part−2/63☆二重の顔
ーー”愚かしい”
その言葉が強くインプットされる。
自分を見下したような言い方をして妙な”笑み”を浮かばせている事が解せなかった。
この張り詰めた空気
さらに、時間が迫っている今、冷静さを欠かないでいる悠衣に圧倒されそうになる。
今、周りには恐ろしいオーラが引き立っている。
”何か言わなければならない”
それが意識の内にあってもまだ意味深な雰囲気を出している悠衣には言葉が出なかった。
しかし,”怯んではならない。”ここで怯むとこの事件のゴールまでたどり着かない。
組織という存在を壊滅させる事が出来ない。
その心理が自然と働いて『怯える事』『逃げる事』は出来なかった。
悠衣の意味深な匂いに打ち負かされてはならない。『この場』は厳かさを見せつけなければならない。
そう思って”険しい表情”を作る。少しでも”勝ち誇った”ような態度で視線を向ける。
「組織はね実に愚かしいわね。ひょっとすると組織のスパイだなんて馬鹿馬鹿しい事を何年も行っていた私も愚かしいのかもしれない…。まあ、それは認めるわ。でも……」
語尾の部分がはっきりとしなくなる。
何かの躊躇いがあるかのように言葉に詰まる。
その次の言葉をいいたくなさそうな様子を見せる。一瞬だけ戸惑いを見せる。
沈黙な状態になっていく。
「でも…これも…どん底に落ちたベルモットの為。いつかはみんなを救おうとしていたのよ。その為に組織については何年も調べていたのよ。
十年前の幼い私には,ベルモットは嫌な苦しみから逃れようと蘭を利用していただなんて気づきもしなかったからね…。みんなどん底落ちるなんて予測もたたなかったわね。」
少々悲しげな雰囲気を漂わせて次から次へと呟く。
組織の変化の全く気づくことの出来なかった自分に”歯がゆさ”と”罪悪感”を感じる。
はっきりとなっていない途切れ途切れの言葉がやけに印象に残る。
ーー不敵な笑みを交わす意味深な悠衣のもう一つの表情がうっすらと浮かぶ。
(何なんだ・・?なんかまだ違和感を感じる。なんか妙なオーラが漂っている。一体何なんだ?)
眉をしかめて今の状態に不信感を抱く。
ーーまだ物足りない。
今は何もないような気がした。
面には不敵な笑みを浮かばせている悠衣
しかし,裏の顔が切なげに見えた。その事について疑念に抱く。
ーー頭の中に嫌な直感が走る。微かな冷や汗が頬につたる。
『この場』は,事件を解決する事が優先そう思って自分を覆う冷や汗を無視する。
見せ掛けだけでも厳かさを表意する。
「もう全て話したつもりよ。これで満足かしら。因みに蘭の目的は,ピスコとかいった老いぼれを蘇らせることとキールの企てを壊滅させる事そして,みんなをどん底から救う事。
今は,黒に染まった組織のせいで毒化もされてしまったけど本来の蘭は,優しいのよ。
半面は組織のボスである事にあなたと同じぐらいに苦しんでいるんだから・・・・。」
最後の言葉を切なげに呟く。見かけは,彼女らしく軽薄な態度を取っている。
この組織の件を軽々見ているような態度を取る。不敵な笑みを零して足を一歩軽く踏み出す。
何の躊躇い無しに一歩一歩ゆっくりと背を向けて前進する。
「ーー待て………」
コナンは怒りをぶつけるように叫ぶ。
しかし,最初の叫びは強めだったが,途中から途切れて弱くなる。
『ーー待てよ!!オイ』
そういいたかったものの前の零した悠衣の言葉が切なげで哀れんだ感じがして続きの言葉が強く言えなかった。
言葉を弱めた事で一瞬”戸惑い”と迷いが生じた。
『しまった』と思いつつ後戻りは出来ない。ここは、ばれないようにしなければならないと思って一旦ポーカフェイスを保つ。
悠衣が足を止めたような気がした。
ーー『今の声を聞いていたのか』と心配そうな表情にする。
前に視線を向ける悠衣ーーその度コナンは,痛々しい視線を感じる。
ーー何を言い出すのか?
次の”運びの言葉”を気に留める。
悠衣は,歪ませていた口元を直して次の言葉を言おうとした。
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