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永遠神剣 第18位
 

「とりあえず閃夜君………一言、言っておくことがあるわ」

静かなる声で沙月会長が告げる。
その表情は背を向けて居るため、わからない。

静がな雰囲気が漂いだす。

木葉の間から入る夕日が、正門前から見える景色を幻想的なものにしたて上げていた。

だがその美しさは―――


「よくやったわよ!!GJ!!」
「それじゃ、みんなへの説明は沙月会長にお願いします」
「ええー面倒なのは私持ち? 褒めて損した………」
「たまには望だけじゃなく、俺のお願いも聞いてください」
「私が暴君みたいじゃない!」
「それじゃ書類(捕虜)の消去で……」
「もっとダメ!」


いとも簡単に崩れ落ちた。

カティマと望むたちの救援に駆けつけたら、予想以上に消耗していた。
何とか日か沈む前に殲滅したが、暗闇に乗じて来られたら間違いなく死人が出ていた。

冷や汗ものである。

そして、カティマの紹介と事情を説明した。
一人で殆ど決めたような物で、文句を言われると思ったが逆に褒められることとなった。


「そんなに言うなら、望をおまけに付けましょう」
「って!閃夜なにをかってに‐‐‐」
「そうだよ! 沙月先輩のサポートは閃夜君の役目じゃない!」
「希美ちゃんは望のサポートに付けばいいだろう?正妻らしく」
「せ、正妻…………望ちゃん!私、精一杯サポートするね!」
「なんでそうなるんだ!」

しかし必ず、文句を言う人物はいるわけで、

「ちょと!じゃあ私は?」
「愛人Aですよ」
「なんでA!?」
「増えない根拠はない」


報酬はなく逆にサポートを求められたため
望に押し付けて退散することにした。


「よし、いつものことだな」
「あ、あの閃夜殿、あれはいったい………」

当然、カティマに目の前の喜劇に耐性はないため、戸惑いの表情を見せている。
絵的に言うと、汗は出ていないが首を傾げている状況だ。


「一日に数回は起きることだから、気にするな」
「は、はい」

遠まわしに慣れろと伝えれておいた。

閃夜は茂みに向かって歩き


「それで、そこの茂みに隠れている。死亡希望者は出て来い」

少々ドスが聞いた声で、告げた。
茂みがガサガサと鳴り、出てきたのは二人のクラスメイト


「まったく、避難警報が鳴っていたはずだよな……」
「戦いの功労者が、親友達となれば出迎えない分けにはいかないだろ」
「美里、真の心は?」
「お菓子を探しに行ってたら、大変なことになっていました」


生徒の中でも特に異世界を楽しんでいる、信助と里美だった。
閃夜は信助の脳天に一直線に振り下ろした。


「痛ってー!!?」

処刑人の手によってスパーンッという独特の音が響き、哀れな罪人はうずくまる。
ご察知のとおり、ハリセンである。


「って何すんの!」
「誤魔化そうとする根性が、気に食わん!叩き直す!」






「鬼コーチ!阿川は?」
「正直者が勝つのが、さっきの状況だ!」

しばらくの間、哀れな男子生徒の悲鳴とハリセンの気持ちよい音が断続的に、響き渡った。


「いててて………」
よほど痛かったのか、信助は自分の哀れな部分をさすった。
おそらく、服の下ではサルも驚くほどに紅くなっているだろう。

「まったく今後は気をつけろよ………解ってるだろうな」
「はーい」
「ええ」


返事は軽いものだが、おそらく二人とも理解しているのだろう。
閃夜が、怒っているのはもちろん理由がある。

敵を倒してくれると信じてくれることは嬉しい、だがこの二人ほど一般の生徒の精神は安定していないのだ。
生徒一人の死亡は不安を呼び、反乱へと広がっていく。
沙月の安全が保障出来ないと言っていたが、それでも納得できず。責任を押し付けるだろう。

何時の時代も責任を取らされるのは、暴力と権力を持つものなのだ。




そして信助が毒キノコを食べていたり、
今の今まで、望たちがカティマに気付いていなかったりといろいろあったが、
丁度カティマと写真を撮りたいと言い出したミーハー共が、集まってきたため話を切り出すことにした。





結局、村に行くのは体調を悪くした生徒全員とその生徒達のために、残ることとなった早苗先生以外のメンバーになった。
当然、神剣組みとチャレンジャークラスメイト二人も行く。

だが、その間襲撃されてしまったら、意味がない。
閃夜は残ることも考えたが、カティマの神獣。

ホラーエレメントの『アイギアス』が警護に付いているということだ。
エレメント、言うなれば幽霊に近い存在だ。


アイギアスは両手が、巨大な刃と化していてその姿は中々、強力な印象を与えてくる。
しかし、アイギアスが発しているのは闘争心、戦闘本能そして殺気でだけだった。
叫び声に聞こえる鳴き声は、愛する者を無くして発狂してしまった戦士を閃夜に抱かせた。


同じ黒マナ神獣でも、閃夜のライクレアとはだいぶ違った。
ライクレアを王に従える愛馬と例えるなら
アイギアスは主のみに操れる狂犬となる。


「どちらかと言うと閃夜君のほうが、アイギアスじゃない?」
「それでカティマさんがライクレアちゃんですか? 確かにカティマさんて少し身分が高そうですもんね」

たしかに先ほどカティマを乗せて、闘いはしたが……
二人の後ろには笑顔と書いて、悪魔と読む顔をした閃夜がまるで弁慶のように仁王立ちしていた。


「ほほう、つまりは二人とも俺は鎖に繋いで置かなければ暴れ出す、狂犬だと?」
「い、いやそんなこと…ないよ!」
「そ、そうよ! カティマさんを後ろに乗せて来た姿も、ステキだったわ!」


普段なら、「え?男ってみんなそうじゃないの」とか、「わからないよ影では、閃夜君だって…」とからかいにかかる紗月も閃夜から発せられる、巨大なオーラに蹴落とされた。 



「ふふ、閃夜殿はいつもああなのですか? 望殿」
「いや、今日はいつもより巨大な気……!」
「さすがの世刻でもあの地雷を踏むほど、バカじゃないのね」


橘高閃夜、からかうのは好きだが、からかわれるのは大嫌いな男である。





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