part−2/61☆怒りと狂い
「蘭はね、どこかからやって来たキールの目を盗んで危険な薬品を遠ざけたのよ。木っ端微塵になった研究所を調べても何もないようにしたのよ。
命を失ってっていうのに……そんな薬物ができただけだった。虚しいわね。こんな真実………。」
哀れんだ表情を見せて苦笑いをする。
過去の悪であるキールに”利用された”こととたかが薬一つ完全したためにあっさりと死に至ってしまったこと
2つの出来事を振り返ると情けなく感じる。
情けなくて虚しいことを語っている
そんな気がして『はぁ』と溜め息混じりで呟く。
途切れ途切れに目線をそらそうと足元を眺める。
「それにしても今の現状何がなんだかわからねーよ。一体何なんだ?先日、急にていうより夜中に変な銃声が鳴り響くしよ。んでオレが狙っているような影が見えた。どうなっているんだよ。その後に張り付いたような気配いや、殺気はお前だろ?なんか知っているんだろ?」
今まで黙っていたコナンが”怒り”が溜まって抑えきれないーーそんな感じで口ずさむ。
「ーーーーーーーーーー?」
一瞬にして全て見透かされた感じを味わって何も言葉が出てこない。ーーこの場は何を言えばいいのか?
それがわからなかった。勝ち誇って見えるコナンに対して『何か』を述べる気になれない自分に苛立ちを覚える。
ーーしかし全てを伝える義務が残っている。
脳裏に真実を全ていう事が浮かんできて悠衣は閉ざしていた口を開ける。
喋る前に得意の不敵な笑みを浮かばせる。
「因みに真実をいうのは,あなたを救うため、ーー言わば的確な情報を伝えてあなたに貢献するためなんかじゃないわ。
この宙ぶらりんで残っているあの忌々しい過去の事件を0にするためだわ。
私じゃ最大のボスに当たる蘭をどうにかする事が出来ないわ。一番蘭の事を知り尽くしている筈のあんたにしか蘭を止めることは出来ないのよ。わかっている?」
反撃するような口調で言い述べる。彼女が眉をしかめたと同時に遠くから小さな雷の音が聞こえる。
その音より前に入り込んだ僅かな光が窓ガラスを灯す。
動揺した素振りを見せずに自信に満ちた笑みを交わす。
「んな事お前に言われる前からわかっていたよ…。んで事件に関して知っているんなら……教えろよ。これ以上時間をロスしてぐだぐだとだべっている暇なんてねぇんだよ。」
半面燃え上がったように半面冷静を保った状態で口ずさむ。
コナンが”怒り”も交えている事など気にもとめず”ポーカフェイス”を保った感じで次の言葉をいう。
「わかっているわ。でも,ちょっと落ち着いて。」
宥めるように言い付けをする。
そして,軽く笑顔を見せる。
「だから,言ってんだろ!!もう猶予ある時間などねぇって。一秒でもこの事件は早く解きてぇんだよ。」
今まで溜めに溜め込んでいた複雑な感情が一気に出されている。
最後のゴールまであと一歩でたどり着くのに事件が解き明かされる感じが見られない。
その事に抑えきれない苛立ちが増していく。そう、最大限度まで
ーー議論している時間がない
その事に深くとらわれる。
「わかったわよ……。あの忌々しい事件の殆どはキールが占めているのよ。あの雪の降り積もっていたあの日、銃撃事件を犯したのもキールよ。最も邪魔者となっているあなたを消し去る為に全て行動を実行したのよ。」
微かな笑みを浮かばせて片方の眉を顰める。
やや、怖さがまじったような表情にする。
窓ガラスの僅かな隙間から嫌な風が吹きわたる。
凛と張り付いた寒気が走る風が通りすがる。
ーーあともう少しーーもう少しの情報を入手すればゴールまで行ける。
そうもう少し重要な情報を入手すれば次は最終決戦
最初の対決のようにお互いに傷つけあわないようにしたい。
そして,事件解決してゴールしたい。
その願望が密かに膨らんでいた。 |