part−2/62☆後、一歩ゴールまで
ーーあと、もう少し
もうあと一歩の所で情報が全て消えてしまうのは,もう御免
ーー振り返ればいつだって手に入れた情報は消えていくばかり
そんな事もううんざりとでもいいたげな表情に変わる。
ーーもう限界も近い。今まで見逃していた部分を全て知りたい。
過去を振り返って,組織との決戦は,『遠い道のり』だったと言い聞かせる。
”もうゴールは,目の前”
そう思うと待ちきれない。冷静さを欠いてはならないと自覚しても早く”解決したい”その気持ちが肥大になって落ち着かない。
なんとか『落ち着け』と自分に言い聞かせて悠衣が言葉を発するのを待っていた。
「で……話の続きは?教えてくれねぇか?」
怒りを殺して普通の口調で呟く。
怒鳴りつけた口調にしまいと心掛ける。
それに対して悠衣は,小さく一歩を踏み出す。
その後直ぐに、俯いて軽く”不敵な笑み”を浮かばせる。
ーーしばしの沈黙
その沈黙に対して悠衣は,一瞬だけ笑みを浮かばせる。
『何か』を待っているかのように雨音に耳を傾ける。
途切れ途切れに聞こえる雑音を一瞬だけ聞いて”満足そう”に笑みを零す。
俯いた顔を上げては,次の言葉を発そうと微妙に口を開ける。
「ーーあの事件では,私は,キールの後をついて来て何をするのか見張っていた。だいたい彼女が計画していたことはわかっていた。組織の殆どを打ちのめしたあなたを殺害を企んでいた事も。あなたは,無限大の力を得ようとしていた彼女の計画を止める。だから,邪魔になるから殺しに入ったのよ。どんな手を使っても……」
穏やかな感じで次々と語る悠衣
さっきまで背負っていた”重苦しさ”
それはもう溶けてしまいそう
”重苦しさ”を取り除いた状態で軽々と真実を述べる。躊躇いと迷いに凹まされていた彼女は忽然と消えた。
ーーもう躊躇いなどない。
そういいたげな表情を向けて堂々たる姿勢を見せる。
ーー言い負かされたりはしない。
その言葉は心に刻み込んで”自信満々”な態度を取る。
”不敵”ではない笑みを見せる。
少々勝ち誇ったような視線でコナンを見る。
「知っているよね。黒の組織の奴らはどんな手を使っても計画は必ず成功させる奴らだって事……
奴らに”卑怯”とかそんなのは,全く関係ないのよ。
ただ計画は,成功すれば満足するだけ…だから,キールは街中だろうと銃撃なんて犯したんでしょうね…。」
”何もかもわかっている。”
”全てを知り尽くしている”
そんな事をいいたげな表情で呟く。
流石組織のスパイだったといえる程の情報量
”それ”について自慢気な表情で語る。
どこか『勝ち誇った』ような大きい面を見せ付ける。
声に出さずに軽い笑いだけを見せる。
コナンを打ち負かしたつもりの態度を取る。
また次の言葉を繋ごうと”笑み”を歪ませる。
「組織は実に欲望にまみれた愚衆よ。」
小馬鹿にするような口調で呆れ顔を見せる。間の感覚に『やれやれ』と小声で呟く。
そして,まだ『何か』謎めいているという雰囲気を漂わせる。
部屋の薄暗い辺りまで音をひそめて歩く。
「でも、お前もその組織の仲間だったじゃねぇかよ。」
半ば怒りを込めた口調で強くいう。
やや語尾が強くて耳に残る。
「ええ、そうね…。」
「…………………?」
あっさりと自分を”愚かしい”と認める悠衣にどこか解せない気がした。
今までの彼女を見て自分を自分で卑下するような人物には見えない。
謎めいた感じが目に付くように表示されている気がして何かの言葉が出て来なかった。
ーー何を言えばいいのか
とりあえず負けずと密かに言葉を濁らせる。
彼女に圧倒されて怯んでいる姿は見せまい。
それだけを強くインプットする。
「『ええ、そうね…』ってどういう事だ!?」
”とりあえず何か言わなければならない”
心理的にそう働いて強めた口調で叫ぶ。
改めて圧倒されているせいか追い込まれている感覚に歯がゆさを感じる。
その一方悠衣は余裕綽々たる態度を取っている事も気付かずに。 |