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空回りする恐怖

作者:雪 よしの
「笑ホラ2017」 参加作品です。
 やっちまった。彼女の由美を殺してしまった。喧嘩の最中、俺が軽く肩を押したら、彼女はバランスを崩し倒れかかり、ローテーブルに頭をぶつけた。そしてそれきり動かなくなった。

 俺は震える手で、スマホをとりだした。俺は殺意はなかったんだ。話せば警察も納得するはず。でも、彼女の頭に血が広がっていくのを見て、怖くなり家から飛び出し全速力で走った。

 俺は太めというよりデブいや体重過多。全力疾走はキツい。心臓が苦しい、もうだめだと思った時、ベンチが見えた。いつのまにか公園に入り込んだんだ。俺はベンチで座りこむ。肩を上下させながら、大きく息をする。

 ガサガサと、木がゆれ、俺の腕になにかが、ポタンと落ちた。ヒヤっとするその感触、見ると肉片のような赤いものが、はりついていた。手をやみくもにふりまわした。とれたと思ったら、頭にピチャっと落ちて来た。冷たい。恐る恐る頭を手で触り見てみると、赤い血のような何かだ。ヌメっとした感触に、半狂乱になりながら、シャツを脱いで頭をぬぐい、ベンチから飛び跳ねる様に逃げた。

 あとは、公園の出口を探して走った。途中、女性の後ろ姿を見かけ、ホっとした。広い公園らしく迷子になったようなので、彼女に道を教えてもらおう。声をかけようとすると、女性は突然、クルリと顔をこちらに向けた。目、口から血が出てる。頭は血だらけ。由美だ。俺は、また闇雲に公園全力疾走を開始した。

 もうこれ以上一歩も動けない。道にヘタりこんで前を見ると、出口があり、道の向こうには交番が見えた。あそこで助けてもらおう。

 勢いよくドアを開け、「すみません~」と大声をはりあげる。室内のドアが、ガチャっと空き、「どうかしましたか」と顔をむけたてきた。顔には目も鼻も口がない。俺は絶望した。目の前が暗くなった。

*** *** *** *** *** *** *** ***

「この男性が私を見て、驚いて逃げてった。ふふふ。」
「”子供肝試し会”のリハーサルとはいえ、あなたの扮装リアルすぎよね。」
「あなたこそ、”生粗びき肉トマトジュレかけ”肉片そのものね。これ加熱したら食べられないかしら」

 二人の女性は、ケラケラと楽しそう話してる。ここの交番で待ち合わせしてたようだ。横の長椅子には、男性が横になってる。気を失ってる。怪我はなさそうだ。

「いや~この人には悪い事しちゃった。扮装用のお化けの仮面を調整してる時、声をかけられてね。目を覚ましたら謝らないと。」

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