第八話:基地からの脱出! 復活の赤き戦士!
踏み込んだ部屋は薄暗かった。
唯一の明かりは、モニターから発せられる青白い光のみだった。
「…何? この部屋」
「モニタールームの様だが…」
未だに青白い光を発し続けるモニターに、ガルルが近づいた時だった。
けたたましい程のサイレンが鳴り始め、部屋が赤く染まった。
「!? 何だっ!!?」
全員が困惑する中、モニターが時間を表示すると共にアナウンスが響く。
『自爆装置が作動しました』
無常にも響くアナウンスの言葉に、数名を除く殆どの者達は硬直した。
「やはり罠だったか!!」
「どういうこと!?」
「つまり、もともとこの基地は自爆させて僕達を倒す事が目的だったんだ!」
冬樹の説明は、硬直していた面々を動かすほどの威力を持っていた。
『爆発まで、あと十分…』
「ふざけんなっ!!!」
マタドーラを先頭に、罠と分かった彼らは一目散に扉に駆け出していった。
それと同時に壁からガンプラのゲルググ、エリートのネコ型ロボットが数体現れる。
「「「邪魔だ!!!」」」
ガルルの正確な射撃により、三機のゲルググの頭部に着弾。
アクション仮面の拳が炸裂し、エリートネコ型ロボットが吹き飛ぶ。
マタドーラのブン回し投げで、残っていた敵をまとめて吹き飛ばした。
全ての敵が倒れた瞬間、爆発が起こった!
「急ぐぞ!」
まだ動く敵が起き上がる前に、急いでのび太達は部屋を出て行った…。
〜穴のある部屋〜
「あった! …きゃああぁぁぁああぁぁああっ!!!?」
夏美が部屋に踏み込んだ瞬間、夏美は全身が雷に打たれた様な感覚が襲った!
「夏美さん!!?」
「姉ちゃん!!?」
冬樹と小雪の声が響く中、夏美の身体に装着されていたパワードスーツは消え、私服へと戻っていった。
夏美は地面に倒れていったと同時に冬樹と小雪が駆け寄った。
「強制解除!!? …まさか!」
ガルルは瞬時にスナイパーライフルを構える。
「遅いな、ガルル」
謎の声が響いた瞬間、スナイパーライフルをビームが貫通する!
「くっ!!」
苦々しく吐き捨て、すぐさまスナイパーライフルを投げ捨てる!
それと同時に放電を起こしているスナイパーライフルは爆発した!
「随分、甘くなったなガルル」
「ギロロ…!」
直後、誰もいなかった場所から幽霊の様にギロロが現れた。
「う、嘘!!? 誰もいなかった筈…!?」
「アンチバリアか…盲点だったな」
「ひ、卑怯ですぅ〜!!」
地団太を踏むタママを見て、ギロロは鼻で笑った。
「卑怯? 戦場に卑怯も何も無いだろう」
「フザけんなっ!!! ドッカーンッ!!!」
ジャイアンの怒号と共に空気砲から空気の塊が放たれ…。
「…あれ?」
なかった。
空気砲は反応すら示さず、何事も無かったかのようにジャイアンの手にはめ込まれていた。
「ああ、言い忘れていた。この基地にひみつ道具を使えなくする電波を流しておいた」
「何だって!!?」
その言葉を確かめる為に、ドラえもんズやひろし、のび太達はひみつ道具を使う。
しかし反応は示さず、やはり何も起こらなかった。
「マ、マジかよ!!?」
「ど、どうするの!!?」
ひみつ道具を主に使っているのび太達やひろしは焦りを隠せずにいた。
つまり自分達は今、戦う事が出来ないという事だからだ。
『爆発まであと、七分五十秒、七分四十九秒…』
焦り始めている彼らを尻目に、刻々と時間は迫り始めていた。
「さぁて…時間もなさそうだ。お前達をここで足止めさせてもらう!」
ギロロの叫びと共に、周囲から数機のゲルググが現れ始めた。
「ちょ、ちょっと待て!! お前まで死ぬ気かよ!!?」
この言葉を聞き、ギロロは不思議そうに発言したマタドーラを見た。
「死ぬ気? まさか俺が何の準備をしないとでも?」
「なにっ!!? どういう事だ!!!」
「…説明する必要はない。いくぞ!!」
ギロロが駆け出した瞬間、戦闘は開始された。
「雑魚は任せてください!」
「ガルルくんは弟さんを速く戻すんだ!」
ひみつ道具が無くても何とか戦える王ドラやマタドーラ、アクション仮面がガルルに叫んだ。
「了解!」
新たにビームライフルを出したガルルは、駆け出した。
「夏美さんは護ってみせます!!」
「僕だって!!」
未だに膝をついている夏美を護る為に、小雪と冬樹は前に出た…。
「はぁ!!」
「でぇい!!」
次々と互いに放たれる赤と黄色の光線。
ある時はミサイルの雨、ある時はバズーカの乱れ撃ち。
武器のオンパレードが何度も起こっていた。
「ちぃっ!!」
焦りを感じたギロロはマシンガンを連射するが、ガルルにはかすりともしなかった。
「ならば! これでどうだ!!!」
ギロロは四連ロケットランチャーを取り出し、次々と発射させた!
「ふんっ!」
巧みにビームライフルを使って全て破壊し、ギロロの方向に向く!
視線の先には、ビームサーベルを構えて特攻をするギロロの姿が見えた。
ガルルもビームサーベルを手早く抜き、ギロロに駆け出す!
「ガルルゥゥゥゥウウウッ!!!!」
「ギロロォォォォオオオッ!!!!」
その叫びは、兄弟の戦いはさらに拍車をかけた!
互いのビームサーベルが火花を散らす中、二人は一歩も退かなかった。
しかしそんな中、悲劇は起きた。
「動くな! 動くと、女の命がない!」
一機のゲルググの叫びが全員に聞こえた。
向くとその先には怪我をして倒れている小雪と冬樹。
さらに一機の赤いゲルググに銃を突きつけられた夏美の姿だった。
「おい小雪に冬樹! しっかりしろ!」
「二人とも! しっかりしてください!」
王ドラとドラメッドは小雪と冬樹に近づき、息をしている事を確認してホッとする。
「動くなと言っただろう!」
夏美に更に銃を突きつけたのを見て、慌てて二人を背負って下がる。
「紫ガエル。ギロロ伍長から離れてもらおう」
「……仕方ない、か」
ガルルはビームサーベルを下ろす。
そして赤いゲルググもとい、“シャア専用ゲルググ”はギロロに視線を変える。
「さぁ、ギロロ伍長。こいつらに止めを」
「あ…あぁ」
ギロロは頷き、ガルルに銃を向ける。
「………」
「どうしたのだ?」
「いや…何でもない」
そう言ってガルルに再び銃を向けるのだが、何故か震えていた。
「…(な、何なんだ!? 夏美のあの視線は…!!)」
そう、ギロロは夏美の視線が気になっていたのだ。
視線は何かを訴えているようだったのだ。
「ギロロ…」
夏美は目から涙をこぼしながら、弱々しく呟いた。
「…!」
横目で夏美の涙を見たギロロは、大きく目を見開いた。
「おい! 何してるんだ! 早くやれ!!!」
シャア専用ゲルググは急かす様に言う。
「…あぁ。分かった」
ギロロは引き金を引き…撃った。
「ぐあぁぁああぁあぁぁぁああああっ!!!!?」
シャア専用ゲルググの銃を持っていた右腕を。
爆発で吹き飛んでいる間にギロロはすぐに夏美を救出した。
「ギ、ギロロ…!」
「…大丈夫か? 夏美」
その言葉で、いつものギロロだと分かった夏美は思わず抱きしめた。
「良かった…!」
「夏美…」
良い雰囲気の二人に…。
「死にやがれ!!!」
シャア専用ゲルググが入り込む!
すぐさま夏美から放れて飛び越えると、ビームサーベルを抜く!
「ちっ!!」
「がぁっ!!!」
ビームナギナタとビームサーベルが交差する!
「この裏切り者がぁ…!!!」
「裏切り? …違う!」
ギロロがさらにビームサーベルに力を込めて、シャア専用ゲルググを弾き飛ばした!
「なにっ!!?」
「元に戻っただけだ!!!!」
そして体勢を整えさせる隙を与えず、一瞬で相手を斬る!
「!?!?!?」
訳も分からぬまま、シャア専用ゲルググは閃光に包まれ、爆発した…。
『爆発まであと、三分…』
「まずいでアール!! もう時間がないでアール!!!」
最後のゲルググを倒した瞬間に聞こえたアナウンスに、ドラメッドは焦りを隠せずに入られなかった。
「早く脱出しようぜ!!!」
「冬樹君達は私が担ぐ! 皆、速く穴に!!!」
大急ぎで穴に入っていく中、ガルルとギロロ、何とか立ち上がれた夏美が最後となった。
「…ギロロ?」
「…ガルル」
「話は後だ。今は脱出が先だ!」
そう言ってガルル達も穴の中へと入っていった。
そして、少し経ってからカウントはとうとう…。
『5、4、3、2、1…0』
そして基地は、閃光に包まれた…。
この日、ある町で震度5の地震が起こったという…。
|