
「なんだよ、疑ってたのか?」
「いえ、影の中に入ったのに次の景色が、すでに町の中ですから……この能力は『凱闢』独特の物なのでしょうか?」


「そうだな………ナナシが考えた案だが……」


後半は、聞こえないように小さく呟いた。
この影の中に入る技、『影の収納箱』は半覚醒した時から使える技だ。


普段の生活や戦闘のときでも、利用してきただが今回は侵入にも役立った。

だだし、欠点が多い。

第一に燃費が悪いことだ。
ライクレアに出来るだけ急いでもらったが、30分ほどでマナの三分の一が消費されてしまった。


第二に収納性だ。
無生物ならばかなりの量を収納できるが、生物、それも神剣使いとなれば話は別だ。
実際、カティマと閃夜が入ったらメモリーギリギリだった。

追記しておくが、生ものを入れてどんなに時間が経っても新鮮、 などといった便利なことはない。
影の中でも時間は経つのだ。


第三に収納場所、これが最大の難点だ。
無生物は閃夜、ライクレアの関係する影から収納でき、
生物は、閃夜とライクレアの影だけ入ることができ、閃夜はライクレアの影だけに入ることが出来る。


つまり『凱闢』で入ることが出来るのは、閃夜とライクレアの影だけと言うことになる。
敵の影に入って、アジトに潜入。なんてことは出来ないのだ。


マイナスが遥かに多い技である。



しかし、無事にアズラサーセに侵入した閃夜たちだった。
アズラサーセを初めて読んだ時、アズラ”サーセン”と読んでしまった自分がいる……

サーセンW


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