part−2/58☆旅立ちの前に…
悠衣は覚悟を決めていた。もう全てを話す気になっていた。
嵐が妙に収まってきた。周りで揺らいでいた木々も微かな音だけで収まった。
ーー気づかない内に気持ちが和らいでいた。
様々な葛藤さえも無くなってやっと”気持ちは一つに収まった”という雰囲気を晒した。
”金森悠衣”ーーもう彼女を惑わすものは存在していなかった。
何かをいう事に躊躇う素振りなど全く無い。あとは言葉にして謎を発するだけ。
真剣な眼差しだけ見せて喋る姿勢を見せた。
「私は,もう逃げも隠れもしないわ。惟、有る事柄を話せば満足だから…。スパイ時代に蘭の様子は嫌と云う程見たからね…。」
悠衣は一旦言葉を切った。ほんの一瞬だけ俯く。
そして,再び話し出す準備をする。
『話す人』の姿へと変わる。
「あれは,十年前…
何気ない日にベルモットと云うネームを名乗るようになってからの事よ…。彼女と知り合いだった私は組織に普通に入る事が出来た。ーーーそして私は大きな組織の存在や自分の知り合いで有る彼女の真相を全て究明する為にスパイとして何年間も無理に構成員として働いた。」
一区切りついた所でと一旦の休憩をする。
今、降り注ぐ微かな雨音に耳を傾けてから続きを『話す姿勢』へと変える。
”何も迷いも躊躇いも無い”
堂々とした姿勢を見せつける態度をとる。
「だから、当時の学校に通っていた時も”学校について”も彼女に聞かれたわ。あなたも含めてね…。」
悠衣は語尾を強めてクスッと笑う。
そして,コナンの方へと視線を移す。
何もかも分かっているような面をして嘲笑っている感じを表す。
「ーーーーーーーーーーー!?」
”何を言いたいのだろうか?”
ーー悠衣の奥深い心底のせいか何を解禁しようとしているのか掴めない。
まるで”自分の全てを知っています”的な態度を見せつける彼女に余計に意味深に捉えた。
「元帝丹小学校の生徒よ…。あなたが覚えていないのも無理はないわ。所詮、小学一年生の時の話
まだあのベルモットの存在を知っていた小学一年生など帝丹小学校では私以外にいないもの…。
ーーーー当時、ベルモットはね、一つ犯罪を犯したのよ。それで,身近に居る私に相談を持ちかけたのよ。」
寂しげにものを語る悠衣
次へ運ぶ言葉を云う事に躊躇いはなくても”寂しさ”があった。
でも真実を云う事は決めたと自分に言い聞かせて解禁する”何か”を述べようとする。
「ベルモットはこういったわ。今の彼女なら有り得ない表情を浮かべて……」
再び次の言葉を発するために少しの間隔をあける。
区切りをつけるタイミングにそって一つの言葉にへと運ぶ。一旦、深呼吸をする…。
「『あなたのクラスで最も優しい人は誰?』って私に聞いてきたわ。勿論、真面目な眼差しでね…。」
言葉を発する彼女の表情もさらに真面目さが増した。
彼女の周りの空気だけ凛と張った。
コナンは感づいたのか何かをいうような姿勢になる。
「それって……。まさか?」
食いついているような感じで悠衣の語りに入り込んでくる。
それに対して悠衣は動揺を見せない冷静さを装う。
ただ、感情に負けないようにと黙った態度をとる。時間を見計らって軽く言葉を悲しく告げるように発する。
「そう……。それは蘭の事よ。ベルモットに質問された時に答えたのよ。
『蘭は優しいって…。』ってね…。」
彼女は、久しぶりに不適な笑みを浮かべる。
次の言葉を持っていくように語尾が強く早まる。
風は吹き弱った。
しかし,彼女を包む迫るオーラがやけに強調された。
ーーまるで彼女をキーワードにするかのように…
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