第三話:最悪の再会と最悪の事態
〜裏山・のび太チーム&野原チーム〜
「くっ! まさか、あのドラメッドくんが敵だったとは…!」
「クッソー! だましやがったな!」
「違うよ! きっとあの人も操られて…」
「それよりこの耳鳴り! 何とかしてよ!」
のび太達は耳を押さえながら会話をする近くで…。
「ちくしょー! 何なんだこの耳鳴りは!」
「うるさーい!」
「たいたーい!」
野原一家も耳を押さえていた。
耳を塞がなくてはいけない原因を作った、ドラメッドが絨毯に乗って笛を吹いていた。
「ふっふっふっ、我輩の笛の音は耳を塞いでも無駄でアール!」
そう言ってまた笛を吹くドラメッドに、なす術もなく耳を塞ぐしかなかった。
「どうすれば…!」
「クソッ! こんな音より、オレ様の歌のほうがいいぞ!」
「「「えっ!?」」」
ジャイアンの一言に、のび太、スネ夫、静香の顔は一瞬で青ざめた。
「ジャ、ジャイアン!! 落ち着いて…!」
「いくぜぇ!! 『オレはジャイアーン!!!!!』」
歌い始めた瞬間、ドラメッドの笛の音はジャイアンの歌によってかき消される!
「な、なにっ!? ぎゃああぁぁああぁぁあぁああぁ〜〜〜〜〜っ!!!!!!」
その歌のデカさと下手さに、ドラメッドは瞬時に耳を塞ぐが、ジャイアンの歌にそれは効果は出さなかった。
「こ、これだったら、さっきの音のほうがマシ…!」
「ジャイアン、やめ…!」
「無駄だわ、もう…」
「な、何て大きい声と下手さ…!」
「ぎゃぁぁああぁあっ!!!? 何だこらぁ!!!?」
「み、耳が…!!!」
「えぇえぇ〜〜〜んっ!!!!!」
ジャイアンの歌は、さらに全員の耳を強く塞ぐ結果となった…。
〜裏山・日向サイド〜
「クックックッ〜…ククッ!!!?」
そしてジャイアンの歌は、近くにいた冬樹達の所にまで被害をもたらしていた。
「な、何この歌!?」
「クルルの出す音のほうがマシだわ…!!!」
「っていうか、究極音痴!?」
「さ、さらに耳ってより、角がぁ〜!!!」
「エル・マタドーラしっかり!!!」
「あうあう〜っ!!!!」
凄まじい被害を出す中、クルルにも大損害を与えていた。
「クク〜〜〜〜〜ッ!!!!?」
ジャイアンの歌はクルルの眼鏡を割り、クルルロボに煙を上げさせた。
地面に倒れるクルルを見て、夏美は駆け出す!
「こぉんのバカァァァアアアッ!!!!!」
先ほどの恨みからか、クルルにアッパーを喰らわせると、マサオのいる方向に吹き飛んでいった。
「えっ? えっ!?」
困惑するマサオに、クルルはいい音を出してぶつかる!
そしてマサオごと、ドラメット達のいる方向に吹き飛ばしていった…。
「うわっ!? 何か吹き飛んできた!?」
「んっ? あの二人は…!」
ドラメッド達は、吹き飛んできて木にぶつかって気絶したクルルとマサオを見つけた。
「二人がやられたでアールか!? ええいっ! もう一度笛を吹けば…」
そして耳から何とか手を離し、力を振り絞って笛を…。
「させん!」
一発の銃声がした瞬間、笛は粉砕された。
「なにっ!?」
「ふぅ、野原さん。大丈夫ですか?」
銃を構えたガルルが、心配している素振りで近づく。
「あ、ありがとう」
「いえ。タママ二等兵、歌は?」
「口を塞いで何とか収まったですぅ」
ジャイアンの口を塞ぎながらタママは言った。
「あれ!? タママ!」
「それにギロロのお兄さん!?」
「あっ! フッキー! ナッチー! それにあの女ぁ…!」
明らかモアに敵意を剥き出しだが、モアは分かっていない。
「あれぇ!? ドラメッド!?」
「何でここに…?」
「あうあうっ!」
「げっ!? ドラリーニョ達まで…! こうなったら、我輩だけで全員を捻り潰すでアール!」
そう言うと、ドラメッドに変化が表れ始めた。
徐々にドラメッドが大きくなっていったのだ。
大きくなるのが収まる頃には、その大きさは家やビルをゆうに越えるものとなっていた。
「「「「「「「「「「えぇっ!!!?」」」」」」」」」」
ネコ型ロボット達は驚かなかったものの、残りの全員は驚きを隠せなかった。
ガルルも声を上げはしなかったが、驚愕の表情であった。
『踏み潰すでアール!!!』
そのまま歩き始めた瞬間、全員が逃げる為に駆け出した。
「タママインパクトォ!!!!!」
タママは口から黄色い光線を出してドラメッドの顔に当てる!
その直後、爆発を起こす!
「やったですぅ…!?」
煙が晴れると、睨むかのように無傷のドラメッドがいた。
『何かやったでアールか?』
「効果ねーっ!!!」
「この分では、私の銃も効果は無いな」
「とにかく逃げろーっ!!!!!」
『待てーーーーーっ!!!!!』
全員が逃げる中、夏美がドラリーニョに話しかけた。
「ちょっと! 仲間なんでしょ!? 何か弱点とか知らないの!?」
「弱点? …あ〜! 思い出したぁ! ドラメッドは水が苦手なんだ!」
「水ぅ〜!? そんなのねぇぞ!!!」
ひろしの声が響くと、のび太がある事を思いつく。
「そうだ! ぼく達の学校のプール! あそこなら水があるよ!」
「それだ!」
「っていうか、もう目の前だよ!」
冬樹の言うとおり、目の前にはフェンスの向こうのプールが見えた。
「って、フェンス高いぞ!? どうすんだ!?」
「オイラに任せな! 全員、オイラに掴まれ!」
「えっ!? でも…」
「心配すんな! オイラはドラえもんズ一の力持ちだぁ!」
そして全員を担ぐと、フェンスを軽々と飛び越えた。
因みにアクション仮面はネネを抱えながら勝手に飛び越えた。
「マ、マジで!?」
「すごいですぅ!!!」
「この人数を持ち上げるなんて…!」
驚きの声が次々と上がる中、着地した瞬間に全員を下ろした。
その直後に、ドラメッドがプールの中に足を入れた。
『待てぇ〜〜〜!!! …んっ?』
ドラメッドは下を見た。
「………」
しばし沈黙後…。
「ぎゃあぁぁああぁぁあぁ〜〜〜〜〜っ!!!!! 我輩! 泳げないでア〜ル!!!!!」
叫びながら元の大きさに戻ると、水の中に落ちていった…。
「…何とか落ち着いたけど」
プールから気絶しているドラメッドを上がらせ、気絶したクルルとマサオをつれてきた。
「とりあえず、情報を交換するかい?」
「はい」
「そうですね」
ひろしの一言に、冬樹とのび太は頷いた。
「…なんてこった。襲ってきた状況とかも、まるで一緒じゃないか」
思わずひろしは絶句した。
二人の話は、全て自分達と同じだったからである。
「どういう事だろう?」
「何が何だかさっぱり…」
『知る必要は無いであります』
全員が頭を悩ませていた時、上から謎の声が聞こえた。
「!? 誰だ!?」
「その声…!」
冬樹や夏美達は、この声の主を知っていた。
悪い事をすることもあるが、優しく明るい、ガンプラをこよなく愛している人物。
上を見てその姿を確認し、彼だと確信した。
そして、彼の事を知っている者達は名をあげた。
「軍曹!!!!!」
「ボケガエル!!!!!」
「おじさま!!!!!」
「軍曹さん!!!!!」
「ケロロ軍曹!!!!!」
「ケーロケロケロケロ…! 久しぶり…というほどでもないでありますか」
自分の名前を呼ばれたケロロは、そう返した。
そして地面に着地すると、全員を睨む。
「さて、さすがでありますな。我輩の部下をこうも簡単に倒すとは…」
「ボケガエル、あんた…!」
「軍曹! 軍曹も操られてるんでしょう!? 目を覚ましてよ!」
冬樹の言葉をケロロは無視し、話を続ける。
「とにかく、次回から送り込む者達をそう簡単に倒せると思ってもらっては困るであります」
「その通りだねぇ」
再び上から聞こえる声に、今度はのび太達が反応した。
自分達の大切な友達であり、困っていた時には助けてくれた人物。
姿を表した途端に、彼らは叫んだ。
「「「ドラえもん!!!!!」」」
「ドラちゃん!!!!!」
「やぁ、みんな。元気だった?」
ドラえもんは呑気にそう言うと、ケロロの隣に下りる。
「みんなさすがだね。ドラメッドをあっさりと倒しちゃうなんてさ」
「ド、ドラえもん…!」
「クッソ! 操られてんなら、気絶させて元に戻してやる!」
ジャイアンは駆け出すが、その瞬間に足元にビームが直撃する!
「うわっ!!?」
「慌てないでよジャイアン。今回は顔見せだけさ」
「そうであります」
ビームライフルを下ろすケロロの隣で、ドラえもんはポケットを探る。
そしてどこでもドアを出し、扉を開けると二人は入っていった。
「あっ!? 軍曹!」
「ドラえもん!」
ドアが閉まる…と思ったらケロロがまた出てきた。
「あっ、そうそう。言い忘れてたであります」
「しんちゃんは、ぼく達が預かってるよ」
その言葉に野原一家は驚愕の表情を浮かべた。
「心配しなくても、操ってないから安心しなよ」
「檻に入ってもらっているだけでありますから。…それでは、さよならであります」
「それじゃ、また会おうね。のび太くん」
「またお会いしようであります。冬樹殿」
この言葉を最後に、ケロロは扉を閉めた。
それを彼らは只、呆然と見ているしかなかった…。
|