part−2/1☆夕飯
夕飯を食べている。
久しぶりに3人で……
それは、昨日からだ。
一昨日コナン君は、探偵事務所に居なかった。
その日彼は組織のアジトに潜入していたからだ。
私も自分の作った夕飯に手をつけなかった。
あの沖野ヨーコ好きなお父さんも見たかった番組を消して、夕飯も食べず、コナン君のこと心配していた。
一昨日は誰も夕飯に手をつけていなかった。
夕飯は寂しく片付けられた。
それが今日は普通にテーブルを囲んで、
3人で夕飯を食べている。
今までのこと何もなかったかのように..
残っているのは、
私達が戦った時の痛々しい傷跡。
ひしひしと痛む。
堕天使に刻まれた刻印のようだ..
ずっと残っている。
新一の傷跡も罪人によって一生消えないまま・・・
新一も汚してしまった。
彼は本当に心の優しい持ち主なのに…‥
その優しさにウソ偽りがないのに・・・
そんな新一にも傷をつけてしまった。
私の優しさなんて本物ではない…。
本当は罪人なんだから・・・
私も新一、あなたのように
本当の優しさを持っていたらよかったのにね…。
でももう遅い!
私と新一はすでに敵どおしなんだから・・・
私は彼とは、一歩違う道を歩んでしまったから・・・
悔しいけど、敵どおし……
ねぇ…新一
この関係は運命なのかな?
教えてよ…。新一
「蘭ねぇ…ちゃん蘭…ねえちゃん
どうしたの?」
誰……誰なの?
今の声は・・・
とっても優しい声
久しぶりに聞いた幼そうな声
少し懐かしい・・・
一体誰?
「蘭ねえちゃん!!」
えっ…‥コナン君の声
「ど、どうしたの?
コナン君..」
「蘭ねえちゃんのほうこそどうしたの?
さっきから怖い顔をしているけど・・・
何かあったの?
大丈夫・・・?」
「確かに蘭、ちょっと様子がおかしいぞ。
どうしたんだ!?」
「別に大丈夫よ・・・
コナン君も戻ってきたし、何も・・・心配なことはないよ…。」
微妙な途切れのある蘭の声
コナンは違和感があることに
気づいた。
コナンはご飯を食べるのを止めた。
そして動いたはしを止めた。
ちょっとの時間が経ってから
再びはしの先で小さな音をたてて
動かしている。
蘭もその仕草に気づいた。
お互いに自分たちの仕草や様子ばかり見て、
ちょっと気まずいような時間。
部屋の中の空気が重い。
一見楽しそうな夕飯の時間。
でも実はそれぞれ複雑な思いは残っていた。
やはりお互いに妙な仕草は隠せなかった。
「オイ…‥お前ら飯食わねえのか?」
「えっ‥あ、うん食べるよ。」
やはり声に途切れがある。
何か少し動揺しているようだ。
蘭のはしは小さく動く。
コナンも同じくはしの動きが小さい。
お互いに話したいことは
たくさんある。
でもなかなか言えない。
今日の夕飯の時間は
何も起こらない。
でも、みんな沈黙である。
「ねぇ…コナン君
今の学校生活って楽しい?」
私は今の沈黙から逃れるために
少し話しかけてみた。
「うん…‥あいつらと遊んでいる時は楽しいけどね。
でもなんでそんなことを聞くの?
蘭ねえちゃん…急にどうしたの?」
「ううん…別に深い意味はないわ。
ただコナン君の学校の様子しりたかっただけよ。
私にとって帝丹小って懐かしいから..」
そう懐かしいわ・・・
あの頃はまだ罪人になっていなかったから..
あの頃に少し戻りたいなぁって思ってしまうわ。
私ね、あとコナン君と少し話せたり、
一緒に夕飯を食べることがよかった。
ごく普通の会話だけど・・・
ごく普通の夕飯の時間だけど・・・
思いだすたび涙が出そうになる。
何気ない仕草も思いだすと切なくなる。
何気ない今すべてが、私にとってーー悲しいような切ないようなーー複雑な時間
そんな時間もだんだん過ぎていく..
これから先は戦いが待っているのだから・・・
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